3-6 処分
待たせておいてこの短さはなんだと言われそうですが、区切りが良かったので。
「さて、お主の処分についてじゃが」
そう爺さんが言ったので、俺達は爺さんの前に並んだ……って、
「なんでお前らまで?」
「私は会長ですから」
「僕は親友だから」
「私は原因ですから」
「我々は生徒会だから」
「……だそうじゃぞ?」
もうどうにでもなれ。
「気を取り直して主の処分じゃが、二週間の停学処分を言い渡す。他の生徒は、反省文でも書かせようかのぅ。以上じゃ」
それを聴いた時、生徒会の連中は「そういえば、我々は何のためにこの騒動に首を突っ込んだのでしょうか?」「彼の処分を軽くするために、ですよ」と言っていたし、長谷川は「よかったです。退学にならなくて」、いつきは「二週間か…ま、退学にならなくてよかったよ」とそれぞれ言った。
「どうした? 嬉しくはなさそうじゃが」
「一ヶ月でもよかったじゃねぇか。なんで二週間?」
「理由はないわい」
「それでいいのか! 仮にも教育機関の長だろ!!」
「冗談じゃ。理由は……悪いが言えん」
「は?」
言えない? どうしてだ?
「それも言えんわい」
それも秘密か。……まぁいい。
「これで処分が決まったんだろ? なら長居は無用だ。じゃぁな」
俺は荷物を持ってそのまま帰ろうとした。その行動をみて、
「あら? 帰っちゃうんですか?」
「え~~帰っちゃうの~~?」
「帰るんですか?」
三人が俺を引き留めようとした。いつきはいいとして、他の奴らは何故俺を引き留めようとする? そう思ったが、
「じゃ」
無視して、学園長室の窓(俺が割ったところ)から出た。
これからは大分バイトができるな、と思いながら。
つとむが帰ってしまった後、
「帰っちゃいましたね…残念です、まだレシピ訊いてないのに」
「会長。そんなにおいしかったのですか?」
「とても美味しいですよね? 本宮君?」
「そうですよ……そこまで訊きたいの? つとむのレシピ」
「何か言いましたか?」
「いえ、別に」
「どうでもよくはないんじゃが、お主ら。これから授業じゃぞ? 八神については儂が説明しとくから、さっさと自分らの教室に戻らぬか?」
「「「「「「あ」」」」」」
学園長の言葉で全員が自分たちの教室に戻った。その後、
「いいのですか? 彼も言っていたように、最低でも一ヶ月の停学が妥当だと思うのですが」
「そんなこと言われてものぅ。あの二人が、無言の圧力で見てくるからのぅ」
「誰ですか?」
「本宮の子と、白鷺嬢じゃ」
「もっと厳粛にしてくれませんか?」
「それは無理じゃな。あの二人が関わってしまったら、割と面倒なことになるからのぅ」
「そうですか……あ。きちんと録画はしましたからね?」
「八神君には、追悼の念でもおくるかのぅ。あの二人に関わったばかりに……」
「聴いてるのですか……? それと、まだ彼は死んでいませんよ!」
割れた窓ガラスのことなど忘れ、つとむの心配をしている人がいたとか。
ではでは




