5-1 翌朝
次回はこれから考えます。
お袋の説教と罰(夕飯抜きアンド夕食調理)でバイトを短く切り上げた俺(情けでいかせてもらった)。
で、調理して本当に夕飯抜きになったので外出しようとしたら親父が帰ってきて。
事情がばれて第二ラウンドでボロボロになった俺は(親父にも多少怪我をさせた)外出する気もなかったので風呂入ってそのまま部屋戻って寝た。
翌日六月二日(木曜日)。
目覚ましで起きた俺は恐ろしい空腹感を覚えながら起きたところ……なぜか同じベッドでいつきがスヤスヤと寝ていた。
起こすのも忍びなかったのでゆっくりと起きて着替え……こっそりと部屋を出てからダッシュで一階に降りて叫んだ。
「おいどうしていつきが俺のところにいる!?」
対しお袋は「そんなに叫んだら起こしちゃうでしょ」と注意しながら調理を続け、親父は新聞を読みながら「朝から元気だな、お前」と感心したように言った。
「何のんびり言ってんだよ! いつきがしばらくここにいるというのはもう仕方ないとして、どう考えても俺より後にあいつ部屋入ってきただろ!?」
朝からこの怒鳴りは近所迷惑だろうが、そうでもしなきゃ俺の焦りは解消できない。
それに対してもこの夫婦は首を傾げるだけ。
その姿を見て逆に冷静になりつつあると、「お兄ちゃんうるさい!」と茜が怒ってリビングに来た。
「朝からそんな大声出さないでよ!」
「ああ悪い」
「一体どうしたの?」
「あー……それがな」
茜に事情を説明しようと思ったが、ふとこれを言ったら人としてヤバいんじゃないのだろうかと思い直す。
が、茜は何か察したようで無言でリビングから出て行った。
そして、二階から「何やってるんですかいつきさん!」と怒鳴り声が聞こえた。
「っていうか、お前家が隣だった時普通に一緒に寝てただろ?」
「んなもん昔の話だろ! それに俺あいつが女だと知らなかったし」
「別にいいじゃない。いつきちゃん満更でもなかったし」
「俺の意志は!?」
そういうと二人は何も言わず作業に戻る。……おい。
もう聞いてくれないことが分かった俺は、盛大にため息をついて自分の席に座る。
朝から本当疲れたぜ……そう思いながら背もたれに寄りかかっていると、リビングの近くから騒ぐ声が聞こえたので、首を向ける。
入ってきたのは当たり前のようにいつきと茜だったが、俺の事など気にせず二人で言い争っていた。
その言い争いを見るのも野暮なので出来てる料理を食べ始めることにする。
聞こえてくる単語に「ずるい」とかがあったが、もう気にしないことにした。
「さて、行くか」
「ああ、うん……そうだね」
「どうしたいつき? ずいぶん声が小さいし」
自転車に乗って出発しようとしたところ、なぜかいつきがこちらを見ない。
今朝の事だろうなと思った俺は、何も言わずに自転車をこいでいつきを置いていくことにした。
決して面倒になったわけではない。




