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アイドルッ!  作者: 末吉
プロローグ
1/204

自分の近況

お久し振りです。やっと投稿します。

 突然だが、諸君はアイドルやタレントなどについてどう思う?たいていの意見としては、あこがれや、なりたい職業だと思う。しかし、俺の意見としては、よくやってられるな、とか、なりたくはない、だな。何故って? そりゃぁ、目立つからだよ。

 なぜこんなことを言ったかというと、俺はいたくもない学園に無理矢理入学させられて、学園生活を送っているからだ。お前はどこの学校にいるんだ?と訊きたくなるだろ。今から順に説明してやる。

 俺が入学した学校の名は、アイドルやタレント、俳優みたいな表舞台で活躍する人から、大道具みたいな表舞台には出ない人たちを教育・育成・輩出している私立スミレ学園。この学園ができた理由が、6年ぐらい前に亡くなったある有名な俳優が遺言で、『私の全財産は、これから俳優などになりたい人たちを育成できる学校のためにつかってくれ』みたいなことを書いていたかららしい。しかも、学費は普通の公立よりちょっと安い。どんだけ金持ってんだよって今でも思う。

凄いのは、毎年毎年入学希望者が多いのにもかかわらず、入試などはなく、書類審査だけしかないところ。要は、書類を送ったら合格通知か不合格通知のどちらかが送られる仕組みである。ちなみに、この学園の倍率は毎年十倍くらいになる。よくそんな学園に合格できたなと思うだろうが、俺は送った覚えがない。そして、こんなことをしたのは間違いなくあいつである。

本宮いつき。俺の幼馴染で、家がお金持ちの、いわゆる御曹司である。顔は、大体の予想を裏切らないで、美形。ただし、若干女っぽい顔立ちをしている。それでも女子にはモテるんだがな。いつも笑っているが、顔の事をからかわれると、翌日にはからかった人がいなくなる。ちなみに、俺も何回かうっかり言ってしまったが、消される、ということはなくむしろ、ものすごくいじめられた。具体的には、あいつのSPと喧嘩したり、山の中に放置されて、一人で脱出したりしたな。他にもあるが、思い出したくないので割愛しておく。

 ともあれ、こいつのせいでこんな学園に入学しなきゃならなくなった。その経緯は、

ある日、家の郵便受けの中に一つの封筒が入っていた。

           ↓

   それを家の中であける。

           ↓

   合格通知が入っていた。

となる。俺は普通に近くの公立高校に通おうと必死で勉強していたのに、この通知が来たわけだ。その時に俺は、反射的に本宮に電話した。

『何つとむ? 何か用?』

「とぼけるな。お前のところにも合格通知が届いてんじゃねぇのか?」

『合格通知? ああ! そういえば届いてたね、そんなの。ん? お前にも、って事はつとむのところにも来たんだね!? やった!! また一緒の学校だよ!!』

「そうか。いや、それはこの際どうでもいいが、生憎俺にはこの学校に書類を送った覚えがない。となるとだ、いつき、てめぇ勝手に送りやがったな?」

『やっぱりばれちゃったか』

「そうか、やっぱりお前だったんだな。今すぐ合格を取り消したいんだが、どうすればいい?」

『へ? 知らないのつとむ?合格通知が届いたら取り消しはおろか、退学も出来ないんだよ?』

「は?」

『やっぱり知らなかったんだね。という訳で、ちょっとしたら入学に必要な書類が届くだろうから、それ書いて郵便局に出しておいてね』

「おい、ちょっと待て。勝手に送られた挙句に、退学も出来ないだと?こっちの都合も考えやがれ!!」

『お父さんたちも喜ぶだろうね。息子がテレビに出たら』

「なんだその締め方!?俺はちっとも嬉しくねぇぞ!」

『うるさいなぁ。他に言いたいことがあるだろうけど、それは明日に聴くから』

「おい! ちょっと待て! おい! ……切りやがったな、あいつ」

その後、この通知を妹に見つかり、両親がそろって『祝いだ!!』とか言ってだいぶ奮発したのか、割といい値段の肉を買ってきて焼肉をした。その翌日俺は、中学の担任にいつきが送ったせいでこの学校に合格したと合格通知を持って告げると、『よかったじゃないか。お前もテレビに出られるぞ』と言ってきやがった。人の気も知らないで何を言ってやがる、と思ってしまったが、口には出さなかった。

 さて、長々と説明をしてきたがお前は誰だ、と感じているだろう。他の紹介ばかりで自分の事を忘れていた。

 俺の名前は八神つとむ。目つきが親と似つかないとよく言われるほど鋭く、容姿だけを見ると、不良とよく見間違えられる。趣味は一人で散歩をすること。特技が家事全般。夢が、一人旅と、平穏に暮らすこと。後は、俺の体質について説明するだけなんだが、いい加減億劫だから、これは後程説明しようか。

 では、始めるか。この話――俺とこの学園の奴らとの学園生活を。


では

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