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学術研究都市の能力保持者達  作者: 和泉 和
盛夏戦編 第一章
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盛夏戦編 第01章 第10話 文弥VS鏡子

 戦闘を終えて、澪だけが演習場に戻って来たのをみて、文弥はポンと手を打った。

 

「そう言えば、中で死亡事故があった場合は、直接医務室に飛ばされるんだったか……すっかり忘れてたぜ」

 

 幸いと言うのかどうなのか、授業でそのような事故が起こった事は未だに無い。

 

 元々は、特殊フィールドなどは存在せず、怪我をしたなら治療を必要とし、中で命を落としたなら、数日の昏睡などと言う生ぬるい結果ではなく、その後目覚める事は無いかったのだ。安心だからと言って、命を賭すような試合を行う事はない。

 

 さらに、怪我とは違い数日の昏睡というのも問題だった。その分授業が遅れる。

 

「少々やりすぎてしまいました」

 

 少々どころか、オーバーキルであり、言葉とは裏腹に申し訳なさが露ほども伝わってこない口調で、澪は頭を下げた。

 

「いや、構わんよ。元はと言えば小幡の望みだったのだからな」

 

 そう、鏡子が同調した事によって、ほんの少しだが場の空気が弱まった。

 

 そうすると、今しがた見た戦闘よりも、次。文弥と鏡子の戦いへと皆の興味が移る。

 

 当の本人たちはと言えば、

 

「流石に、アレを盛夏戦の対人戦で使用するわけにはいかんな。レギュレーションに引っかかる」

 

「まぁ、威力制限のない競技に充てるでもいいし、汎用器を使ったら、ロウソクくらいまで威力の調節ができるし、そこは作戦次第だと思うぜ」

 

「なるほど、あれを見た後では誰も文句は言わないだろうしな。がっつり作戦を考え直してみよう」

 

 と、和気あいあいと、澪の戦闘について語り合っていたが。

 

 まるで、文弥の出場が確定しているかのように、見えるかもしれない。

 

 それは、澪も含めた三人の共通認識だったが、それ以外のメンツにとっては、気持ちの良い空気ではない。

 

 それを打開したのは、一人の男子生徒だった。

 

「会長。そろそろ、試合を始めませんと、下校時間に差し掛かります」

 

 長身痩躯(そうく)と言った表現が適切な生徒だった。眼鏡をかけたまじめ委員長タイプといった容姿は、本人の生真面目さを象徴しているようだ。

 

 近視、遠視、乱視ともに、治療可能な病気となった今、恵美のような特殊な例でもない限り、眼鏡をかける事はない。

 

 目の前の生徒も同様。眼鏡云々は単なるイメージと言うのみで、実際は裸眼だ。

 

 会長と呼んでいるところをみると、当校の生徒だろうと、文弥は結論づけた。

 

「そうだな、早速と言う感じは否めないが、佐久間の言うとおり時間も押している。我々も始めるとするか……久城文弥。準備はいいか?」

 

「ちょっと待ってくれ。……澪」

 

「はい、お兄様」

 

 文弥は、鏡子を制して、首に下げた白と黒の剣を模ったネックレスを外し、澪へと預けた。

 

 体内にクラウ・ソラスを宿す文弥にとって、それは全くと言って良いほど意味のない行為だが、それを知らず、そのネックレスこそが彼の専用器であると認識している他の生徒は目を見開いた。

 

 わざわざ、この学校最強を誇るはずの生徒会長相手に、自らの戦力を削るなど愚の骨頂であるからだ。

 

 そして驚いたのは、鏡子も同じだった。

 

 正し、理由は他の生徒たちとは異なっていたが。

 

「専用器を使用しないのか?」

 

「盛夏戦は専用器禁止なんだろう?それに、授業では汎用器を使ってる。それはあんたも知ってるだろ?」

 

「それはそうだが……」

 

 意外かもしれないが、鏡子が文弥の《能力(スキル)》について知っている事は少ない。

 

 正確には、ここ剴園高校において、文弥の《能力(スキル)》について詳細を知っているのは、文弥の部屋で共同生活を送っている、新入生対抗戦チームメンバーと、澪を除けば、凛々子、恵美、一誠そして、担任教師であり入学時の面談を行った奥村教諭くらいのものである。

 

 どう言う理由か、学校のデータベースにも未だ登録されていないため、教師すら把握していない(ふし)がある。

 

 別段隠し立てする理由もないのだが、元々文弥が所属していた金鵄教導では、《能力(スキル)》を秘密にするのが当たり前であったため、染みついた習慣に準じて秘匿を続けていると言うわけだった。

 

 とは言え、別段隠し立てする必要も無いと、文弥自身認識しているため、何が何でも隠そうとしているのではなく、単純に隠したままでも不自由しないためそのままであるだけだった。

 

 文弥が公衆の前でその力を発揮したのは、亜麻(ああさ)こと久城 研璽(けんじ)が従えた人造忌形種(いぎょうしゅ)を倒した際に使用した、クラウ・ソラスの一部の機能、そして、新入生対抗戦で見せた力の片鱗、そして、普段の授業で使用している、絶刀剣舞と本人が呼んでいる、異質な剣技のみだ。

 

 しかも、普段は、強化系統でも可能な肉体強化以外は使用していない。唯一肉体強化以外を使用した新入生対抗戦でも、クラウ・ソラスの能力を併用して、ごまかしていた。

 

 文弥の、本来の《能力(スキル)》を知らない者からすれば、クラウ・ソラスの力なのか、強化系統だと思い込まされているだけでその実異質な《能力(スキル)》であるのか判断がつかないだろう。

 

 そして、鏡子はその天性とも言える、(いくさ)(かん)によって、文弥の《能力(スキル)》が単なる強化系統では無いと認識していた。

 

 そして、今回もクラウ・ソラスによって、その力を隠して戦うと思っていたのだった。

 

 もちろん、いつものように肉体強化のみで戦ってくるかも知れないが、それだけでは足りないように攻撃すれば、白日の下でその本来の《能力(スキル)》を使用するだろう。

 

 それを想像し、鏡子は思わず武者震いをする。

 

 この兄は、あの妹よりも強者である。

 

 その程度の情報は、彼のもう一つの顔を知った時に得ていた。

 

「さて、そろそろ始めるか。ルールはそうだな、さっきのルールに加えて、降参ありってことにしとこうぜ?」

 

「ああ、私もそれで構わない」

 

 そうルールが決まった後、数秒の(いとま)を置いて、文弥達を転送の光が包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 転送完了と共に、試合開始となるこの試合形式においては、転送光に紛れての奇襲か、後の先をとるカウンターかと言った戦術が主だ。しかしながら、澪ほどの実力者でも無い限り、後者の選択は難しい。先ほどの戦いにおいても、小幡の特攻から試合が開始されていた。

 

 しかし、この場に居るのは、剴園高校随一の実力者と、金鵄教導第一位だ。もちろん、鏡子は文弥が金鵄教導一位の実力者であることは知らないし、それどころか順位付け制度がある事実すら知らない。しかしながら、前もって考えていた以上に、実際に相対(あいたい)した感触から、文弥が相当な実力を秘めていることは理解していた。

 

 そして、お互いがお互いの力を見極めようとしている状況でもある。

 

 互いに、ゆっくりと汎用器を武器化し、構えをとる。

 

 文弥は、演習授業でも使用している、美しい片刃の剣だ。やや反りがある形状で、刃の形は刀のそれ似ている。しかしながら、刀と比べると波紋はなく、代わりに、剣全体が鏡のように磨き込まれ輝いている。刀身は一メートルほどで、片手剣としてはやや長めのサイズとなっている。本来は、鞘とセットであるが、この鞘は文弥の意思によって自由に出し入れ可能で、今は具現化をしていない。

 

 対する鏡子は、峰が櫛状になった剣であった。いわゆるソードブレーカーと呼ばれる種類の剣であるが、通常のソードブレーカーは、刃渡り二十センチから二十五センチほどのサブウエポンであるが、鏡子の手に握られているのは、全長一メートル程の剣だった。柄の分だけ、文弥の剣よりは短いものの、両手剣としても、片手剣としても扱いの良い剣だろう。

 

「負け知らずと言う、お前の剣、見せてもらおう!」

 

 先んじて攻撃を仕掛けたのは、鏡子だった。

 

 常人の、いや、身体能力が強化されている《能力保持者(スキルオーナー)》をぶっちぎる勢いでの突進、刺突攻撃だ。並の《能力保持者(スキルオーナー)》であったなら、目で追うのも難しい速度だ。ただ消えたように見えるかも知れない。また、本人の実力には関係なく、モニタ越しで見ている観戦者達は、モニタのフレームレートが追いつかず、コマ落ちして消えたたように見えただろう。ここに、特殊フィールド制作の関係者が居たなら、ハイスピードカメラの導入を検討したに違いない。

 

「――絶刀剣舞 破 《月光蝶(げっこうちょう)》」

 

 絶刀剣舞の番外でありながら、動きも結果も非常に地味だ。

 

 ――カン

 

 と、澄んだ音を立てたかと思うと、鏡子の突進が大きく逸れ、まるで体の動かし方を忘れてしまったかの様に、ふらふらとたたらを踏む。

 

 本来であれば、そのまま吹き飛ばす、剣を使った当て身投げであり、防御から転じて攻撃に変える、絶刀剣舞の防御技なのだが、とっさに《能力(スキル)》をうまく使い堪えたらしい。

 

 さすが、剴園高校最強を名乗るだけはある。と、文弥は舌を巻きつつも、そのまま円を描くように斬りかかる。

 

 舞い踊るかのような、彼の剣技は剣舞と言う名に恥じないものであるが、鏡子はその剣を《能力(スキル)》で強化した腕力のみで弾く。体制は未だ整っておらず、腰も入らぬ無様とも言える受けだが、それでも、時には受け流し、時には弾く様は、剣技はともかく、《能力(スキル)》運用においては、文弥の群を抜いているように見える。

 

 その実、文弥は未だ《能力(スキル)》を使用してはいないのだが。

 

 文弥のこの円を描く剣技は、その一太刀ごとに速さを増していく。初撃の勢いを殺さぬまま、次撃、その次へと速度を増していく。

 

 さしもの文弥も、ある一定以上の速さともなれば、生身ではきつく、《能力(スキル)》によって身体の補強を行う必要があるが、未だこの程度であれば、《能力(スキル)》を使うまでもない。

 

 かたや、鏡子は一撃一撃を受けるために、《能力(スキル)》の使用を余儀なくされている。

 

 しかし、彼女の目は彼の剣をしっかり捕らえ、そして、脳は彼の剣技を分析していた。

 

(確かに、この剣技はやっかいだな……相手が、一年であれば、これだけで圧倒できると言うのも、理解できる。しかし――)

 

 鏡子は、右手に握った剣を突如左に持ち替えると――

 

「ふん!」

 

 と、声を上げ、文弥の剣を鷲掴みにした。

 

 生身で振るえる程度の剣速とは言え、ランクC程度の強化系《能力保持者(スキルオーナー)》が同様のことを行ったなら、手のひらを半分に切り取られていただろう。その程度の剣速は出ている。剣だけの速度で言えば、鏡子が放った初撃よりも速い。そして何よりも、文弥の汎用器は見た目に違わず恐ろしいまでの切れ味を誇っている。

 

 それを、手のひらに傷ひとつ負わず、つかみ取ったのだ。さしもの文弥も驚かずには居られない。

 

「なるほど、純粋な強化系統……それも並じゃあねぇって事か」

 

 言って、一度武器化を解除し、再度武器化を行う。もちろん、()()()()も忘れない。そして、仕切り直しだとでも言うように、三メートル程の距離をとった。

 

 鏡子はその姿を驚愕に満ちた目で見つめていた。

 

(《能力(スキル)》が打ち消されただと……?)

 

 強力な、強化《能力(スキル)》によって強化された手で、文弥の剣をつかみ取ったが、その前に《能力(スキル)》を解除されていたら、解除した後剣を一度戻すあの方法ではなく、そのまま斬りつけられていたら、恐らく指はつながっていなかっただろう。

 

 一体どうやって……?と言う疑問が頭をよぎるが、彼女が話すのは別の内容だ。そもそもにおいて、《能力(スキル)》の無効化はめずらしい技術ではあるが、不可能ではないとされている。金鵄教導なら、それもありかも知れないと無理矢理納得する。いくら、悪名高い金鵄教導とてそんな《能力(スキル)》の研究を行っていたとは思えないなどと言ったことは、考えないことにして。

 

 さりとて、口上は、自分の立ち位置を優位にするために行うものだ。

 

「お前の剣は強力だ。わざと防ぎやすいように剣を繰り出し、防がせる。防がれた剣は速くなる。そうしてどんどん速くした後に、本命の一撃だ。居つきの無い良い剣だが、こうやって止めてしまえば、勢いはリセットされるみたいだな」

 

 そう、弱点をあげつらうように言うが、現実はそこまで優しくはない。

 

 受けるのでさえ困難な、神速の剣を受け止めるなど、普通なら不可能だ。

 

 鏡子の類い希な強化の力と、彼女の武器特性上受け止める事に慣れているからこそ可能である術理なのだ。そして、《能力(スキル)》を無効化される可能性がある以上おいそれと同じ手段は取れない。鏡子は、見逃されたのだと判断していた。

 

 そして何よりも、

 

「別にこれ自体は、単なる足運びとかの一種で、技でも何でも無いんだけどよ……」

 

 と言うことであった。

 

 普通であれば、それだけで奥義として伝承されそうな技を持ってして、名も無いただの基本動作なのだった。

 

「なるほど、さっきの《月光蝶》だったか。アレこそが神髄か。剣を使っての当て身投げなど、聞いたこともない」

 

 そして、それも違う。違うが、別段それを指摘するわけでもない。

 

「ウオーミングアップもそろそろ終わっただろ。いい加減本気でやれよ」

 

 指摘するのは、その事実のみ。

 

「……そうだな。そう言う約束だったな。後が面倒だしな、死ぬなよ?」

 

 そう言った後、鏡子はおもむろに剣を地面にたたきつける。

 

「――《炎雷(えんらい)》」

 

 厳かに告げられた言葉と共に、文弥の身体が炎と電撃に包まれた。先ほどの澪の炎よりも強力な炎。すべてを燃やしつくす、澪の焔と違い、消すことの出来る炎ではあるが、それでも見た目の凄惨さはこちらの方が上だった。

 

 ファイアストームが壁をそして天井を焦すのは同じ。合わせて、ゴロゴロと絶えず雷が落ち続けているかのような、強力な電撃。

 

 それは、火に耐性があるものには電撃が、電撃に耐性があるものには、炎が襲いかかるという、二段構えの攻撃だ。

 

 並の、操作系統、具現化系統ではコレを防ぐことは難しい。

 

 そして、一般に確認されている、特殊系統、《能力(スキル)》無効化においては、《能力(スキル)》そのものは無効化できても、それによって生じた熱などは消去できない。

 

 もし仮に、文弥が鏡子の能力を無効化し、元の剣を地面に打ち付け生じた、火花と静電気へと戻したとしても、合わせて生じた熱までは防げない。強電流強電圧をかけられて、プラズマ化した空気は元には戻らない。

 

 強化系統の《能力保持者(スキルオーナー)》は、自分自身の強化以外行えないものがほとんどだ。

 

 しかし、強化系統が戦闘に最も向いていると言われる所以は、それではない。

 

 自分自身の強化ももちろん強力だが、それだけでは、全系統中最強で最弱の《能力(スキル)》などと呼ばれたりはしない。

 

 強化系統の真骨頂は、自分以外の強化。

 

 すなわち、小さな火花を炎と電撃へと変える、その力こそが、戦闘に最も向いていると言われる所以だ。

 

 

 

 だが、文弥が剣を軽く振るうと、まるで何事もなかったかのように、炎も雷も、そしてその余波すらもすべて消えて無くなった。

 

 文弥の戦闘服はおろか、髪の毛の一本すら燃えてはいない。

 

 それを、見ても一切動揺を浮かべることもなく、今度は足で地面を蹴り飛ばす。

 

「――《震脚(しんきゃく)》」

 

 蹴った地点から、大きな地震が起こり、地割れを起こす。足下を崩され、奈落へ突き落とす技だ。

 

 あるもの――炎や電撃―を消せても、割れた地面を埋めることは出来ない。

 

 文弥も、他と同じく奈落へ落ちるだろう……

 

 しかし、地割れは文弥の手前で停止し、地震自体も、彼だけを避けて揺れているようだった。効いてないと見るや、さらに《能力(スキル)》を重ねる。

 

「――《圧轢(あつれき)》」

 

 さらに、文弥の周りの重力を強化する。

 

 ただでさえ、地震と地割れで砕けている地面が、超重力によって粉々になっていく。しかしその、砕けた粉塵さえも、超重力に引かれ、地面に吸い付く。

 

 体重が何百倍、何千倍に変化し、通常であれば自重だけで圧殺される程の重力だが、文弥は涼しい顔で立っていた。

 

「ふむ。これほど強力な強化系統は金鵄教導にも居なかったな。そもそも、あそこには純粋な強化系統はほとんど居ないからな。研究対象として不十分だという理由だが……こうして受けてみると、その考えを改めざるを得ないな」

 

 自分以外を強化できると言うだけで、恐ろしく汎用性が上がる。

 

 こと攻撃と言うだけであるならば、それを操作する必要は無いのだから。

 

「そろそろ、決めさせてもらう。――絶刀剣舞 弐の型……」

 

 と、剣を地面すれすれに下ろす、虎匐(こふく)の構えを取るが、結果的に彼の剣舞は不発に終わった。

 

 

 

『警報!警報!狡神市沖にて、忌形種の発生を確認、(ただ)ちに避難して下さい』

 

 

 

 

 

 けたたましく鳴る避難勧告サイレンと共に、放送が流れる。

 

 突然の、避難勧告だが、二人の対応は早かった。

 

 二人で同時に降伏(リザイン)すると、元の演習場モニタルームへと戻る。

 

 試合は水となったが、決着を付けずとも、文弥の実力はこの場に居る誰もが理解したことだろう。

 

 それを知ってか知らずか、鏡子は、ちらっと携帯端末を確認すると、

 

「総員直ちに、待避。校内の避難シェルタへ移動だ。生徒会役員は、出動要請が出ている。準備が整い次第、現場へ集合だ。集合場所は各人端末を確認すること」

 

 そう言って、足早に演習場を駆け出していった。

 

 優先事項的には正しいことではあるが、ついぞ、こちらを振り返ることはなく、先ほどの試合についての話も一切無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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