表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学術研究都市の能力保持者達  作者: 和泉 和
転校偏 ~闇夜のカリバーン~ 第三章
26/62

転校偏 第03章 第02話 開戦!新入生対抗戦!

 昼花火というものがある。


 その名の通り日中に行う花火で、夜の花火とは違い煙に色を付けて打ち上げる花火だ。


 光の効果はなく、音と色だけだ。


 現在では、狼煙(のろし)の代わりに打ち上げたりするらしい。


 戦前に、狼煙を上げるのは今も昔も変わらず。


 そんなわけで、開戦前の新入生対抗戦会場ではポンポンと昼花火が上がっている。


 優羽(ゆう)は物珍しさもあって、最初はなんとなくそれを見上げていたが、三十分もすると、飽きてきていた。


 光がない分、圧倒的に派手さが欠ける。


 たくさん上げればいいというものでもないのだ。


 周りを見ると、伊織(いおり)文寧(あやね)も手持ち無沙汰な様で、ストレッチを繰り返している。


 入念すぎるほどに。


 一回戦は、ランダムでマッチングされ二百組、百対戦がヨーイドンで同時にに開始される。


 何があっても本日の欠席は認められないため、剴園高校現一年生が全員集合しているはずだ。


 他の学年より一人少ないはずだが、それでも八百人近い人数が集まっていると圧巻だ。


 こうやって全員が集まっているのを見るのは、入学式以来だろう。入学式から比べると、逆に一人多いわけなのだが。


 ランダムでマッチングされ、ヨーイドンで同時に始まる一回戦は、組み合わせの発表や、転送チップを人数分配布するだけで、時間がかかるのだろう。


 前もって配布すると、忘れてくる人や無くす人が少なからず出るのだろう。それでも、当日配布でこれだけ待たされると、対抗戦前にやる気をそがれる思いだ。


 鬱々とそんなことを考えていると、組み合わせ表と転送チップをもって文弥がやってきた。


 文弥、伊織、文寧、美羽。


 この四人が新入生対抗戦のチーム『チーム久城』のメンバーだ。


 リーダーは文弥。


 リーダーが離脱しても、他のメンバーで勝てば良いが、六十分の制限時間を超えた場合、リーダーが生き残っている方が勝利となるルールだ。


 伊織が勢いで文弥をリーダーに推したのが要因だが、結果として、予選では文弥は一切手出ししないことになっているので、リーダーでよかったのだろう。


 転送チップは見えやすいように胸元につけることになっている。


 この転送チップを奪われるか、破壊されるかするとフィールドから離脱させられる。


 その他、命の危機になるような大ダメージを受けても、離脱させられる。


 転送チップは見えるように胸元につけることになっているため、ソコまでの大ダメージを与えること無く破壊できるだろう。


 そして、全員がフィールドから居なくなると負けとなる。


 文弥が一人一人に転送チップを手渡している。


 優羽も受け取ると、早速胸元に取り付けた。


 服装は演習授業と同じ戦闘服だ。入学試験での成績によって、EランクとDランクに分かれており、昇格試験もまだ行っていないため、C以上のランクの生徒は一人も居ない。


 剴園学園では、女子はリボンの色、男子はチーフの色でランクが分かるようになっている。


 ピンクがEランク、イエローがDランクだ。


 周りを見渡すと、イエローが約2割それ以外はすべてピンクという割合になっていた。


 チーム久城の面々は、全員がDランク。ただしそれは、入学試験ではEかDか不合格かしか判断できないからであって、昇格試験さえ受けることができれば、全員がCに合格できるだろう。


 まぁ、文弥ならその上も可能かもしれないが。


 とは言え、油断は禁物だ。


 優羽が気を引き締めていると、文弥が口を開いた。


「おーし。みんな、転送チップは付けたな?あと、五分ほどで転送らしいから準備しておけよ?今回は、円卓の騎士(ナイツオブラウンド)の最新技術の、バトルフィールドのテストを兼ねているらしくてよ。中で死なない限りは、外に出れば怪我も何もしてねー状態になるらしい。痛いのは本気で痛いからソコだけは気をつけろよ」


 文弥はそう言って、軽くストレッチを始めた。


 そうして、程なく、予選一回戦を告げる放送とともに、バトルフィールドへと転送された。


 


 


 


 


 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ