転校偏 第02章 第03話 実戦演習!
午後からは予定通り演習授業が始まった。
演習授業自体は毎日行われているため、四月に入学した生徒は元より、転校生の文弥も授業自体はすでに慣れたものとなった。
ここ最近は、新入生対抗戦を見据えた個人練習がメインとなっていた。座学で学んだ自系統の新しいワザの練習をしたり、武器化された《補助器》の形状が特殊な者はその扱いに慣れるべく、組手を繰り返している。
《能力保持者》すべてが、武器による攻撃技術を予め習得しているわけではない。高校から本格的な教育が始まるのだから、普通に考えると武道の嗜みなどない者が殆どだ。
だが、剴園高校に入学できるような者達は、高いレベルで武器による攻撃技術を習得しているのが普通だ。そうでなければ、倍率の高い剴園高校に入学はできない。
特に、剴園の中等部、幼稚舎出身の《能力保持者》はその在学中武器化を学ばない代わりに、武器による攻撃技術を徹底的に叩き込まれる。
すでにチームが決まっているものは、チームで演習を。そうでないものは適当に三~四人組を作っての演習。
各所に散らばって訓練をしている彼らは、ただの演習とはいえ非常にレベルの高いものだ。
その中で、一際注目を浴びているチームがあった。
それは、学年随一の才女達が集まるチームだ。
《能力》の強力さもさることながら、武器術にも長け、ペーパーテストの成績も良い。
容姿についても、三人が三人とも黙っていれば、気後れするような美少女たちだ。本人たちのパーソナリティが人を突き放すものではないので、幾分気易いものとなっているが、それでも高嶺の花であろう。
対する、相手は一人の男子生徒だ。
美少年というには、覇気が強すぎる容姿。
好青年というには、意志が強すぎる瞳。
彼にも彼女たちと同じくらいの視線が集まっている。
一切母性本能をくすぐるタイプではなく、女性として違う部分が刺激されるような精悍な容姿だ。
注目しているのは、彼と彼女たちの容姿だけではない。
学年随一の才女達相手に、一人で立ち回り余裕を崩さない彼と、絶えず三人がかりで強力な攻撃を繰り返す彼女達の戦闘技能に注目しているのだ。
ほんわかと癒し系の美しさを持つ佐伯優羽の表情は、戦闘中の今ばかりは厳しく引き締まっている。手には弓と、細長い氷柱のような矢。
弓矢の見た目は洋弓風だが、引き絞る所作は和弓そのものだ。
標的を狙い矢を放つ。銃弾よりも早く氷の矢は標的を貫いたように見えた。
だが――
標的が手に持った鏡のように美しい片刃の剣を振るうと、矢は粉々に打ち砕かれた。刃渡りだけで一メートルほどの鏡のような剣をその重量すら感じさせず軽々と振り回す。
「狙撃が有効なのは、どこから飛んでくるのかわからないものだけだ。姿を晒した射撃手が出来るのは面で責めることだけだ」
標的は目にも留まらぬ速さで、狙撃手との間合いを詰める。そこに新しい人影が割り込んだ。
優羽とは違う意味で陽性の美少女だ。今は後ろで束ねている長い髪が、剣を振るう度にしっぽのようにゆれている。
標的から放たれる斬撃を左手に構えた盾で受け流し、右手の細剣で刺突するが、ことごとく躱され、受け流す毎に、そして攻撃を躱される毎に、速度が増す剣戟にだんだんと防御が間に合わなくなり、剣が掠るようになる。
敵ながら舞踊と言えるほどの美しい剣戟だ。しかも、大怪我をさせないように、気を遣って斬撃を放っているのが分かる。かすり傷で済んでいるのはそのためだ。
余裕を見せられている……悔しいことだが。
「あーもうっ!なんかそれズルくない?どんどん早くなるしさっ!」
「こんなのはただの基礎だ」
こちらの剣を弾き飛ばす為に放たれた疾くて重い斬撃を、真正面から盾で受ける。
戦闘における隙と言うのは、動作の起こりと終わりに生ずる。足を止めての盾での防御は、完全に隙となっていた。足が止まった居着きの状態からでは、どうしても動きが鈍くなる。居着きをなくすのは、基礎中の基礎だ。
対する相手は、足どころか動作全体が止まることがない。すべての動作の終わりは、すべての動作の始まりであり、すべての動作の始まりは、すべての動作の終わりだ。円を描くように、流れるようにそれでいてランダムに斬撃が放たれる。描かれる円の数が増えるほど、その速度を増していく。
そして、速度は威力に直結する。斬撃自体は盾で防いだが、衝撃は殺しきれずたたらを踏む。
このまま盾を構えていたところで、覆いきれない部分を狙われればそれで終わりだ。今なお加速をつづける彼の剣舞は彼女を斬り伏せるだろう。
――コレが、殺し合いなら。
速度がのった強烈な剣撃が盾の上から叩きつけられる。盾は弾かれ、足は踏ん張り切ることが出来ず、そのまま後方にふっとばされる。
「盾で防御、剣で攻撃と動作を決めてしまっているから動きが読みやすい」
「そりゃどうもっ!」
射撃手の優羽が改めて次弾を装填したのを見てとって、ふっとばされる勢いを利用し、大きく飛び退く。
次の瞬間、再び細長い氷柱のような矢が文弥に向かって飛翔する。今度の矢は、標的の剣に砕かれることはなかった。標的に砕かれる前に破砕し、無数の細かい刃となって標的に襲いかかる。
同じ動作で矢を砕こうとしていた標的はとっさに動作を変えバトンのように剣を回転させた。ただそれだけで、氷の散弾はすべて粉々に砕かれ、標的の戦闘服をかすめることすらしなかった。
「いい案だったけど、威力が足りないねぇ」
言いながら、剣を地面に叩きつけた。闘技場の床が砕かれ、榴弾となって優羽を打ち据える。伊織が盾を片手に助けにはいろうとしたが、間一髪間に合わなかった。
上がった土埃に紛れて、標的に襲いかかる人影。
髪も肌も白い。どこまでも白い陰性の少女だ。基本的に表情を表に出すことはなく、感情表現は控えめでいつもどこかぼーっとした雰囲気を出しているが、今は同様に表情も引き締まっている。
比較的小柄な彼女の姿に似合わわず、手には大きな鎌が握られている。その鎌の刃は彼女の特性である電気を帯びているのか、それとも、電気そのものなのか、稲光そのものの色をしている。
恐らくは、ふれるだけで黒焦げになるだろう。
標的は、躱すでもなく、受け止めるでもなく一気に距離を詰めデスサイズの持ち手にに剣を叩きつけた。
パキン
という澄んだ音をたてて、彼女のデスサイズは持ち手部分から半分に断ち切られた。
「大鎌は、間合いの取り方が難しい。対人戦では特にな」
これで、伊織一人となってしまった。こうなれば、小細工は無用とばかりに盾を片手に突っ込む。
「やああああっ!」
(―盾を使用しての体当たり。ぶちかました後、細剣で切り裂く!)
標的は気合一発で突っ込む伊織を横に躱すと、細剣の腹に鏡色剣を叩きつけた。
「剣は側面からの衝撃に弱い。特に細剣は武器破壊に弱い」
次の瞬間ソコから、細剣はポッキリと折れてしまった。
「ああっ!もうっ!」
と毒づいて、降参を宣言する。
「んーまぁ惜しかったな」
と彼女たちの標的である、文弥が彼女たちに話しかける。
「うーん。全然手も足も出なかった感じなんだけど……」
と優羽。土砂の直撃を食らったはずだが、演習用の戦闘服が汚れている程度で外傷は見られない。
「まぁ、《能力》の使用を禁止してやったらこんなもんだろう。都会っ子と、田舎育ちじゃ鍛え方が違うっての。単純に武器の扱いに長けてるほうが優勢だ。幼稚舎や、中等部で練習してたからってその武器専用で練習してたわけじゃないだろ?こういうのは慣れの問題だ。それに、お前ら相手に《能力》ありならこうは行かないさ」
と冗談めかしていう。鍛え方が違うのは事実だが、田舎育ち云々は全く関係ない。彼なりの冗談だ。
「私達に手も足も出させずに淡々と追い詰める兄さん。アヤさんはとても素敵だと思いました」
と、文弥を見上げるようにして言う。
「文寧の武器は忌形種の子なんかを、大量に狩るには都合がいいけど、単独で対人戦に使うには、もう少し工夫が必要かもな。あとは、間合いの取り方が特殊だから早くなれないとな。つっても、《能力》を併用すれば随分楽になるだろ。刃自体が電気っぽいからな。もしかしたら、作り変えなくても形を変えられるんじゃないか?」
アドバイスを受けて、文寧は何やら考え始めたらしく、ぼーっとし始めた。
「いくら、手に制限があるからと言っても、ここまで三人がかりでしかもここまで余裕見せられると流石に自信なくすっていうか……剣術には自信あったんだけどなぁ。剣道だけじゃなくて古流も学んだりしてさ」
と、肩を落とす伊織。
「まぁ、武器の特性もあるけど、基本的な停止状態からの剣速は伊織の方が速いと思うぜ。剣の使い方は上手いが、盾がネックだな。まだ慣れてないだろ?強撃を真正面から受けすぎるから、吹き飛ばされる。受け流すって動作を覚えないとな。あとは、さっきも言ったけど防ぐだけじゃなくて、打撃武器としても使えるようになれば、グンとよくなるさ」
一般的に言って、盾を持つと剣速は鈍る。
だが、伊織の剣はそれを感じさせない程速く鋭かった。事実、序盤はその持ち前の速度で、文弥をおしているように見えた。
それもいつの間にか彼の剣舞によって、覆されていたが。
剣で最速の攻撃であるはずの刺突が、斬撃のよりも遅くなるほどに。
「最初はいけるって思ったんだけどなぁ。おっしゃるとおりでございます。精進しないと。っていうかさ、どんどん早くなってくあれズルくない?《能力付与》すら使ってなかったってことは、純粋な体術でしょ?金鵄教導って、そんなことまで研究して教えてたの?」
《能力》を使わずに演習訓練を行っていたのには理由がある。彼女たちが新しい武器に慣れる為と言うのもひとつの理由だが、もうひとつ理由があった。
この三人を含め、新入生の中でも有力な生徒は情報がかなり出回ってしまっている。それでも、有利にな戦いになるだろうが、対抗策を打たれるのは間違いない。
新入生対抗戦を勝ち進めば、あるいは苦戦を強いられ、敗退はしないまでもかなり消耗させられるかもしれない。
そこで、転校生であり本人の性質から、そして運良くその情報が秘匿されている文弥の能力を新入生対抗戦まで秘匿することで、メタをはられるのを防ぐことにしたのだった。
「金鵄教導には《補助器》を使った独自の武器術を研究してるところもあったけどよ。俺の絶刀剣舞自体は、別なところで―――」
言いかけた文弥は、急に苦虫を噛み潰した様な表情をしたと思うと、
「今すぐ、ここから逃げろ!」
と伊織たちに向かって叫んだ。
なんのことかわからず、目を丸くしていると、得も言われる悪寒がからだを走り抜けた。
なにもないはずなのに、手は脂汗に濡れ、足が震える。
優羽を見ると、顔を真っ青にして演習場の真ん中を見つめ、文寧は表情こそ変わらないものの、血の色が引いてしまっている。
伊織が、優羽の目線を追って演習場の中央に目を向けた瞬間―――
どぉん!
と演習場の地面が吹き飛び土煙が上がる。土煙の向こうには、五メートルくらいのずんぐりと丸みを帯びた影が見える。どうやら悪寒の原因は、その影のようだ。
「なに……?あれ……?」
怯えながら、声を絞り出すように優羽がたずねる。誰かに答えを期待したわけではなかっただろう。だが、答えは意外なところから帰ってきた。
「――忌形種が第三演習場に出現しました。生徒の皆さんは、授業を中断し落ち着いて避難してください」
演習場の壁奥に備え付けられたスピーカーから、避難勧告がされたのだった。
スピーカーから流れた避難勧告も虚しく、生徒たちは指一本動かせないでいた。
恐怖に飲み込まれていた。
死を恐れ、恐慌し演習場出口に殺到するわけでもなく、死を覚悟させる圧倒的な恐怖。それがあった。
徐々に晴れる土煙をただ呆然と見つめている。
それでも、教師たちは入口付近の生徒から無理やり正気を取り戻させ、外に避難させていた。
剴園高校の教師たちは皆忌形種との戦いを経験している《能力保有者》達だ。さすがに、冷静に対応している。そんな姿にも気が付かず、伊織、優羽、文寧の三人は、演習場中央を見つめていた。
(からだが言うことを聞かない……せめて、一歩でも足が動いてくれたら……)
恐怖に耐えながら、それでも気丈に体を動かそうとしていた伊織たちに、怒声が降りかかった。
「おら、三人とも!ぼさっとしてんじゃねぇ。死にてぇのか⁉」
文弥だ。焦りの表情を浮かべているが、そこに一切の恐怖はない。
怒声を受けた三人は我に返ると、文弥に駆け寄った。
「あれが、忌形種……映像資料を見るのと実物を見るのとでは大違いね」
「五メートル程度の小型みたいだけどな。まだ砂が舞い上がってて見えねーけど。お前ら、動けるようになったんなら、さっさと逃げろ」
「逃げるのはわかったけど、アレどうなるのかな?」
と、優羽は土煙は徐々に晴れ、顕になった茶色い毛色と尖った鼻をしたもぐらのような忌形種を指さした。
「まぁ、五メートルくらいの大きさなら、軍や《円卓の騎士》の基準に照らし合わせて、C~A級ライセンス持ちの混成部隊五十人ほどだろうが、ここであのデカブツとやりあうには五十人は多すぎるからな。少数精鋭っつーことで、A級ライセンス持ちが十人もいれば殺れるだろ」
《能力保持者》はその能力の強弱、戦闘成績、見識の深さによって、SSランク、Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランクとなっている。
通常、一年入学時はEかDランク扱い。卒業時にはCランクになるのが剴園高校の目標となる。もちろん、他の高校には、Dランクで卒業できる学校もある。あくまで剴園高校の卒業目安が、Cランクなのである。
Cランクになると《能力》を使用した仕事につくことが出来る。主な仕事先は、《円卓の騎士》に入るか、軍に入るかの二択となるのだが。
そこで、ある一定の成績を残すと、Bランクとなり、Bランクの中でもさらに優秀であると認められた《能力保持者》はAランクとなる。
Sランク、SSランクは、そんな彼らの上に立つ頂点の存在であるが、Sランクは世界に七名。SSランクに至っては過去に一人も到達したことがなく、Sランクに到達した人間しかSSランクへの到達方法はわからないようになっている。
この学校の教師は、Bランクがほとんどだ。Aランクの教師も数名居るが、実戦での功績を認められたわけではなく、研究者として授与された側面が多く、期待できないだろう。
「先生の殆どはBランクだったと、アヤさんは記憶しています。率直に言って、今逃げたところで、アレを早急になんとかするのは無理ですね」
Aランクの戦闘能力は、Bランク十人分と言われている。あのたった五メートルの忌形種を倒すのに、学校の教師を出来るほどの実力者が百名も必要になることになる。
「ここは、学研都市なのよ?Aランク保持者なんてそこら中に居るでしょう?」
「学研都市内に居住しているAランク保持者は、すべて研究者です。アヤさん的に言って、大人の事情なんてクソ食らえなのですが、学研都市は《円卓の騎士》と軍の共同出資・共同経営となっており、お互いが学術研究に関係ない必要以上の戦力を置いてはならないことになっています。忌形種は他の生物が多く棲息する場所には基本的に現れないことになっていますし、日本の場合は海に出現することが多いので、軍は、狡神市両端と、東京湾の両端に駐留させているだけで、中の詰め所にはBランクの《能力保持者》が十名ほど。《円卓の騎士》も同数程度。警察にも《能力保持者》がいますが、彼らの殆どがCランクかDランクです。ありていに言って、めんどくさい手続きを取って、軍が駆けつけてくる頃には、大きな被害がでているでしょうと。アヤさんは思いました」
言い終わる頃には、煙は晴れ忌形種はその姿を表していた。
ずんぐりとしたからだに、尖った鼻。するどいツメを持った両手。土竜のような上半身だけを穴からだしていた。
伝わる恐怖はそのままだが、姿だけ見るとどこか愛嬌がある姿をしていた。
上半身だけで五メートルだったのだ。下半身の姿は穴に入っていて見えないが、上半身と同じだったとして、十メートルの大きさがあることになる。
付近に立っていた男子生徒が、破れかぶれと言ったように武器化した《補助器》を持って突撃を敢行した。
伊織と優羽は「あっ」と小さく声を上げ、文寧は小さく眉をひそめた。
――次の瞬間、
忌形種の口から、粘性のある透明な液体が吐出された。
飛びかかった彼は慌ててそれを躱そうとしたが、右半身に受けてしまったようで、液体をまき散らしながらそのまま後方に飛ばされた。付着した液体は回りにいた他の生徒達に振りかかった。
「大丈夫⁉」
慌てて駆け寄ると、液体が触れた部分が石と化していた。液体が触れた部分だけでなく、その部分から徐々に石化されるらしく、最初に触れてしまった生徒はすでに殆どが石となっており、飛び散った液体に触れてしまったものも、徐々に石化が進行している。
「触るな!」
彼らを思わず抱きかかえようとした優羽を文弥が叱咤した。
優羽は思わず手を引っ込めると、「ごめん」と小さく謝って、忌形種を睨みつけた。
「見た目は痛々しいが、石化したからといって直ぐ死ぬわけではないらしいからな。専門の治癒能力持ちに直ぐ見せるか、あいつを倒して依晶石を手に入れられれば、石化は解ける」
と、冷静に諭すが、かえって闘争心に火を付けてしまったようだ。今にも忌形種を氷漬けにしそうな勢いで睨みつけている。普段のふわふわした印象を知らなければ、氷の女王とでも名付けたくなる、冷たく強い眼差しだ。
だが、今はその闘争心が火を吹くことはなかった。
「お前たち大丈夫か?早く逃げろ!」
と、声をかけながら、武田が走ってきたからである。
伊織は、首を左右に振りながら、
「この人達が、アレにやられて、石に……」
と伝え、優羽がいつも以上の積極性でもって、
「私達が、忌形種を足止めしますので、彼らを!」
と伝えた。だが返ってきた反応は、
「同じように石化してしまう可能性がある。今ののままでは、彼らに触れることが出来ん」
という、反応だった。武田の表情は苦悩で彩られていた。
伊織、優羽、文寧の三人は、改めて文弥に向き直った。表情の多寡はあれど、一様にすがるような表情と、どうにも出来ない悔しさと、そして一厘の期待に彩られていた。
―――しょうがねぇな。アイツとこいつらを四人でなんとかするぞ。