いつも通りの朝
アラームの音で目を覚ます。
あー、もう朝か。…ていうか、重い。お股まわりが、ほんのり温かくて、ちょっとだけムレてる感じ。寝る前に感じていた紙特有の乾いた感じはなくて、ぶにぶに、しっとり重たくなってる。
うん、やっぱり。昨夜も、やっちゃってたっぽい。
布団の中でゆっくり手を伸ばして、おむつから横漏れしてないかそっと確認。
パジャマは濡れてるってほどじゃないけど、若干湿ってる感じはする。まあこのぐらいはセーフかな?
私は高校三年生、柱田ユウ。そこそこ真面目な受験生。勉強もそこそこ、運動もそこそこ、浅いつながりとはいえ友達の数もそこそこ。どこにでもいる普通のJKだけど、実はまだおむつしてる。
幼稚園の時におむつ外れはできたんだけど、小学校に上がってから授業中に漏らすことがちょくちょく。元々トイレが近かった上に、恥ずかしがってトイレに行きたいとも言えなかったから、一週間に一回くらいは床に水溜りを作ってた。
それが全然治らなかったから、おむつに戻すかってことになって、小学生だけどまたおむつユーザーに。そうすると授業中に我慢する必要もなくなって、ちゃんと先生の話が聞けるようになったし、おもらししなくなってからクラスにも馴染めるようになった。すっかりおむつに頼り切ったまま中学年、高学年……そして中学高校と、とうとうおむつ外れしないままここまで来てしまった。
自分でもやばいとは思ってるんだけど、外すタイミングが見つからないというか、この歳で漏らしたら社会的に終わるから難しいんだよね。
もうおむつに用を足すのが当たり前になっちゃってるから我慢するのも難しいし、教室とか駅で撒き散らしたら社会的に終わりそうだし。
だったら最初から安全策で…ってなるの、しょうがないじゃん?
まあ、恥ずかしいって感情もあるけど、
正直、おもらししちゃったときのドキドキって、ちょっとクセになるっていうか…
いや、これ以上はやめとこ。
朝のおむつ替えは私のルーティン。
誰にも見られてないってわかってても、毎朝ちょっとだけ緊張する。
鏡に映る自分の姿──橙色のパジャマのズボンを下ろす。成長した身体に不釣り合いな下着があらわになる。横のギザギザを破って、ビリッとした音が部屋に響く。
……昨日の夜は、けっこうな量が出てたみたい。かなり内側が黄色くなってる。
サッと新しいのを出して、足を上げて、白いもこもこの二つの穴に通していく。
すっかり慣れた手つきで、紺色のスカートを履く。
「……よし、今日も一日がんばろっと」
湿っぽい気持ちを切り替えるように呟いて、私は部屋を出た。