唐揚げは、しばらく遠慮いたします。
俺
いつも思う。
俺の家族は、少し変わっている。
俺は、この春から高校生。
バスケを小学生からやっている。
高校でもバスケをやる予定だ。
だが問題がある。
あまり家族を試合に呼びたくない。
試合だけじゃない。
出来れば、学校そのものに来てほしくない。
家族仲が悪いとか、
両親問題は、特にない。
逆にすごく仲がいい方だ。
三人家族いつも笑いが耐えない理想の家族だと思う。
問題は、両親が素直すぎるとゆうことだ…。
俺
「ただいま!」
母親
「おかえりなさい!」
俺
今日は、友達と映画に行ってきた。
受験も終わり羽目を外したいと
みんなで遊んできた。
「お母さん!ご飯なに?」
母親
「今日は、唐揚げ!
もうすぐお父さんが帰ってくるから、待ってて。」
俺
「わかった。
めちゃくちゃお腹空いた!」
母親
「先にお風呂入りなさい!」
俺
「了解!」
お風呂に入っている間にお父さんが帰っていた。
「おかえり!」
父親
「ただいま!ご飯待ってただろ。
遅くなったな!」
俺
「めちゃくちゃ待ってた!」
冗談のように大袈裟に言ってみた。
その言葉を信じた父親は、顔が真っ青。
父親
「すまん。そんなに待たせていたなんて
不甲斐ない。」
俺
「いや。冗談だよ。」
父親は、冗談が通用しない。
だが本人は、冗談を言う。
冗談を言っているなら人の冗談もわかってほしいものだ。
母親
「ほら!ご飯出来たわよ!」
父親
「今行くよ!」
俺
「わかったよ!」
「んー!うまい!
俺、お母さんの唐揚げなら毎食唐揚げでいいや!」
母親
「嬉しい事を言うわね!」
俺
この時の俺は、自分が行った一言で、
家族が肥満危機に晒されるとは、思っていなかった。
――翌日の朝
俺
「おはよう!」
母親
「おはよう!」
父親
「おはよう!
朝ごはんある?」
母親
「出来てるわ!
さっ!食べましょ!」
俺
あれ?唐揚げだ。
昨日のが残っていたのか?
「いただきます!」
ふーっ
朝から唐揚げってきついな。
でも
わがままだよな
「ごちそうさま。」
……
残り物と思っていた唐揚げは、
その日から3日経った今日も続く
「お父さん……
流石にきついよ。」
父親
「俺も胃の調子が……。」
俺
「でも、
流石に言えないよね。
毎日頑張って手間がかかる唐揚げを作ってくれるんだから。」
お父さん
「そうだな。
文句なんか言えない。
もう少し頑張ろう。」
俺
その日の夜
今日も唐揚げの匂いがする
また唐揚げか……。
お母さん
「ご飯出来たわよ!」
父親、俺
「わかった。」
俺
覚悟を決めた俺達は、リビングに向かう。
母親
「いただきます。」
俺
「お母さんだけ、
なんでおかずが違うんだ?」
お母さん
「毎日唐揚げは、体重増えるし、
飽きたのよ。」
俺
「あぁ……。」
えっ?
一緒に変えてくれていいんだよ?
お母さんが飽きたなら、
俺達もそうなんだけど……。
「お母さん
一つ聞いていい?」
母親
「どうしたの?」
俺
「なんで毎日唐揚げなのか気になって」
母親
「だって毎食唐揚げにしてって言ってたじゃない?」
俺
違うよ。
お母さん
例えだよ。
そのぐらい美味しいって言う例えだ。
それにしてとは、言ってない。
あの一言でほんとに毎食唐揚げになるなんて思わないだろ?
だが流石に手間がかかる唐揚げを作ってくれている。
今日は、言えない。
よし!味を変えてみよう。
俺は、冷蔵庫に向かった。
ふとゴミ箱の中身が見えた。
『手作り唐揚げ 冷凍食品』
…………
「お母さん……。
俺明日から違うご飯にして。」