第5話 魔王の章⑴
元亀2年9月12日 比叡山前
比叡山延暦寺が燃え盛る炎で焼き付くされる
織田信長「良く燃えておるわ、僧侶が本分を忘れ放蕩に明け暮れ儂に敵対する者共に加担するなど言語道断、そうは思わんか光秀?」
明智光秀の内心「いくら何でも惨すぎる…こんな真似をすれば何れ天罰が下る、本当に人なのか信長様は」
引き連れた兵達も戸惑っている
柴田勝家「逃げ出した者達も容赦なく斬れ、女子供とて容赦はするな!」
燃え盛る比叡山から三人の人影が悠然と炎の中から現れた
修次「生きている者達は出来るだけ逃しましたが果たしてどれだけ逃げられたか…」
半蔵「逃げ道は俺が確保して案内しましたから大丈夫だと思うが」
木花咲耶「ご苦労さまです二人共、しかし良くこんな真似を織田信長…」
三人は信長達の前に立つ
信長「この炎の中を着物も燃やさずに無傷とはお前達は本当に人か?」
咲耶「信長公何故この様な真似を…人の道に外れた行い…魔王とは良く言った物ですね」
信長「坊主が酒や肉を喰らい本分を忘れあろう事か儂に牙を向いたからよ、ところで娘、お前の名はなんと言う?」
咲耶「木花咲耶と申します、確かに此処の僧侶達にも問題はありましたが関係なき女子供まで…これが人のやる事ですか!」
信長「木花咲耶?、日本古事記の桜の姫か…その名に恥じぬ美しさよ」
柴田勝家「殿、隣の男は徳川殿の子飼いの忍び、確か伊賀忍軍頭領「服部半蔵正成」何故此処に」
明智光秀「まさか…徳川殿が敵に…イヤ裏切りは有り得ない」
修次「半蔵、お前のせいで色々疑われてるぞ」
半蔵「まあ実際に家康公に使えてる身だからな俺は」
信長「咲耶と言ったな、お前達三人は徳川の者か?」
咲耶「いえ違います、隣の半蔵さんは偶然比叡山で知り合っただけです」
信長「そうか…その言葉信じよう、今徳川と揉めている暇など無いのだからな」
そして比叡山は焼け落ちた…
柴田勝家「あの槍を持った男から何か凄まじい畏怖を感じる…何故だ?」
柴田勝家は降三世明王を信仰している、そして修次は降三世明王そのもの
咲耶「信長公アナタが天下を取る事は無い、何れその意味が分かるでしょう」
咲耶達は信長達を通り過ぎる
信長「神仏が儂の野望を妨げると?馬鹿な事を、そんな者がおる訳がないわ」




