第3話
第3話
「よっと、遠目に見えてた石の建造物の入り口らしき扉の前まで跳んで来たけど、改めて
近くで見ると古びてるなぁ」
と俺はそう言って、今目の前に存在する石製の煉瓦によって建てられている古い石の建造物
の前で立ち往生する。へぇ遠目で見たよりも大きなぁ。
「ふーんやっぱ近くで見ると結構デカいな、階層ごとの窓の数が二つだから、多分二階建て
あっているよな?、そしてどうやったら入れだろう?普通に扉から入れるかな」
と俺は遠目で見たよりも大きな石の建造物を眺めつつ、どこから入れるだろうかと呟きながら
、何となく固く閉じらている両扉の取っ手部分を握りしめて開こうと力を入れて引っ張ると、
両扉はそのまま留め金が弾け飛び、扉を勢い良く外してしまう。あ!力加減を間違えた。
「あ!やべぇ扉が外れちゃったよ。あーとりあえず外れてしまった扉は、入り口の隣に立て
掛けて置こう。よいしょっと」
と俺はそう呟きながら勢い良く外してしまった扉を隣の壁にそっと立て掛け終えると、俺は
壊してしまった入り口から石の建造物の室内へと入って行く。さてさて室内には何が。
「それじゃぁお邪魔します、ほぉー見た感じ室内の内装何かは古代ローマ式の風貌に似ている
かも?」
と俺は石の建造物最初の玄関部屋の内装が、前世にて見た古代ローマ文明の内装に類した風貌
に似ており、より近くへと近づいてから壁の模様や構造などを詳しく観察してみても、非常に
丁寧で細かい装飾が施されている事が分かる、まぁ少し劣化しているが。
「ほほぉ、こう詳しく観察してみても、古代ローマ式の内装風景と非常に良く似ているな」
と俺は興味深そうに石の建造物内の内装に施された装飾などに関心しながら、何か物でも置か
れてないかと少し期待しながら、盗掘の真似事などをしながら探索をしていると、今いる室内
の奥壁に視線を向けると、そこには凡そ数百年程は経過しているのではないかと思える程の
古びた見た目をしている直径170㎝程もあるあろう、大きな鉈剣が一本だけ飾られているのを
発見する。何だろうか?。
「およ?何だろうこの鉈剣だろうか?大きさからみてもかなりデカいしかなり重そうな見た目
だが、刀身色合いは黒水色で、模様は茨の様な物が描かれているからしてうーん少なくとも見た
ことない金属だ」
と俺はそう言って興味深そうに、壁に飾られている見たことない金属で作られた大きな鉈剣
を目の前まで近づきながら興味深々に眺める。おぉかっこいいな。
「うーんそれにしても、こういうのを大鉈剣って言うだっけ?、見た感じ結構古そうだけど
まだまだ使えそうだから、一緒に飾られているこの鞘と共に持っていくか」
と俺はそう呟きながら壁に飾られていた大きな鉈剣を手に取ると、一緒に飾られていた鞘に
納めてから、背負うように持つ。あれ意外と軽々と持てるな。
「さて、思わぬところで武器が手に入ったけど、出来れば衣服とかも手に入れられてら良い
な、何せ俺の着ている服ってボロボロの大きい布切れを身体に巻いて、解けないように縄で
固定しているだけの、お粗末な恰好だし」
と俺は鞘に納めた大きな鉈剣を担ぎながら、自身の服装に不満を漏らす。何せ傍から見れば
余りにも貧相な服であり、前世で例えるのなら古代都市に居たであろう浮浪者の様な恰好
である。はぁ出来ればもう少しましな布切れでも見つかればなぁ。
「とりあえず今いる室内には特に目ぼしい物はなさそうだし、次の部屋を探索するか」
と俺はこれ以上玄関口にあたる部屋には、特に目ぼしい物などはないと考え、部屋の奥の壁
から見て左側の壁にひっそりとある扉へと進んで行く。今度は壊さないように気よ付けよう。
「今度は慎重に力を加減しながら・・・・・・よし、無事に扉を開けれたぜ」
と俺は苦笑いを浮かべ、額に汗を流しながらも、無事に扉を壊すことなく左側の部屋へと
入って行く。左側の部屋内には縦長の大棚や黄銅製と思われる長机及び椅子が複数置かれて
おり、そして中央の床には、少し古びて傷んではいるが、独特な紋章模様が描かれた四方系
の紅い高級敷物が敷かれている。そして何となく入って右側の壁に視線を向けると、そこ
には二階へと続く石の階段らしき残骸があり、恐らくは建物自体の老朽化により石の階段の
天井が崩壊し、二階へと続く通路を塞いでしまっているようである。あぁこれは二階には
行けそうにないな。
「うーん置かれている家具の種類や配置からして、この部屋は物置に使っていたのかな?
いや、それだと二階に続く階段が使いづらいような・・・まぁどちらにしろ、今着ている
服の代わりになる良質な服か布でもない探すか」
と俺は良質な服か布でもないかと呟きながら、部屋に置かれている大棚や収納棚の引き出し
などを開けて物色する。ふむふむおよ?。
「おやぁこの大棚には、少し古びてはいるけど、保存状態の良い布の束が仕舞われているな
、そして収納されてた布の種類は、赤色と青色と黒色の三色か、まぁ色の種類は少ないけど
、布の量だけ見れば、簡単な運動用の下着類とか、布製のクロークマントとパラオスカート
とかの大雑把な物何かも作れそうだな」
と俺は収納されていた布を大事そうに取り出すと、その布を眺めながら一体どんな衣類を
作ろうかと、思わず楽しみの余り笑みを浮かべながら想像してしまう。何せ前世での学生
時代は趣味で手作りの衣服とか作ってたからね。
「うふふふいやぁ待てよ?、服の素材になりそうな布を見つけたけど、所詮は布だけしか
見つけてないんだよなぁ、せめて裁縫セットでもあれば」
と俺はそう呟きながら裁縫セットでもないかと愚痴りながら更に部屋にある収納棚や大棚
全て物色していく。ふむふむ置かれている棚の数の割には、物が全然入ってないな。
「うーんこの部屋にある棚類は全て物色したけど、あまり物はなかったなぁ・・・でも服を
作るのに必要な刺繍針と裁縫糸と鋏は、ちゃんと棚にあったから良いか、それと何の革で
出来たベルトが6個に、10㎝程の赤い宝石と銀製の食器類が10点に、金製の通貨らしき物体
が100個程度あったくらいかな」
と俺はそう呟きながら、この部屋を物色した事で見つけた戦利品を丁寧に手で取りながら
確認していく。うーんまぁこれで町とかに行っても、少しの間はお金には困らないだろう、
この世界の相場なんて知らないけど。
「まぁとりあえずは、それ相応の服を作るのに最低限必要な素材は整ったし、それじゃぁ
服を作るとするか」
と俺はそう呟きながら、裁縫糸を通した刺繍針と赤色の布を手に取ると、自身の体格に合う
服を作り始めるのであった。いてぇ、針が刺さった。
修正1/5:大鉈剣の見た目に関する記載を忘れてたので、書き足す。