第22話
第22話
「そうねぇまず説明するけど、この人間を洗脳している力の名は『魅了の眼光』と言ってね
、わたくしの瞳を相手の瞳に直視させながら命令したことを言うことで、相手を魅了して
言うことを好きに聞かせることが出来る能力なの、ただ相手を魅了して言うことを聞かせる
には、いくつかの条件があるのよ、まず相手の顔を直接見ながら命じること、相手の実力が
自身よりも弱いこと、相手を魅了して言うことを聞かせる際は、優しく甘めな態度で命じる
ことが、主な『魅了の眼光』を発動する際の条件よ」
とわたくしはそう言って、『魅了の眼光』の効果内容と発動条件などを詳しく説明する。
まぁこれくらい詳しく語れば分かるはよね?。
「あぁ何と言うか、色々と細かい制約がある能力なんだな・・・うん?いや待てよ、説明を
聞く限りは、自身よりも弱い存在には絶対的な強者になれると言うことなら、効果費用的に
見て考えれば、少し条件が緩い気もぉ・・・」
と大鬼のウジはわたくしの能力についての説明を聞き終えると、何やらぶつぶつとわたくし
の能力である『魅了の眼光』についての考察らしき文言を呟き歩きながら考え込み始めて
しまう。あら?以外に知己的な所があるのかしら?。
「ねぇそんなに考察して考える能力な「ここから二階へと上がるので、足元にご注意を」
・・・はぁーほら今から階段を登るそうだから、考え事していると階段で躓くわよウジ」
とわたくしは一体いつまで自身の『魅了の眼光』について何の考えを巡らせているのかと
問いかけている途中で、下級貴族風の人間が今から階段を登るので、足元に注意を促す文言
が聞こえて来たので、わたくしはとりあえず言いかけていた言葉を飲み込み、考え事をしな
がら歩いている大鬼のウジに対して、今から階段を登るそうだから、考えごとしていると
、足を躓くわよっと注意を促す。はぁ聞くタイミング逃がしたわ、全く間の悪い人間めが。
「おっと悪い悪い思わず考え込みながら進んでいたな、いやぁちゃんと前を向いて歩かない
と危ないよなぁ~」
と大鬼のウジはそう言って笑顔を浮かべながら階段を登りながら、桜の香りが漂う瓢箪の酒
を豪快に飲み続ける。この大鬼ずっと酒飲んでいるけど、大丈夫なのかしらこいつわって
思っていたんだけど、そう言えば。
「ねぇ最初に出会った時から気になっていたんだけどさ、その瓢箪って一体どうなっている
のよ、漂って来る匂いからして酒みたいだけど、明らかに飲んでいる量が以上よね、瓢箪の
大きさ的に入らない量なのは確実だし、どういう構造なのよそれ」
とわたくしは出会ってから少し気になっていた明らかに入れ物の大きさよりも大量に湧き
出ている桜の香りが漂う瓢箪ついて聞いてみる。一体どう品なのかしら、空間拡張の魔術を
用いて作られた魔道具とか?。
「あぁこの瓢箪か、これは桜酒瓢箪言ってな、そこそこ味の良い神酒が湧き出る魔道具でな
、所有者の魔力を与え続けることで、無限に酒を生みだし続けることが出来る品だ」
と大鬼のウジは自慢げな声でそう答えた後、徐に桜酒瓢箪と言う魔道具をしっかりと見える
ように近づけて来る。ふーんそんな凄い品だったのね、ウジが持っているその魔道具って。
「へぇー魔力を与えていれば、ほぼ無限に酒を湧きだ出て来る瓢箪の魔道具なんて、そんな
夢のような物が実在するなんて、少し驚きだわ」
とわたくしは心の底から感心する言葉を告げながら、大鬼のウジが見えるように見せつけて
来る、その桜酒瓢箪と言う魔道具をじっくりと興味深く観察する。ふーん見た感じ魔力を
吸収している流れは感じるし、多分ウジが言っている事は本当ぽいけど。
「ねぇウジ、そんなほぼ無限に酒が沸いて出て来るその桜酒瓢箪って言う魔道具なんだけど
さぁ、一体どこで手に入れたのよ、普通にそれって効力的に考えても普通に国宝とかに認定
される程の代物だと思うけど」
とわたくしは、この桜酒瓢箪と言う魔道具が、明らかに王家の秘宝として、受け継がれて
いてもおかしくない代物なのだと気が付き、一体どこでこんな高価な物を手に入れたのかと
大鬼のウジに問いかける。少なくとも一級国宝と言われても信じられる品のはず。
「えぇ?これってそんなに凄い品だったのぉ!、へぇ~酒が無限に出るってだけの魔道具
でも、世間一般的には秘宝扱いの品だったんだなぁ・・・えーとどこで手に入れたのかを
聞きたいんだったよな」
と大鬼のウジは自身が持っていた魔道具が大変高価で貴重な品であることに気付いたのか、
驚きと感心に満ちた声で桜酒瓢箪を少し眺めた後、わたくしへと振り向くと、一体どこで
手に入れたのかについて語り始めてくれる。さぁ一体どういった経緯でそんな代物を手に
入れたのかを。
「あぁえーと確かここから南の森の中を進んで行ったところに、古い屋敷の廃墟が在るん
だが、そこのすぐ目の前で野営をしている時に、いきなり背後から人間らしき少女が、何の
前項もなく現れたかと思ったら、妙に親し気な感じで話かけて来たんだよ」
「えぇ?廃墟の前で野営して居たら、唐突に背後から人間の少女が現れたってこと?普通に
不気味な感じがしてくるけど、それでその後は一体どうしたのよ」
と大鬼のウジは桜酒瓢箪を手に入れた経緯などを語って行き、わたくしはその話の内容に
困惑を覚えながらも、とりあえずその後どうなったのかについて問う。いきなり背後に少女
が現れるって、普通に森の中で熊に遭遇するよりも、どことなく普通に怖いわね。
「あぁその後どうしたかだが、あぁ何だろうなぁ姿形はブラウスとロングスカートを着た、
如何にも清楚系の少女ぽい感じだったんだが、あれはやばかったなぁ、物凄く得体の知れ
ない気配を漂わせていてな、一瞬で大鬼としての本能が語りかけて来たんだよ、自身の生を
諦めかけてしまう程の恐怖を感じ取ってなぁ、いやぁ本当に生きた心地がしなかったよ」
と大鬼のウジは苦笑いを浮かべながら、唐突に背後から現れたと言う、人間らしき少女に
ついて話し続ける。いやまぁ今すぐでも色々と問いただしたくなるほどの内容なんだけどね、
まぁ今はウジの話を聞き続ける時だし、とりあえず今は我慢して、ウジの語り終えるまで、
話を聞き続けますか。