第21話
第21話
「あははは・・・すまねぇ普通に扉を破壊するのに、必要な力加減が良く分からずに、感覚で
何となくこれぐらいで吹き飛ばせば良いかと思って殴ったら、想像よりも強く威力が出過ぎて
しまったな、まぁー大変申しわけがねぇ・・・」
とそう言って大鬼のウジは、薄笑いを浮かべながら額の指で軽くかきながら、一体何故これ程
の威力にて、扉を殴ってしまったかについての理由を語りながら、最後にわたくしに謝罪の
言葉を投げかける。はあああぁこれだから、噂に聞き響く怪力凶器と言われる大鬼って種族は
、これで一応手加減していて、この威力ですの!?。
「はぁ?、うへぇマジで言ってますぅ・・・ぇ威力を手加減して殴った光景が、この惨状なの
ですのぉ!?」
とわたくしは大鬼のウジが引き起こした拳の被害の大きさと、これでも手加減しての惨状だと
言われて、思わず驚愕しながら再び粉々に破壊された部屋の入口跡と、残骸に潰された人間共
の挽肉が、入口周辺に転がる光景に対して、思わず呆れてしまう。はぁ~これで手加減しての
惨状なのねぇ 。
「はあー・・・まぁとりあえず部屋の入り口は開いた事ですし、生き残りの人間内にこの屋敷
の金品類の在りかを知っている奴を探さないとね」
とわたくしは溜息を出しつつも、生き残った人間の中から金品類の在りかを知っている奴を
探さないとねっとそう言って、粉々になった瓦礫と挽肉になった死体を踏み鳴らしながら部屋
の中へと侵入する。まず最初に部屋内にて視界に映ったのは、空の本棚と縞々の絨毯と、木製
の細長い大きな机に、古代帝国風の椅子と南部の王国風の大壺が配置して在り、その奥には
老若男女の10人程の人間たちが恐怖と絶望に染まった表情を浮かべながら、こちらの特に大鬼
のウジの方を見ながら怯え巣くっていた。あぁ奥の方にまだ人間が居たのね。
「あらあらねぇウジ、良かったわね無事な人間が居たわ、あとは目的の奴がいるかどうかね」
とわたくしはそう言って部屋の奥に人間が集団で生き残っていることを大鬼のウジに伝えると
、瞼を大きく開けて、驚きと感激に満ちた表情を浮かべながら部屋の中へと侵入する。やっぱ
少し気にしていたのね。
「ほ本当かぁ!、はぁ~良かった入口辺りに村人の死体が潰れていたから、てっきり扉を殴っ
た時の余波で、全員吹き飛んだとばかり思ってたけど、いやぁ生き残りが居て良かったぜ」
と大鬼のウジは嬉しそうに、人間の生き残りが居たことに対してそう言った後、安心した笑み
を浮かべながら部屋の奥に居る人間の集団へと歩み寄ると、徐に人間共を見渡し始めたかと
思うと、何かを見つけたのか、一直線に人間共の中を進んで行き、王国の下級貴族風の服装を
着た人間の首元を掴むと、そのまま地面に引きずりながら、わたくしの近くまで戻って来る。
「なぁあの村人の中でも、一番身だしなみの良い服装をした、奴を連れて来たんだが、そんで
どうな風に聞き出すんだよ金品の在りかを?」
「は、離せ!化けめ、我を一体どうするつもりだぁ!?」
と大鬼のウジはどうやって金品の在りかを聞き出すのかと、わたくしに問いかけながら、下級
貴族風の服装をした人間を目の前まで突き付けて来る。あぁうん、まぁ生きの良い人間よね、
だけどまぁ気配的に弱い人間ぽいから、わたくしの力も効きそうね。
「あぁウジ、そのままその人間を抑えておいて、今からちょっと無理やりこいつから聞き出す
は、少し前から言っていた、わたくしに備わる力を使ってね」
とわたくしは大鬼のウジにそう告げてお願いすると、無駄に必死に逃げようと抵抗している
下級貴族風の人間の目線に合うようにその場に座ると、わたくしは、自身の眼球に霊力を集中
させて行き、自身に宿る呪われた力である『魅了の眼光』を発動させて、下級貴族風の人間を
魅了し、わたくしの影響下へと強制的に服従させる。ふぅどうやら無事、わたくしの影響下に
置けたようね、それでは早速だけど、金品の在りかを聞き出しましょうか。
「ねぇ人間さん、この屋敷にのどこに金品を貯蔵しているのか、教えてくださいな」
「あぁ金品の在りかを知りたいのだな、場所はこの屋敷の二階へと続く階段を昇ってから、
奥から数えて三番目の部屋である書斎室の右側に置かれている金庫の中に入っているぞ」
とわたくしがそう親し気な口調で、金品の在りかを問いかけてみると、下級貴族風の人間は
親し気な友人に接るが如く、簡単に金品が貯蔵してある部屋の場所を答えてくれる。ふむ、
なるほど二階の書斎室に置いてあるのね、でも場所が分かっても、二階へと続く場所が分か
らないのよねぇ。
「うーん道順と、どんな部屋に金品が置かれているのかが、わかった訳なんだけど、その他で
、何か聞きたいこととかある?」
「えぇ?他に聞いて置きたいことか?さぁ~特に思い浮かばないなぁ、まぁついでだしこの
貴族風の村人に道案内をさせることって可能か?」
とわたくしは一道理のことを聞けたので、他に聞きたいことなどが無いかと、大鬼のウジに
問いかけると、少し考えを巡らせる仕草をした後、特に聞きたいことも思い浮かばないだと
答えた後、大鬼のウジはついでにこの下級貴族風の人間に、金品の在りかまでの道案内など
をさせることは可能なのかと、聞いて来る。ふーん道案内かぁ・・・まぁ出来るか。
「あぁ大丈夫出来るわよ、えぇゴッホンねぇ人間さん、今わたくし達が居る場所が良く分から
ないから、ちょっとその書斎室のところまで、道案内してくれないかしら?」
「あぁ分かった、喜んで書斎室まで案内してやろう、さぁ着いてきなぁ」
とわたくしは一つ咳をして声を整えると、魅了されている下級貴族風の人間に対して、その
金品が貯蔵されている書斎室までの道案内をしてくれないかと、作り笑顔を浮かべながら
『魅了の眼光』によって命じると、下級貴族風の人間はまるで操り人形の如く、書斎室の場所
まで案内をし始め、そしてわたくしと大鬼のウジはその跡をついて行く。よしよし、ちゃんと
魅了の効果が効いている様ね。
「おぉ凄いなあぁも簡単に、金品の在りかを聞き出せるだけでなく、こうもすんなりと道案内
までさせることができるとは、何とも便利で良い能力みたいだが、一体どういう力なんだ?」
と大鬼のウジは今までの光景を見て、不思議に興味が沸いているんか、どういう力なのかと
聞いて来る。うーんどうしようかしら、一応まぁ使った時に説明をすると言っちゃったこと
だし、まぁ説明してあげようかしらね。
次回の更新ですが、小説の進捗が余り進んでおらず、ストックも尽きているので、次の投稿は結構な間、期間が空いてしまいますが、どうかお待ちくださるとありがたいです。