第2話
第2話
まずはこの体でどの程度の事が可能なのだろかと、俺はどんな事から試して行こうかと考えて
みる。最初は無難に分かりやすい事で、確認するべきでだろう。
「分かりやすく自身の身体能力を試せる方法かぁ、額の斜め上に生えている角とから恐らく
鬼系の人外ぽいから適当に殴ってみるとか?、でも普通の人間と変わらないだったら、拳を
傷めそうだからなぁうーん」
と俺はまず自身の額の斜め上に生えている二本の角から鬼を連想し、もしかしたら強靭な無比
な体をしているのではと予想し、適当にその辺の木でも殴ってみるかと考えるが、もし前世の
自身と大して変わらないぐらいの体なら、最悪自身の拳の骨を痛めてしまうのではないかと
危惧するが、何事まずはほどほどに試してみるべきだと思い、近くにある手頃な樹木の前まで
移動する。この木で試してみようかな。
「よし、何事も挑戦だしな、それじゃこの分厚い樹木を殴ってみよう、まぁ一応試しに体感で
言うなら弱殴るくらいの力で、殴って様子をみよう」
と俺はそう言って、軽く拳を握り絞めてから正拳突きの要用で、樹木の真ん中辺りに向かって
拳を突き出して当てた瞬間、分厚い幅をしていた樹木がまるで枯れ枝のように簡単に風穴が
開いてしまい、そして自身の重心に耐えられなくなった樹木は、激しい音を鳴らしながら地面
へと倒れて、辺り周辺に土煙を立ち昇らせる。うあ、マジかよ。
「えぇ軽く正拳突きしたら、風穴が開いたんだが、知らずに前世での感覚で、誰かを叩いて
いたら確実に死人が出てたぞ」
と俺は前世での感覚で軽く殴っただけで、分厚い樹木に風穴が開いてしまう驚異的な怪力を
秘める自身に、思わず冷汗をかいてしまう。うん事前に確かめて良かった。
「あぁうん、これは今後の為にも、しっかりと力加減とかを覚えないと危なくて気軽に触れる
事も出来ない奴だよな、この怪力は」
と俺は今後の為に追々力加減などを覚えて行こうと心に誓いつつ、俺は次にこの体で試して
みる事をなどを考え始める。次は何を試そうかな。
「さて、凡そ俺の体に秘めた驚愕的な怪力とそれに耐えられる強靭な体があることは理解した
から、次に試してみる事は・・・・・・」
と俺は自身の体に秘められた人外の力に、ある程度理解したのだが、次に試してみる事などが
、思いつかず、無言になってしばらく考え込んだ後。
「あぁそうだな、今の俺にはどれくらい脚力があるのか、試しに跳んでみるか、まぁ先ほど
確かめた怪力的に相当高く跳べそうだが」
と俺はしばらく考えた結果、次に試してみることは、この体の脚力がどれくらいあるのかを
確かめるために、空中へと全力で跳んでみることに決める。怪力の次は脚力だよな。
「よし、そうと決まれば早速跳んで・・・みる前に、もう少し拓けた場所に移動しよう」
と俺は足に力を入れて、跳ぼうとしたところで、頭上に木々の枝などが無数に存在しており、
このまま跳んで行ったらどうなるのかと心配になった俺は、もう少し頭上に木々の枝が無い
拓けた場所へと移動してから跳んでみることに決める。まぁ一応の用心だな。
「この辺りはどうだろうか?、鬱蒼としたこの森林内でも、結構拓けた場所じゃないかな」
と俺は拓けた場所がないかと、森林内あっちこっち歩きながら探していると、大人二人分程
拓けている場所を発見し、そこで先ほど試すことを一旦辞めた、この体の脚力でどれくらい
跳べるのかを確かめ始める。
「さてさて、頭上には枝は無いことを確認して、それじゃあ早速試しに跳んでみるか、足に
力を入れて一気におりゃあああ」
と俺はその掛け声と共に、足に力を入れて跳ぶと、一瞬で周辺の木々よりも高い10m程の
高さまで跳んでしまう、遠くまで見える景色に古びた石の建造物を眺めながら、予想していた
よりも高く跳びあがってしまった俺は、驚きと焦りの余りに、自身の体感が狂ってしまい、
そのまま勢いよく落ちて行き、そして俺は背中から地面へと激突してしまう。
「ぐがぁ、うー痛いなぁ、まさかあそこまで跳べるとは、後10mくらいから落ちたのに、少し
背中が痛いだけで、特に問題ないから、相当頑丈何だなこの体は」
と思ったよりも高く跳んだ自身の脚力に驚きを覚えつつも、10m程の高さから落ちたと言うの
に、少しぶつけた程度の痛みしかない頑丈で強靭な体に少し引いてしまう。
「まぁこれで今の俺の体がどれくらい凄いのかは、凡そ正確に把握できたし、今後はこの事を
参考に、力加減とかを覚えて行くことにするか」
と俺はこうして自身の体を使った身体能力実験を終える事にする。そして、俺は高く跳んで
居た時に見えた建造物について考え始める。
「それにしても、高く跳んで居た時に見えた、あの石の建造物は一体何だろう?遠目から見て
もかなり古びていたことは分かるし、どうにも探索心がくすぐられて気になるし、ちょっと
練習がてら、木々の間を跳んで進んで行く方法で、あの石の建造物まで行ってみるか」
と俺はそう言って遠目から見えた石の建築物がある場所まで向かう事にし、そして何を思った
のか、近くにあった樹木の天辺へとよじ登っていき、その上から驚異的な脚力を活かして、
次々と木々の天辺へと跳んで移動しながら目的地まで進んでいく。
「よっと、そっと、うん順調に体の動かし方のコツを掴んで来たぞ、これでより上手く木々
の間を跳んで移動出来て来たな。この調子で行けば迷うことなく、あの石の建造物に辿り着け
そうだ」
と俺は自身の体の使い方が分かっていくことに、誇らしげになりながら木々の間を手慣れた
動きで跳んで行き、そしてしばらく木々を跳び越えながら、石の建造物の入り口らしき青銅の
両扉の前まで到着する。