第19話
第19話
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あぁわたくしの名はニシザミ・ジュウゼキと言って、世を放浪している妖兎の少女ですわ。
さてさて、そんなわたくしですが、今辺境の村で捕まって過酷な拷問生活を強いられていた
訳なのですが、何の因果が来たのか分かりかねますが、世も恐れる大鬼と言う妖魔のウジと
言う方に助けられ、何故かこの村のどこかにある屋敷の台所にて、大鬼のウジが略奪したと
思えると、食料を食べている最中であり、そして村にいる間だけ一緒に行動することになっ
た方でもあります。まぁ一緒に行動すると言うのは、わたくしが誘ったせいなのですが。
「それで一緒に行動する訳になったけど、ウジはこの後どうするつもりなの?」
わたくしはそう言って、目の前で酒を水の如くごくごくと飲んでいる大鬼のウジに、この後
どこに向かうつもりなのかを聞いてみる。さて、このまますぐに村から出るのか、それとも
何かすることでもあるのか、どちらなのかしら?。あぁそれにしても切られた傷が疼くわ。
「うん?あぁこの後どうするのかについてか?、うーんそうだな特にこれと言って・・・
あぁ!そう言えば、俺が村にたどり着いた時に、何か暴言を吐いて挑発してきた爺が居たな
・・・何だろうなぁ思い出したら、本能的にムカついて来たんだが」
と大鬼のウジは何か怒りを湧き上がらせる事柄などを思い出したのか、唐突に不機嫌な表情
を浮かべると、一気に手元にある酒の香りがする入れ物を荒々しく飲む音が聞こえて来る。
一体どうしたのかしら、唐突に殺意らしき感情を感じて来るわよ?。
「あらあら一体何を思いだったのよ?、この村の住人に暴言や罵倒されるなって、妖魔の類
が人間の村に近づくだけで、暴言や罵倒なんて、あたりまえなのだから、そう落ち着いて」
とわたくしは何故人間の暴言や罵倒などと言った普通のことで、そこまで怒りを露わにする
のかと、不思議に思いつつも、耳に響いて伝わって来る感情の波動からして、このままに
していてはいけないと判断し、何とか大鬼のウジを落ち着かせようと宥める。はぁ全く一瞬
だけ背筋が震えがってしまったわ、はぁ本当に大鬼って言うのは何度見ても怖い存在よね。
「おっとごめんごめん、思わず感情が高ぶってしまったよ、あぁ落ち着けよ俺!ふうぅー」
と大鬼のウジは思わずと言った表情で、自身の感情を荒ぶらせたことについて謝りながら、
怒りと殺気に満ちた自身の感情を無理やり落ち着かせようとし始める。
「はぁ・・・あぁすまん話がそれたな、うーんそうだなぁとりあえず未だにあの暴言爺に
対してイラつくから、まぁ腹いせにこの屋敷のどこかにあるであろう金品でも、強奪しよう
と考えていたんだが、ニシザミはどうする?一緒に金品の強奪しないか?」
と大鬼のウジは話が逸れてしまったことを謝ると、この後にこの屋敷のどこかに、保管され
ているであろう、金品を強奪するのだと言った後、わたくしもどうかと誘われる。まぁ何と
言ったら良いのかしら、つまりこれは金品強盗するかしないかの問いかしら?。
「へぇ腹いせに金品の強奪をねぇ・・・うーんまぁそうね、わたくしも一緒に参加しますわ
、だって捕まって拷問まで受けたのだから、その分のお返しは貰わないとね」
とわたくしは少しだけ間を開けてから考えた結果、わたくし自身も大鬼のウジと共にこの村
の金品強奪に加わる旨を伝える。だって人の目玉を潰したり、腕を切り裂いたりや、何度も
鞭や棒で殴ったりの拷問を受けたのよ、いくらしばらくすれば‘勝手に治る‘だとしてもね、
ある程度はやられた分は金品で返して貰わないとだわ。
「おぉ!意外と金品強奪に乗り気じゃないか、それじゃ早速金品探しに行くするかぁ」
と大鬼のウジはわたくしの返事に、機嫌を良くしたのか、景気とばかりに掛け声を上げると
、軽々とした歩みで台所から廊下と思われる通路へと出て行くと、すぐ人体の骨が折れる音
が響き、そして幾ばくかの金属がへし折れる或いは砕ける音が響いて来る。あら?何なの音
かしら?。
「おいごらぁ!!あぁもう片方の腕を捻じり取られたくなかったら、さっさとこの屋敷に
あるであろう金品類を保管している部屋を教えろよなぁ?」
「いひぃ、だ誰が妖魔なんかに教えるかぁ、さっさとくたばれこの害獣が!ってウガアァ」
とわたくしは 思いながら台所の出入り口から音が響いてきた廊下を恐る恐る覗いて見ると、
そこには片腕が垂れ下がった村人の首元を掴み、金品が保管しているであろう部屋の場所を
聞き出している大鬼のウジがそこに居た、ついでに状況を理解していない馬鹿な村人は、
無謀にも暴言を吐いて強がるが、大鬼のウジは一切躊躇なく首元を掴んでいた村人の、もう
片腕を力一杯握り締めると、一気に躊躇なく捻じり取ると、そのまま痛みで悲鳴を上げる
村人の頭部を、勢い良く廊下の壁へと叩き突けると、あまりの勢いにその村人の頭蓋骨は
果物のように砕け散り、その肉片と血は大きく周囲へと巻き散らかされる。うおぉ!・・・
派手に容赦ないなぁこの大鬼わぁ、全く身体中に肉片が着いちゃっているじゃない。
「おーい!ねぇウジ、そんな派手に人間の頭を壁に叩きつけたら、周りに血やら肉片何かが
飛び散ってしまって、周囲が汚れてしまったじゃないの!、もうこっちまで飛び散っている
しもぉー」
とわたくしは派手に周囲に飛び散った人間の頭だった肉片や血などに対して、思わず額に皺
を寄せながら、大鬼のウジに対してもう少し綺麗に潰せないのかと、文句を口にする。はぁ
全く覗いて見ていた時に飛び散った肉片の一部が顔に着いたじゃない。
「えぇ?あぁー、それは申すわけないな、やぁまさか腕をへし折ってから脅しているのに、
暴言を吐いて挑発して来るとは思わなくってな、思わず壁に叩き潰してしまったんだよ、
今後同じ様なことがあっても、出来るだけ控えめに処分するよう心掛けようと思う」
と大鬼のウジは申し訳なさそうに頭を軽く下げると、次に同じようなことがあったら、もう
少し穏便にすることを心掛けるとそう言ってくれる。うーんまぁそれなら良いんだけどって
、あれ最後に思うとか呟かなかったあいつ?、はぁもしかしてこの大鬼って、結構天然系の
奴なのかしら?。
「そうなの、まぁ心掛けてくれるなら良いわけだけど、それで金品の有りかを聞き出そうと
した人間の頭を潰したわけだけど、どうするのよ?このまま当てもなく屋敷中の部屋を探し
周るつもりなのかしら?」
とわたくしは何とも言えない苦笑いを浮かべながらそう告げると、大鬼のウジは徐に瞼を
閉じて、腕を組みながら壁に持たれると、そのまま考え込んでしまう。あぁどうやら考えて
居なかったようですわね・・・仕方ないわたくしが積極的に動きますか。
やばい、何かだらだらと書いているうちに思ったよりも別視点が長くなってしまった、主人公視点は
もうしばらくないです。