第15話
第15話
さてさて今の俺は、村の右側の住居地の探索を取り止めた後、村の左側を探索する為に、一直
線に向かおうと考えたが、一応時計回りに探索して行こうという方針にて、探索行動をして
いたことを思い出した俺は、とりあえず大きく時計回りに迂回しながら探索しつつ、村の左側
へと目指すこと決める。そして今の現在地は、村の前側の地区内を通っている最中である。
「グチャグチャ何かこの辺りって、見たところ木製屋根の丸石壁の倉庫らしき建築物が色んな
場所に建っている感じだよな、ふーむもしかして、この辺りの建物の形状からして、探索目的
である村の食糧庫が建ち並ぶ地区なんじゃ」
と俺はそう短剣の村人の腕を食べながら、もしかしてこの辺りの地区は目的の家畜及び食糧庫
が建ち並ぶ場所ではないのかと、周りの建物を何となく眺めながら、考えていることを呟く。
「まぁもし食物庫とかなら、試しにこの木造屋根の丸石壁倉庫の両扉を破壊してみて、中に
何が保管しているのかを、確かめて見れば分かるか。さてそうと決まれば早速行動に移すか」
と俺はそうと決まれば早速とばかりに、近くに建ってある木造屋根の丸石壁倉庫の両扉前まで
移動すると、その場で一気に拳を握りしめながら構えると、そのまま力加減を調整しながら、
勢い良く拳を打ち放つと、両扉は軽々と枯葉のごとく破壊してしまう。
「ごほげほっほほ、あぁ力強く殴り過ぎた、あともう少し加減すればよかった、まぁ邪魔な
両扉は消し飛ばしたことだし、それじゃぁ倉庫には、何が保管してあるのかな」
と俺は両扉を破壊したことで、巻き起こった土煙と埃煙などに噎せながらも、木造屋根の丸石
壁倉庫内に入室し、備蓄されている物を確認し始める。ふむふむなるほど。
「ふーむあぁ、これははずれ枠の倉庫だったようだ、軽く見渡してみても、特に食糧らしき物
は見渡ら無いし」
と俺は木造屋根の丸石壁倉庫内に備蓄されている物を確認して見るが、どうやら最初にぶち
破ったこの倉庫には、特に食糧品らしき物は備蓄されていないのだと確認し終える。
「倉庫内に備蓄されている物は、何かの獣の毛皮に、綺麗に干されたなめし革とか、新品同様
の農具や工具などの道具類が大量に置いているだけだし、まぁ衣服の素材に使えそうだし、
適当な毛皮となめし革を貰っていくか」
と俺は倉庫内に置かれている物などを声に出して呟きながら確認していき、そして何か裁縫で
の素材に使えそうなので、適当に毛皮やなめし革を選ぶと、腰にぶら下げている布巾着袋に
収納していく。どんな服を作ろうかな。
「よっこいしょっと、まぁこれぐらいあれば何種類かの衣服は作れるかな、さてこれ以上ここ
に居ても仕方ないし、隣に在る似たような倉庫がある方に向かうか」
と意気揚々に毛皮となめし革を収容し終えた俺は、隣にある同じような建築構造をしている、
木造屋根の丸石壁倉庫の両扉前で移動すると、今度こそ食料などが備蓄されている倉庫だと
良いなと祈り考えながら、俺は絶妙に力加減がされた蹴りを放ち、的確に両扉の鍵部分だけを
破壊することに成功する。上手く出来たぜ。
「おぉ今度は上手く両扉の鍵部分だけを破壊で来たな、さぁてぇ中に備蓄されている物は何か
なぁ・・・えーとうわぁ」
と俺は上手く破壊出来たと喜びながら倉庫内に入室するが、そこに広がる光景を見てしまった
俺は思わず絶句してしまう。何せそこには163cm程の人間に兎の耳や尻尾などの要素が混ざあ
ったような姿形をしており、そして容姿は茶色の長髪に茶色の長い兎耳が頭部に生えており、
そして愛嬌のある可愛らしい顔をした少女が、眼球を潰され、身体中に生々しい傷が複数刻ま
れている状態で、天井から縄で縛られた状態で、吊るされているのだから。うわぁ酷い拷問を
するなぁ。
「倉庫の両扉の鍵部分を壊して室内に入ったら、茶色に毛深い兎耳少女が眼球と全身の傷から
血を垂れ流しながら吊るされていた、惨いとか酷いとかじゃねぇ悲惨なその姿に絶句したぜ」
と俺はその悲惨な光景を見て、思わず謎の文言を動揺しながら呟き、そして吊るされている
全身血塗れの兎耳少女が生きているのかどうかを確認するべく、少し慎重な足取りで息が聞こ
えるかどうかの距離まで近づく。さて見た目は酷いが生きているかな?。
「ふむふむなるほどね、脈は動いているし、息の音は聞こえるから、恐らく大丈夫そうか?」
と俺は吊るされている兎耳少女の脈や息の音を聞いたりした結果、まだ生きていることを確認
し終えると、一旦周囲の床に視線を向けると、血と肉片が付着している錆びた鋸や錆びた鎌に
錆びた伐採鉈や錆び着いた大釘が乱雑に散らかっていることに気が付き、徐に床に落ちていた
錆びた伐採鉈と錆びた鋸を手に取って、じっくりと確認して見る。
「ほぇ~付着した血と肉片で錆びた道具かな?、まぁ一目見ただけで、この道具達の用途何か
は、この吊るされている兎耳少女の惨状からして、まぁ十中八九拷問具だと予想出来るが」
と俺はそう興味深く呟きながら、血と肉片がこびり付いている、錆びた伐採鉈や錆びた鋸など
をじっくりと隅々まで詳しく観察していると、突如無残にも天井柱から血塗れの状態で吊る
されていた兎耳少女から息苦しく霞んだ音らしく何かが小さく聞こえて来たので、何となく
視線だけを向けてみると。
「ウヴェエ、ごふぉげふぉ!!・・・ナカマヴァ、ナァンテェ・・・はぁはぁシラァ・・・
ナッイヨ・・・モオォイイデェショ・・・ダレカァ」
と兎耳少女の口元から微かにだが、死にかけのアザラシのような言葉の声が何となく聞こえて
くるような気がする。あ、声は聞こえにくいけど、ちゃんと意識があるんだ。
「ほぉー、こんなにも全身打撲及び刃物傷だらけの血塗れで、しかも眼球が惨たらしく潰され
ているのに、意識を保って居るなんて凄いな。あと今まで嗅いで来た人間の血の匂いと違って
、何かこの兎耳少女からは、不味そうな血の匂いがしてきて食欲が失せてくるな」
と俺は兎耳少女が一体何と呟いていたのか、よく聞こえなかったのだが、それよりも全身打撲
及び刃物傷だらけの血塗れの衰弱状態なのに、うめき声をだせる程の意識を保っていると言う
ことに、驚きと感心の根を抱くが、それよりも兎耳少女の血から漂って来る不味そうで不快な
この匂いに、思わず額に皺を寄せながら、食欲が失せてくると不満を口にする。
「あぁしかしどうしたものか、どうにもこの倉庫内には拷問用の道具類以外なにも無いよう
だしなぁ、はぁはずれだし、そんでこの吊るされている兎耳少女については、どう対処した
ものか」
と俺は拷問用具以外何も置いていない、この血生臭い倉庫に、失望と憂鬱と不機嫌な感情を
抱きながらも、何となく天井から吊るされている兎耳少女へと視線を向けながら、一体どんな
風に処遇したらいいのだろうかと考え始める。まぁ処遇と言ってもこのまま何もせずに放置
すると、確実に衰弱死してしまうだろうと、予想しているので、俺自身としてはこれも何かの
縁だろうと考えて、助けてやろうかとほぼほぼ確定しているのだが。
「ただ普通に助けるって言うのも、何だか癪だしなぁ・・・うーんどうしてやろうか」
と俺は天井から吊るされている兎耳少女を見ながら、どうしてやろうかと呟きつつ、助けた後
の処遇について考えを巡らせる。まぁ別に助けることに関しては良いのだが、無償の善意と
言うのは何だか嫌だったので、助けて意識が戻った時に、何を要求してやろうかと考えるが、
特に何も思いつかなかったので、もう面倒だし助けてから考えることに決める。
「そんじゃ助けてやるか、まぁこいつの意識が完全に目覚める頃には、何か思いついている
だろうし」
と俺はそう楽観的な予想を呟きながら、天井から吊るされている兎耳少女を縛っている縄を、
大鬼の腕力にものを言わせて引き千切ると、全身傷だらけの兎耳少女を米俵抱っこで担ぐと
意気揚々に、拷問倉庫から出て行く。