第14話
第14話
「と、そうしたいところ何だがなぁ・・・」
と俺は気を取り直して、途中だった村の右側探索を再開しようとしたところで、自身の胃袋が
ある位置から、空腹を訴える音が響いて聞こえて来る。どうやら自身のお腹は、空腹を訴えて
いるようだ。
「はぁー腹が空いたな、酒飲んで誤魔化してたけど、やっぱ人間ではない、人外の大鬼だった
としても固定物を摂取しないとダメみたいだな、全く何でこう言うところは、前世の人間とは
大して違わないんだろうか」
と俺はそう空腹で鳴り響くお腹を抑えつつ、こういう食事関係は大して人間とは違わないの
かと呟きながら、何か空腹を誤魔化せる食べ物がないかと辺りを見渡してみる。
「はぁーお腹から空腹の音色が聞こえて来る、あぁどこか肉でもないものかぁ・・・・・・
あぁそう言えば、今しがた頭を吹き飛ばした短剣の村人の死体がその辺の道端に転がっていた
よなぁ・・・試しに食してみるか」
と俺は空腹になるお腹を抑えながら、そう呟きながら、先ほどまで生きていた、生暖かい村人
の死体が転がっている場所まで近づくと、そのまま真顔で眺めながら、死体のすぐそばで立ち
止まる。あぁ何か意識してみると、何か良い匂いがしているような気がする。
「あー・・・どうやって食してみようか、うーんそうだなぁ食べやすそうな腕の肉辺りを食べ
てみるか、何か脂肪が少なくて筋肉質が多そうなイメージだし」
と俺はそう呟きながら、短剣の村人の腕を掴むと無理やり捻じり引き裂きながら、腕と胴体を
大鬼の握力で引っ張り取ると、漂う人間の血の匂いを嗅ぎらながら、短剣の村人の腕を一口
だけ食べてみる。
「グチャグチャうーん何だろうグチャ美味くはないけど、不味くもないこの味わいはぁ」
と俺はグチャグチャと短剣の村人の腕を食べながら、今世で初めて食べた何とも言えない味わ
いの感想を呟きながら、残っている片方の腕も、無理やり千切り取ると、そのまま脇腹に、
挟んで持ち運びにすることにし、これ以上村の右側探索しても、食糧庫は無さそうなので、
別の方側を探索しようかと考え始める。そして最初に食べ始めた短剣の村人の腕は、ちゃんと
最後まで何事もなくグチャグチャと骨も一緒に完食した。
「グチャグチャふぅー、いやぁ食った食った何か普通に骨までサクサクと食べれたな、あぁ
もう少し前世人間としての価値観とか忌避感とか感じたりするのかと思ったけど、特に何も
感じなかったな身も心も人間ではないと言うことかな?、まぁとりあえず残りもう片方の腕は
、そのまま持って行くか、道中で小腹が空いたら食べよう」
と俺はよく人肉を食した際の真理や心情などを詳細に書かれた小説などで知っており、自身も
似たような感情や心情を抱くのかと予想していたのだが、特に何も人間の腕を食したことに
ついて身体も心情も何も反応を示さず、どうやら自身が思っていたよりも、大鬼としての身と
心に変質していたのだと理解する。そして俺や村の右側の探索を取りやめ、時計回りに遠回り
をしながら村の左側へと向かって歩き出すのであった。
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「ふぅーどうやら気付かれずに行ってくれたようだな、歩いて行った方角からして、恐らく
あの大鬼は、北側の畜産及び穀物何かを備蓄している場所に向かったようだな」
と紳士な髭を生やしている村人は、安心だといった表情で、そう呟きながら踊り子風の大鬼が
この避難所に気付かずに、北側の畜産及び穀物などの貯蔵庫が密集している場所へと、向かっ
ていたことを遠目でこっそりと確認する。
「そんでだ、あの大鬼に蛮勇にも立ち向かった四名の状態はどうなのだ、僧侶殿よ、まぁ現状
を見れば自ずと予想出来るが」
「あぁ残念な知らせなのだが、この道端で倒れている三名なのだが、一人は顔面が潰れて、
死亡しておる、もう一人の方は地面にめり込んでしまうほどの威力で潰されており、脈も一応
とって確認したが、お亡くなりになっておった、そしてもう一人の方だが、あれは酷いものだ
、頭部が根こそぎ吹き飛んでいるし、両腕は千切り取られておる、生死確認などしなくても、
結果など容易に確信できる、そして生きているのは民家に吹き飛ばされた奴だけ何だが、かな
り手酷くやられているようでな、一応信仰系魔術を唱えて、癒しはしたのだが、まぁ数か月は
安静にすることを推奨するが」
と紳士な髭を生やした村人は、蛮勇にも大鬼に立ち向かって行った四名の状態を確認している
黒色の法衣と黄銅色の袈裟を着込んだ僧侶に問いかけるが、返って来た返事は残酷な現実的な
診断結果だった。
「そうなのか、まぁ一人でも生きているだけ朗報か、生き残った彼についてなのだが、安静
できる避難所まで移送してくれぬだろうか僧侶殿、そして残りの者は逃げ遅れている避難者の
誘導を優先して頼むぞ」
と紳士な髭を生やした村人は、手が空いている村人達に、未だに逃げ遅れている避難者の誘導
を優先して頼みとお願いする。そして僧侶殿と村人達は生き残りと避難者の誘導及び担架で、
運んで連れて行く。
「はぁそれにしても、全く勇敢と蛮勇は違うと忠告したはずなのだが、もう少し強く説得して
いれば、死亡者を出さずに済んだのかもしれないと、考えてしまうな」
と紳士な髭を生やした村人は、もう少し強く説得していれば、このような悲惨な結果にならず
に済んだのではないかと、後悔の念を抱いてしまが、過ぎたことを気にしても仕方ないと、
思い直し、逃げ遅れている避難者の誘導へと戻って行く。
「だが、頭と両腕を無くした死体とは、何とも残酷で悲惨なことだ、風の噂で大鬼は人肉を
食すとは伝え聞いてはいたが、実際にその光景を見えると、想像を超える恐怖を感じるな」
と紳士な髭を生やした村人は、無残にも道端に転がっている遺体を眺めながらそう呟きつつ、
逃げ遅れた避難者の誘導をしている村人達の元まで戻って行った。何とも言えないこの光景を
自身の記憶に刻みながら。
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ヒャッハー略奪だぁ、さて村での出来事はある程度先まで書き終えたけど、その後はどうしたものか。一応話のアイデア候補はあるだけど・・・。