第11話
第11話
そして踊り子風の大鬼はその強靭な拳を力強く握りしめ、足が地面にめり込む程の力を入れる
と、踊り子風の大鬼は力強く一気に前方へと駆け出す、その動きは残像が見える程の余波が
繰り出され、初速で蹴られた地面は大きく砕け散り、その周囲には土煙が盛大に立ち上らせ
ながら、武器を構えているブルドクの目の前まで一気に距離を詰め、その音速に匹敵する速さ
に合わせるように、前方に正拳突きを繰り出して来る。
「うおぁ!?あぶえねぇ!!?」
とブルドクは迫りくる踊り子風の大鬼の正拳突きを、何とか咄嗟に構えていたハルバードで、
受け止めるが、その衝撃を逃がすために敢えて後方へと、5m程離れた位置まで吹き飛ばされ
が、器用にも空中で姿勢を整えながら地面へと綺麗に着地する。
「おうおう、中々良い反射神経じゃねぇか、兵士のあんちゃん、まさか咄嗟に後ろに跳ぶこと
で、俺が繰り出した正拳突きの威力を半減させるとは・・・あぁ身体の血が騒ぎやがるぜ!」
と踊り子風の大鬼は自身の攻撃を受け止めきったことに、燃え上がるような闘志を抱き感動
する。そして流れるように瓢箪に入った酒と思われる液体を、豪快に一口だけ飲んだ後、改め
て拳を構え直す。
「おりゃぁこっちもいるぞおりゃあぁ!!」
とルーベルは踊り子風の大鬼の横背後からそう叫びをあげつつ、自身の魔銀製の槌を、筋力
にものを云わせて、頭部に殴りに当てると、鋼同士が衝突したかなのような衝撃音が響き渡り
、魔銀製の槌は弾かれるが、すぐに何事もなかったかのようにもう一度殴り、また弾かれまた
殴りが繰り返すごとに速度と威力が爆上がりし続ける。
「≪武芸・二十蹂躙槌≫ききいいぃ!!」
とルーベルはその繰り返し殴り弾かれるよって速度及び威力が底上げされる戦士職の技である
武芸を発動させる。だが踊り子風の大鬼はその攻撃を笑みを浮かべながら20発もの殴打を受け
きると同時に、力強く拳を握りしめ、薙ぎ払うように腕をルーベルの横腹に向けて命中させ、
数m程の距離まで吹き飛ばすが、ルーベルは苦しい表情をしながらも空中にて、姿勢を調整し
ながら、何事もなかったように地面へと着地する。
「何だ今の攻撃わ?、明らかに何か威力が底上げされている感じがって、うおっと!?」
と踊り子風の大鬼は繰り出された武芸に驚いているいるのか、明らかに隙だらけとなっている
今の機会と捉えブルドクは、一気に距離を詰めきると、そのまま勢い良くハルバードを振るっ
て攻撃するが、命中する寸前のところで、攻撃が迫っている事に気が付いたのか、踊り子風の
大鬼は咄嗟に後ろへとバク転することで、強引に回避しながら、流れるような動作にて自身の
強靭な両足蹴りを、ブルドクの胴体部へと向けて放ち、そのまま命中してしまい、そのまま勢い
良くぶっ飛ばされてしまう。
「うがあああぁ!?うへぁ痛てぇなぁ!?今のはヤバかった、もし胴鎧が無かったら今ので
死んでたぞ」
とブルドクはそう言って地面から起き上がると、先ほどの両足蹴りの衝撃で、無残にも砕けて
しまった胴鎧を脱ぎ棄てると、改めてハルバードを構え直すと、大きく深呼吸をしてから。
「≪武芸・一向光波≫」
とブルドクがそう叫ぶと同時にハルバードを振るうと、その刃から紅く発光する光波が放たれ
、踊り子風の大鬼へと一直線に向かって進んで行き、踊り子風の大鬼の胴体を薄く切り裂き、
血が噴き出す程のダメージを与えたかに思えたが、踊り子風の大鬼は怯むどころか今にも笑顔
で襲い掛からっとばかりに、両手を天高くまで伸ばしきると同時に、一気に全力で両手へと
振り下ろし始める。
「うははは面白れぇ飛ぶ斬撃かぁ、そんじゃぁお返しだ、吹き飛べやぁ!!」
と踊り子風の大鬼がそう叫ぶと同時に両手を地面に叩きつけると同時に、大きな衝撃音が響き
、直径10mにも及ぶ大きなクレーターが生み出される、そしてその衝撃で作り出された土岩と
その衝撃波は取り囲むように居た村人全員へと襲い掛かる、ルーベルとブルドクは巧みな動き
で回避し、一部の村人は武器を地面に突き刺すことで防ぐが、その他諸々は何も対処出来ない
まま巻き込まれ、遠く十数m程の高さまで、無謀に吹き飛ばされ、そのまま無残にも地面へと
叩きつけられて、地面に血の染みになり果てるか、飛んで来た土岩に圧し潰されて、肉片へと
なり果ててしまう。
「ごほうぇ、今のは大鬼の大地砕きって奴だべぇか、今ので外側に居た十数人は死んじまった
だべぇよ、どうするだべえよ!」
と二人と大鬼の戦いを外側から隙を伺っていたジョルバクは先ほどの踊り子風の大鬼の範囲
攻撃にて、取り囲むように臨戦待機をしていた村人以外の全員が今ので死亡した事を告げる。
「大丈夫かジョルバク爺さん!?、大丈夫なら他の無事な連中と一緒に、今ので重傷者なった
連中の応急処置をしたら、安全場所まで運んでくれ、こっちはブルドクと共に、あの大鬼の
動きを出来るだけ抑える」
そしてルーベルはそう辛く苦虫を噛み締めるような表情を浮かべながら告げると、魔銀製の槌
を構えてから、再び踊り子風の大鬼へと向かって行く。そして踊り子風の大鬼は、噴き出した
血は一瞬で塞がり、そして気に抜けた表情を浮かべながら瓢箪の酒を一口飲んでいた。
「ぷはぁーいやぁ予想より威力が出せすぎたか?、何人か死んだみたいだが、まぁ向こうが
喧嘩を振って来たんだし良いか」
と踊り子風の大鬼は余裕の笑みを浮かべながらそう呟くと、土煙が立ち昇る中、瓢箪の酒を
再び酒を飲み始める。明かになめくさった態度であり、まるで遊んでいるような感じだ。
「おいおいあんまりなめんなよ、この露出魔があぁ!≪武芸・閃光突き≫!!」
とブルドクは、踊り子風の大鬼のなめくさったその態度に、思わず怒りの声を叫びながら、
自身の移動速度を一時向上させる武芸を発動させた後、一気に音速に匹敵する速度まで加速し
、踊り子風の大鬼の至近距離まで急接近し、人型の急所的部位である、心臓へとハルバードを
突き立てようと繰り出しが。
「おぉすげぇ一気に加速したと思ったら、もう目の前まで来ているなんてなぁ、あぁだが」
と踊り子風の大鬼は一気に自身の至近距離まで移動したことに、感心したように呟きながら、
突き出されたハルバードの先端を軽々と片手で掴むと、そのままブルドクの加速しきったその
神がかり的な動きを強引に停止させてみせる。そしてブルドクはその光景に目を大きく開き、
額に大粒の汗を流しながら驚愕し、そしてルーベルを含むその場にて未だに残っていた村人達
は思った、そんなあの突きを片手で掴み止めだとっと。
「あぁすまんな・・・そろそろ飽きて来たんだよ、ほれじゃぁ強めの拳、受け取れやぁ」
と言う一言共に、踊り子風の大鬼は最初に繰り出した音速にも匹敵したあの正拳突きとは、
比較にならない程の正拳突きを、もう片方の拳にて、ブルドクの無防備となってしまった胴体
へとその強烈な一撃をお見舞いされ、ブルドクから鈍く骨の砕ける音が響くと同時に、その
身体は棒切れのごとく十数m程の距離まで吹き飛ばされて行き、そしてブルドクはそのまま
固い地面へと勢い良く衝突し、数十㎝程地面にめり込むことで停止し、そのまま意識を完全に
、なくなってしまう。
「はぁ殺す気で殴ったと思ったけど、まさか咄嗟に武器を手放してから、後ろへと跳ぶことで
、何とか耐えきったか、なかなかの判断力と反射神経だったな」
「「「ブルドクううううう!?」」」
と踊り子風の大鬼はそう感心するように呟き、そしてルーベルと村人達は悲鳴を上げるように
声を叫ぶと、急いで村人達はブルドクの元へと行き、ルーベルは踊り子風の大鬼の前方へと
走って行くと、ブルドクが倒れている場所と直線状に位置する場所で立ちふさがる。
「一旦飛ばされておけやぁ!≪武芸・衝撃風波≫あぁぁ!」
とルーベルはそう言いきると同時に、力強く魔銀製の槌を振りかぶると、任意の対象に向けて
衝撃波を放つことが出来る武芸を、踊り子風の大鬼に目掛けて打ち放つが。
「へぇ衝撃波じゃん、うーんそれなら、ふぅーはあふぁぁ・・・ヴォオオオオオ!!」
と踊り子風の大鬼は軽くそう呟くと、何を思ったのか大きく深く空気を吸い込むと、向かって
来る衝撃波に、深く深呼吸をしてから、目掛けて大地と空気が震動するほど衝撃音が発生する
大声で解き叫ぶと、踊り子風の大鬼へと目指して突き進んでいた衝撃波は、いとも簡単に打ち
消されて、そしてそのまま大声の衝撃波は、威力を低下させることもなく、対峙するように
居たルーベルと、その大地諸共に命中し、村方角へと勢い良く吹き飛ばされ行き、そしてその
まま丁度落下地点に建ってある民家の藁屋根を突き破り、地面へと激突して、ルーベルの意識
を失い、そのまま気絶したのであった。