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酒と宇治と大鬼転生伝 休止中  作者: アクドニアデフジム
第1章
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第10話


第10話




そして武装した村人達と共に来るであろう大鬼に備えて、武器として持ってきた物などを点検

確認などをしながら、待ち続ける事数分程経過したところで、村の外へと続く参道の向こう

から何者かがこちらへと向かって来ている事に気が付き、村の出入り口に集結していた村人達

全員に、視線を向けて合図をする。そうこうしている内に、大鬼が姿を現した、その身姿は

朱色の長い髪に、茶色の瞳に凶悪な人相をした顔付きをしており、その額の上には大鬼の証

ともいえる二本の鋭利な角が生えており、そして身長は大きく凡そ190㎝程の細身の体格した

威圧のある雰囲気であり、そしてその大鬼の服装などは異国の旅の踊り子のように露出の多い

恰好をしており、背中の腰辺りに大きな鞘に納まった大鉈剣をぶら下げている。そんな踊り子

風の大鬼は威風堂々とした様子で、こちらへと向かって、歩いているが見えて来る。


「なぁだルーベルよ、あれが噂に名高い暴力の化身である大鬼なのかだべぇ、見た目は美人の

女子にしか見えないんだが、ここからでも肌に感じるべぇ、あれはヤバイ存在だって空気を

伝って知らせて来るべぇ」


と傍に待機していたジョルバクは緊迫した表情でそう語りかけて来る。ジョルバクが感じた

見た目に似合わない強者の威風が、空気を伝って来るのを全員肌に感じとっていた。まさに

空気を呑むほどの威風と言って良い状態だろう。


「そこでまたれよ大鬼の貴女よ、一体何用にてこのキックボ村に向かっておられるのかぁ!」


とこの場にいる村人の集団内から黒緑色のローブコートを着込み、長い灰色の三つ編み髭を

蓄えたご老人ことキックボ村の長老であるブゲラが堂々と先頭に歩み出ると、踊り子風の大鬼

に対し、一体何用で村に向かって来たのかと、訪問目的を問いただす。


「あぁん?・・・おぉ何だよ随分と物騒で派手な歓迎ぐわいだなって、え?何用で来たかって

聞かれてもなぁうーん・・・」


と踊り子風の大鬼は武装した村人の集団を見ると、如何にも好戦的な笑みを浮かべて、拳を

構え始めたところで、長老のブゲラが踊り子風の大鬼に対して何用で来たかと問いかけると、

明らかに何とも悩み考えるような様子になる。そしてルーベルとブルドクは、その反応と仕草

からして、大した理由などなく村に立ち寄って来たのだろうと、推測する。


「ごくごくぷはぁー、まぁ目的何かと聞かれれば、そこに村があったからとしか言えね、単純

に興味本位と言われではその通りだ」


と踊り子風の大鬼は一体何を思ったのか、手元に持っていた瓢箪を口元まで近づけると、何か

液体を呑み始めながら、この村に来た目的などを語りだす、ただそこに村があったからと言う

、余りにも傍迷惑で傲慢な理由だと、この場にいる村人全員が抱いた感想だ。


「はぁーまぁ大鬼らしい理由だな、マジで自身がどう思われているのかを、全く理解してい

ないことが分かる言動だな」


「本当になぁ、大鬼って言うのは傍迷惑で自分本位な、恐ろしい妖魔だよ、心底ね」


ブルドクとルーベルは長老のブゲラと会話している踊り子風の大鬼に、会話内容が聞こえない

くらいの小さな声で、気まぐれなこの踊り子風の大鬼について呟き合う。


「ほうほう、そうかそれはまぁ傍迷惑な事じゃ、さっさとこの村の傍から立ち去れ!この忌々

しい化け物めがぁ!!」


と長老のブゲラは踊り子風の大鬼が言うった傍迷惑な理由に、何か琴線にでも触れてしまった

のか、長老のブゲラの顔は荒々しく怒る表情へと豹変し、ご老人とは思えないほどの発量で

怒鳴り声を叫ぶ。そして怒りに我を失っている長老のブゲラを見た周囲の村人達は、余りの

感情に任せた行動に、言葉を失いほどの驚愕と戸惑い震えあがる。


「ちょっと待つだべぇ長老!?流石にそれはヤバイだべぇよ、落ち着くだべぇ!?」


と近くに居たジョルバクはそう言って、何とか怒りで感情的になっている長老のブゲラを

落ち着かせようと試みるが、長老のブゲラは完全に我を失っており、感情的な暴言を踊り子風

の大鬼に怒声を浴びせ続ける。


「はぁ?何やってんだよ!?、いくら大鬼の言動に腹が立ったからって、それを感情に任せて

、口にだして暴言を吐くとか、喧嘩売っているのと買わないぞ、我慢すらできねぇのかよ」


とブルドクは余りにも感情的に後先を見ない長老のブゲラの行動に、驚愕し怒りを覚える。

何せこの暴言で、踊り子風の大鬼の機嫌が悪くなり、この暴言を売られた喧嘩をだと判断でも

して襲って来たら、ここに居る全員に危険が及んでしまう、感情任せの無責任な行為なので

あり、だからこそブルドクは長老のブゲラに対して怒りを覚えたのだ。


「はぁもういいや、お前が俺にどうして欲しいのかよーくわかった、そこの爺の暴言と態度で

、話し合いなんて考えるだけ馬鹿らしい、もうここは大鬼らしく暴力で片付けてやるからさぁ

どの奴でも良いからさぁ・・・さっさと掛かってこいやぁあああああ!!」


と長老のブゲラの後先見ない行為に、村人一同騒いでいると、踊り子風の大鬼は明らかに機嫌

が悪くなり、もう暴力で片付けるなどと言い終えた瞬間、踊り子風の大鬼から途轍もない威風

が解き放たれ、その口から吐き出される大声は大気を震える程の衝撃が、その場に居た村人

全員の肌に叩きつけら、自然と湧き上がる恐怖で、思わず立ち下がってしまうが。


「ぜ、全員気合を入れ直せぇ!、根性ある奴は武器を構えな、じゃないと無駄死にするぞ!」


とルーベルの気合い根性の載った掛け声によって、踊り子風の大鬼より発せられる威風よって

身体が恐怖で動けなくなった村人達を正常に戻し、そして武器を構え直して戦える程の勇気が

、村人達の心に人為的に溢れ出る。そしてブルドクは己の職務が定めの為、率先して踊り子風

の大鬼の最前方に立ちはだかっており、手には愛用のハルバードを構え、いつでも攻防一体の

状態である。


「ほぉなかなか良い根性と面構えをしている奴が出て来たな、そんじゃお試しにっと!」


と踊り子風の大鬼は生きの良いのが来たかと言わんばかりの笑みを浮かべ、一気に襲い掛かる。








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