新しい改革:ギルド
「こんにちはー。」
冒険者ギルドの中はかなりボロボロだった。
「こんにちは、新しい冒険者の方ですか?」
「あらかわいい女の子、私は新しく領主になったイチコよ。よろしくね。」
「領主様ですね、よろしくお願いします。」
「ここのマスターとクエストをすべて見せてもらっていいかしら。」
「申し訳ありません、マスターがこちらに来るのは3日後になります。クエスト一覧でしたらこちらの本をお使いください。」
分厚い本を差し出してくる。これに全てのクエストが載っているのだろう。
さすがにみるのは面倒くさい。
「ここのギルドだけの依頼が載ってるものはあるかしら?」
「あっ、それでしたらそちらの掲示板にあるものですね。」
奥にある掲示板を指さす。
『薬草の入手』
『ゴブリンの討伐』『ゴブリンの薬の入手』
『スライムの核の入手』『モリイタチの尾の入手』
貼られてあるのはこれだけだった。
「新しい依頼がしたいの、2種類ほど。」
「かしこまりました。こちらに内容と報酬をお書きください。」
えっと、領地内の清掃。武具の新規武器製作補助。
清掃は約1週間、主にギルド内、噴水、その他見栄えが良くなるように。
武具屋の補助は3日間連続勤務、長髪×、燃えやすい服も×。
「報酬は後日記載するわ。良い値で払うとだけ約束するわ。受注資格は誰でも。」
「誰でも、ですか?」
「討伐じゃないからね。どちらも連日お願いするけれど誰でもいいわ。報酬はヴァインに払ってもらうから。」
「こ、国王にですか!?」
「ええ、私にすべて任せるって言ってたから。」
「か、かしこまりました。少々お待ちください。」
可能なら清掃は冒険者にお願いしたい。
狙いは、自分たちで街を奇麗にすると自然と愛着が沸いて汚さないようになるからだ。
製作補助は誰でもいい、領地外でやる場合は新しく冒険者で傭兵をお願いすれば良い。
「承りました。こちらでお間違いないですか?」
『領地内の清掃(国王の依頼)
期間:約1週間
内容:主にギルド内、噴水の清掃、その他街の見栄えが良くなるように。
報酬:良い値(金額は未定)』
『武具屋の新規武器製作補助(国王の依頼)
期間:3日間
内容:受注者のみ
報酬:良い値(金額は未定)』
「国王の依頼ってところ、領主の依頼ってことにしておいて。ちなみに冒険者一人のだいたいの日給ってご存じ?」
「了解しました、だいたい30銅前後ですかね?」
「ありがとう、じゃあ報酬は35銅+歩合ってことで。」
「歩合?」
「仕事の出来が良かったら、さらに報酬を上乗せするってことよ。」
「!?かしこまりました!全国に受注をかけますね!」
「お願いするわ。明日また来るわね。」
別にこれぐらいの金額以上を持ってくるわよね?
最悪何かを売れば良い。家の中には高そうなお皿が無駄にいっぱいあったから。
さて、次はアイテム屋かしら。
数時間後、内容と報酬が見合っていないことをしらないイチコが依頼したクエストは抽選になるほど受注者が現れた。