新しい改革:武具屋
「こんにちわー。」
「ん?あんたは…新しい領主様じゃねえか。」
「ちょっと作って欲しいものがあってですね。日本刀っていう刀なんですけど。」
木にスケッチしたものを武具屋の店主に見せる。
この世界で紙は貴重なものらしい。
「ほぉ~、剣とは少し違う感じなんだな。」
「そうそう、刀身が少し沿ってて、柄は円を描くような感じ。そこから下は剣と一緒。」
「でもなんでこんな剣を?」
「私の世界でも剣はあったから知ってるんだけど、切るのに力もいるし、すぐ刃こぼれするでしょ?」
「よく知ってるじゃねえか。だから俺たち職人はどれだけ硬い石で作れるかが技量なんだよ。」
「そんなクソ技量いらないわよ。この刀は力もいらないし、刃こぼれも少ないのよ。」
「どうしてだ?」
「湾曲ってことは、自然と引きながら切るってことよ」
「なるほど、そりゃあ良い。」
「玉鋼っていう鉱石が最適だけれど、最悪鉄でも構わないわ。強度は落ちるけどね。」
玉鋼?と不思議そうな顔をする。
やっぱり知らないか。
「玉鋼っていうのはひたすら砂鉄と木炭を炎に3日入れ続けて出来上がる鉱石よ。」
「その鉱石が一番いいんだな?どれぐらいの砂鉄と木炭が必要なんだ?」
「詳しくは知らないけれど1000キロずつ入れて20キロってところじゃないかしら?刀1本でだいたい1キロぐらい使うわよ。」
「かなり非効率だな。」
「ええ、騙されたと思って作ってみない?上手くいけば異世界で最初の刀屋さんになれるわよ。」
「異世界の情報…刀…。」
「成功したら、もっとすごい物も教えてあげる。」
「よっしゃぁ!やるぜ!作り方教えてくれ!」
「契約成立ね。ミレイちゃん、国王からお金借りてきてくれない?10人分の3日間の賃金と、砂鉄と木炭1000キロずつ。」
「…かしこまりました。」
驚いた顔をしていたミレイは馬に乗って王都へ向かった。
とりあえず今は刀だけ教えてればこっちは大丈夫かな?
次は…冒険者ギルドかなー。