第四話 あやかし日本むかし話 -決戦!鬼ヶ島-
【登場人物紹介】
・飛叢 隼人
「妖しい、僕のまち」の登場人物。
イケメンだが喧嘩っ早い性格の青年。
降神町に住む特別住民で、巡の友人。
正体は“一反木綿”
高速で飛翔し、両腕のバンテージを自在に操る妖力【天捷布舞】を使う。
鉤野とは反りが合わないが、今年もめでたくカップリングされた。
・鉤野 静
「妖しい、僕のまち」の登場人物。
服飾会社の社長を務める着物美人。
降神町に住む特別住民で、巡の友人。
正体は“針女”で、長い髪先を鉤状に変化させ、対象を捕縛する【恋縛鉤路】を使う。
飛叢はケンカ友達以上恋人未満?
・十逢 頼都
「Halloween Corps! -ハロウィンコープス-」の主人公。
黒づくめの嫌世的な青年。
正体は“鬼火南瓜”で、狩魔軍団「Halloween Corps」の隊長。
その出自から不老不死であり、地獄の炎を自在に操る。
・リュカオン=ガルナー
「Halloween Corps! -ハロウィンコープス-」の登場人物。
金髪碧眼の日本かぶれ女性。
正体は“人狼”で、狩魔軍団「Halloween Corps」の隊員。
スピードに優れ「無流」という幻の古武術を使いこなす。
・フランチェスカ
「Halloween Corps! -ハロウィンコープス-」の登場人物。
古風なメイド姿の小柄な少女。
正体は“雷電可動式人造人間”で、狩魔軍団「Halloween Corps」の隊員。
驚異的なパワーと頑丈さが売りで、雷撃(電気)を自在に操る。
アルカーナ=D=ローゼス三世
「Halloween Corps! -ハロウィンコープス-」の登場人物。
絶世の美男子に見える「男装の麗人」
正体は“吸血鬼”で、狩魔軍団「Halloween Corps」の隊員。
「飛行」「霧化」など、多彩なスキルを活かした戦法が得意。
・十乃 美恋
「妖しい、僕のまち」の登場人物。
主人公・巡の妹で、降神高校に通う女子高生。
容姿端麗・文武両道の完璧超人だが、極度のブラコン。
嫉妬深く、兄のこととなると超人的な力を発揮する。
・黒華
「人妖抄録 ~「妖しい、僕のまち」異聞~ 」の登場人物。
黒髪の少女人形で、稀代の造形師、火毘鬼 九源太による最高傑作。
正体は“人形の霊”で、全身に仕込まれた刃で、相手を切り刻む【斬肉魔道】を使う。
かつては殺人人形として活動していたが、現在は更生し、穏やかな性格になっている。
・ブラックマウンド
「妖しい、僕のまち」に登場する某鬼女。
今回は、かつてない扱いをされることに…
・???
ナレーション担当。
昨年度とは別人物。
むかーし、むかし。
あるところにおじいさんとおばあさんが(以下略)
飛叢「…で、今年もまたじじい役かよ」
鉤野「私はもう諦めましたわ…(溜息)」
飛叢「あ、ちょっと待て。今回もナレーションは余じゃねぇだろうな!?」
鉤野「そ、そう言えば、そうでしたわ!」
ご安心ください。
今回は別人です。
飛叢「…なら、いいけどよ」
鉤野「あの人が絡むと、内容が途端にいかがわしくなりますから」
物語を進めます。
ある日、二人は川でドデカいカボチャが流れてくるのを目撃しました。
カボチャ「どんぶらこ、どんぶらこ」
飛叢「…」
鉤野「…」
カボチャ「どんぶらこ、どんぶらこ」
飛叢「…」
鉤野「…」
カボチャ「どんぶらこ、どんぶらこ…って、おい!生温かい目で見送るな!ちゃんとピックアップしやがれ!」
そんな声と共に、巨大カボチャを中から叩き割って、一人の若者が怒鳴り出てきました。
おじいさんとおばあさんはもうビックリです。
飛叢「だって…なあ?」
鉤野「こんな怪しげな農産物には関わりたくないですわ」
若者「まあ、気持ちは分かるがよ…」
カボチャから出てきた若者は、二人に「頼都」と名付けられ、大切に育てられました。
そんなある日、頼都は二人に言いました。
頼都「あー、聞いてくれ二人共。唐突だが、俺は今から鬼ヶ島に行って“掟”を破り、人を襲う悪い鬼共を退治してくる」
飛叢「ほー、面白そうだな。俺も一緒に行ってやろうか?いや、むしろ付き合わせろ。最近暴れ足りなくてウズウズしてたんだ」
鉤野「貴方は少し自重しなさい!」
心配そうな二人に見送られ、頼都は一人、鬼ヶ島へと向かいました。
その道中の事です。
リュカ「Hey!そこなひねくれた顔の若人!」
フランチェスカ「見たところ、鬼ヶ島に鬼を殺戮に行くご様子」
アルカーナ「フッ…どうだい?僕達を傭兵として雇う気はないかな?いい働きを約束しよう」
不意に現れた百戦錬磨そうなイヌ・サル・キジが、売り込みを行いました。
頼都は承諾し、
「いいだろう。よし、折角だし、チーム名も決めるか…では、俺達は『Halloween Corps』と名乗る事にするぞ。いいな、お前ら!」
リュカ「OKヨー!お任せネー!」
フランチェスカ「私がサルというのがいまいち納得いきませんが…イエッサーです、隊長」
アルカーナ「うむ。大船に乗ったつもりでいてくれたまえ」
こうして「Halloween Corps」…略して「HC」の面々は、鬼ヶ島に乗り込みました。
そこには…
黒華「侵入者発見」
美恋「何ですって!?もしかして、お兄…いえ、兄さん!?」
黒華「生体パターン照合…100%別人ね」
美恋「…なあんだ、ガッカリ。折角のハロウィンだし、ちょっと期待してたのに…」
頼都「期待に添えなくて悪かったな…さあて、じゃあ行くぜ、Trick or…」
HC全員「「「「Treat!!」」」」
こうしてHC面々と鬼達の壮絶な戦いが始まりました。
山は形を失い、海は枯れ、花は色失い、人類は自らの行為に恐怖しました。
そして…
黒華「強いわね」
美恋「ハァ…ハァ…元はハロウィン限定の短編小説キャラのくせに…!」
頼都「フッ、そいつはもう過去の話だ。作者の気まぐれって奴でな、今はもう連載版なんだよ」
フランチェスカ「詳細は『Halloween Corps! -ハロウィン・コープス-』を参照ください」
美恋「こうなりゃ、奥の手よ!出でよ、鬼ヶ島の守護神『ブラックマウンド』!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…!
何としたことでしょう!
追い詰められた鬼の叫びに応えるように、鬼ヶ島の一角が崩れ、中から巨大な鬼型ロボットが姿を現しましたではありませんか…!
ブラックマウンド『マ゛ッ…!』
巨大鬼ロボットは、刀の様な巨大出刃包丁を手に金色の目でHCを見下ろします。
その姿は、見目麗しい女性型ですが、泣く子も黙る迫力でした。
頼都「…ウソだろ、オイ。ありゃあ、去年のハロウィンに出くわした鬼女じゃねぇか!」
リュカ「Wow!ロボットよロボット!目からBeamは出ますカー!?おっぱいミサイルはー!?」
フランチェスカ「これは…完全に想定外です」
アルカーナ「ああ。まさかレディ・黒塚のキャラがここまで崩壊するとは…」
美恋「ふははははは…!その扱いを怒りに変えて!今こそ起て、ブラックマウンド!」
ブラックマウンド『マ゛ッ…!』
その後。
HC達の姿を見た者はおりませんでしたとさ。
あな恐ろしや。
飛叢「…で、何でまた布団と二つの枕が置いてあんだ!?」
鉤野「わ、私に聞かれても分かりませんわ…!」
ミュカレ(ナレーション)「いいじゃない。今夜は特別な夜なんだし、二人でしっぽり励んでみたらん♪」
飛叢・鉤野「しまった…余 (さん)じゃなくてもコイツがいた…」
めでたしめでたし
※次回は22時に掲載予定です。