『帰去来~いざ還りなん』
太平洋戦争で祖国の為に遠い戦地で命を落とした
多くの英霊たちの御霊に感謝と祈りを捧げます。
晩夏きたりて魂が多く集来せり。
俗世の願いを聞き入れし、冥府の死王が
開帳によって地界に放たれた魂の群れ人よ。
蝉が亡骸となりてやがて土に還える時、
蜻蛉は連なって水辺で命を産み続ける。
魂はその深く死地なる地下より清水の如く湧き出でて
皆戦地より遠く懐かしき故郷へ還りなん。
縁無き墓石は苔むして草木の蔭に埋もれゆき、
月日と共に風化して刻まれた文字も不明となる。
寄辺無き魂は違わずに還れども処納まるを得ず、
その空をただただ浮遊し、鴉と共に啼き暮らし、
夏の終わりと共に虚しく冥界に舞い戻る。
縁有る墓石は遺族や子孫によって清められ、
香を焚き、仏花を活けて供物を供え、
祈りと共に聖なる煙を上げて魂の還る道標となす。
迎えられた魂は束の間の平安に休息を楽しみ、
子孫の幸福を願いつつ先祖との再会を果たすなり。
鈴虫の囁きは魂の会話。
蛍光は魂の浮遊とするならば、
俗世に生くる我等もまた自然界を慈しみ、
耳を澄ませば、或いは先人の魂の御言を聴けるやも知れず。
靖国に合祀せられる英霊よ。
祖国を守る為、家族を守る為に進んで死地に向かった者あれば、
命に従って死んで逝った霊も有りや。
時代の不運によって失われた多くの御霊はしかし
その犠牲を払いつつも遺された我等が祖国を確かに守ったのだ。
現代に生きる我等は片時もその大事を忘れまじ。
大事を忘れ、他国を畏れる余り
歴史と過去の犠牲を記憶から消し去るならば、
それはやがて亡国の兆しとなり、
人々の精神に現われるなり。
帰去来、英霊たちよ。いざかえりなん故郷へ。
古き良き大和の國に生まれし同胞よ。
我等の祖国を今一度国難外敵より守り給え。
現世に生きる我等もまた変わるべし。
改革を断行し、国家の体制を強化し
国難から守る努力を今こそすべき時。
帰去来、我等の正当な国土を取り戻す為に。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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