表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無敵『幼』塞  作者: 水酸化ナトリウム
11/16

来たれ!通信兵

うちの部隊に通信兵が来た。

初顔合わせだ、緊張するな、と思っていたのもつかの間。弥生ちゃんはモールス信号で話しかけてきた。

「-・・・ --・-・ ・・ -・・・- -・・- --・-・ ・-・-- 

 -・-・・ -・-・- ・・・ -・-・・ ・・ ・-- -- ・- ・・-・・ ・- ・- -・・- ---・- 

---- --- ・-・・ ・・・ -- ・-・- --・-・ ・・・- 」

「へ?」

「”はじめまして、きさらぎやよいです。これからよろしく。”と言ってるね。」

司令官が助け舟を出してくれる。

「---- --- ・・-- -・・ ・・- ・-・・ ・・ -- ・・・- --・-・ ・ ・・ --- -・--・ ・-・-・ ・-・-- ・・ ---・- 」

「”これのほうがよくしゃべれるんです。”と言っている。」

弥生ちゃんがモールス信号で話すことよりも司令官の解読がやけに早いほうに驚いた。

「司令官、なんでそんなに早くモールス信号が解読できるんですか?」

「学校で習ったんだよ。嫌と言うほど頭に叩き込まれた。海軍でもないのにね。」

そういって両手を広げておどけて見せる。

それよりこの話し方は何とかならないものか。話しにくくてしょうがない。

「私モールス信号わからないからさ、言葉でしゃべってくれないかな?」

困ったような表情をする弥生。

しばらくして意を決したように口を開く。

「ぁ…あぁわ…たしは…きさら…やよ…です…。」

かろうじて聞き取れる、まるで蚊の鳴くような声。

ただそれでもモールス信号で話されるのに比べたらまだ聞き取りやすい。

「なんだ、話せるんじゃない。じゃあ次からも話してもらえる?」

あわあわと手を振る弥生。

「・-- -・・・ ・・--・ --・ - --・ ・-・-- ・・ ---・- 

---- ・・ -・・・- ・-・-・ ・-・ -・-・- ・- 」

「”やっぱりむりです。ごめんなさい。”」

無理か…。まあこればっかりは個人の問題だから仕方がないといえるが…。ただ通信兵の言葉が聞き取れないというのはいささか問題だ。いつも司令官が解読するというわけにもいかないし。

「何かモールス信号以外の方法で話せたりとかしないの?」

「-・・-・ ・--・- -・--・ ---・- --・-・ ・-・-・ ---- ・・ ・・- ・- ・-・・ ・・ ・- -・・・ ・-・-- ・・ -・-・・ -・・- ・---・ ・-・-・ 」

すごく申し訳なさそうに言ってくる。訳を聞かなくてもなんとなく話せないんだろうなあ…ということが読み取れる。

私のやらなければならないことリストにモールス信号の会得が加わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ