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愛の形

魔王視点です。


「えーと、リューネ様は……」


またその話か…

いい加減勘弁してくれ!


リューネは俺の婚約者の女だ。

向こう側がどう思ってるかは知らんが、俺は大嫌いだ。

よくわからんが、近くにいるとすごい妖気を感じる。

うわ、思い出すだけで寒気が……


「ま、魔王様?」


メイドのミヤコが心配そうな目で見てきた。

表情に出してしまったか…

額に冷や汗が伝っていた。

右手で拭う。

もし、リューネを嫌いな事を知られるとリューネに情報が行くはず…

頑張ってごまかさんと… 気付かれたら俺死ぬぞ…


「すまん、ちょっと考え事をな…」

「そうですか、なら続けます。

式は春の7日がいいとおっしゃっています。」


よし、良い感じにごまかせた!

…って、

式って結婚式だろ!

いつからそんなに話進んだ!!

俺はリューネ大っ嫌いだし……

好きなやつがいる!!!

もう、婚約は破棄させてもらうぞ!!!

ふぅ、と、一呼吸し、腹を決める。


「ミヤコ、婚約は破棄させてもらう!」

「………は?」


よし、言った!

じゃあな!リューネ!!

俺は、好きなやつと一緒になるんだ!


「あの、魔王様?」


ミヤコは訳が分からないらしい、

目は驚愕の色に染まっている。

『婚約破棄』の言葉が、ズッシリとミヤコにのしかかっているらしい、

それもそのはず、ミヤコはリューネの親友であるからだ。

「元君主であり、親友である人の恋を応援するのは当然です!」

と、前に語っていた。


「結婚相手ぐらい、俺が決める。」

「う、えぇ!? あ、ですが!

そろそろ結婚しないと…フェイン様が怒ります!!」


まだ、足掻くのか?

俺の母を使ってまで、俺とリューネを繋ぎたいのか

フェインとは、俺の母親だ。

もう、寝たきり状態だが魔族の中では最強。

最近になって「早く結婚しろ」と言うようになった。

そして、タイムリミットも掛けられた。

冬の17日、因みに、今は秋の6日

そろそろマズいと感じていたが、都合良く好きなヤツができた。

これで、大丈夫だ。

リューネとはサヨナラだし、母親やミヤコ、皆を黙らせることが出来る。


「もう、俺は……俺に戻る。」

「…え?」


俺は、ポツリと呟いた。


俺は踵を返し、街で会った女、ナギの元へ歩いた。

長く、美しい金髪。

輝く、明るい碧の瞳

真珠のような白い肌

柔らかい笑顔

暖かな声

全てに、俺は惹かれた。


「ナギ」


静かに、名を呼ぶ。


「うあ、ふぁ、ふぁい!?」


考え事をしていたのだろう、俺の声で我に返ったらしい。

急いで上げた返事は裏返っていた。

本当に面白い女だ。

俺は心から笑みを浮かべた。

もう俺の心はお前の手中にある。

ふふ、今まで被っていた仮面は、もう壊してもかまわんだろ

愛されるため、恐れられぬために、

俺は自分を殺し、善人の仮面を被っていた。

だが、善人でなくとも、ナギ、君は俺を愛してくれるだろう?

俺が、君を愛しているのだから


「ナギ、結婚してくれ」

あーあ、だんだん狂気じみてる…


誤字脱字がありましたら指摘していただけると嬉しいです。

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