表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/37

魔王

「ふー、ご馳走さんした!」


スタルに奢ってもらってパスタ食べたよ~

うん。美味しかった。


「いや、ホントありがとね

あんたに会わなかったら行き倒れるトコだったよ~」

「行き倒れ…か…」


そりゃ、あたしはこの世界を知らないし無一文だし…

あ、そういえば元いた世界でのあたしは死んでたんだよね

お墓は丸い形がいいなぁ~

誰かが墓石の角に頭ぶつけてご臨終ってことにならない様に

ぼんやりと、物騒な事を考えていると

強い風が吹いた。


「うひゃ!」

「!?」


うわぁ、右目に何か入った…ん?

スタルのフードが風によって外れた。

今まで見えなかった顔があらわになる。

美しい黒髪に血のように赤い瞳

イケメンだった。

んでもってあたしのタイプだった。


「えっと……

ナギは…そんな姿をしていたんだね」


…ん? あたし?

スタルの目は揺れていた。

フードが外れた事に動揺しているらしい。

知らないけど


「あたしの事見えてなかったの?」

「顔が見えないように目深に被ってたら

下しか見えなくってな…」


自嘲ぎみな笑みをスタルは浮かべる。


「えーと、ナギはこれから行くとこがあるのか?」

「な、無いよ。うん。」


あー、なんか情けなくなった…

本で読んだ主人公達は居場所が在ったのに…


なんだ、あたしってなにも無いんだ…


ふと、前の世界が恋しくなった。

ホームシックって言うのかな?


「無いなら…その……

俺のとこに来い」


遠慮がちな誘い

……え?…

一気に現実に引き戻された

「俺のとこに来い」とか、恋愛フラグ? どこの少女漫画だよ!

でも行くね、二次元のイケメンとの同居とか、夢だろ!!

ん? そういえばここって二次元じゃなくって異世界か

あ、回答してない…


「そっちがいいなら喜んで!」


スタルはふっと笑った。


「魔王様ぁぁぁぁぁぁ!!」


一人のメイドが走って来た。

狐のような耳としっぽがあるのでおそらくは魔族だろう。

ちゃんとした魔族(?)は初めて見た……

……………!?…


さっきこの子スタルはのこと「魔王様」って!!!


「ミ、ミヤコ…」

「魔王様! 何も言わずに外出するのはおやめ下さい!!」


また魔王って言った!

スタルって魔王様なの!?

あたしの前に現れたイケメンな青年は

実は魔王様だったらしい


ん?「俺のとこに来い」をあたしって肯定したよね

……大変だぁぁぁぁ!!!


「とりあえず、帰りますよ!

縁談がある………」


メイドさん…もとい、ミヤコさんはあたしに気付いたのか

言いかけた言葉を消し、愕然としているあたしを見る。


「えっと……こちらの方は?」

「さっき知りあったヤツで…ナギという女だ

城に戻るんだろ。俺はもう行くぞ。」


スタルは歩き出した。

戸惑いを隠せない様子のミヤコさんもそれに合わせる。


「おい、ナギ!」

「ふ、ふぇ!!」


なんか変な声が出た。

く、空気読もう!

説明は後でして貰う!!

誤字脱字がありましたら、

指摘していただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ