出会い→黒歴史
わぉ~でっか~い!
現在、ダルキメスの城下町にいます。
国境はどっかで越えて、城下町には適当な検査(持ち物検査みたいなやつ)を受けて入りました。
うん。なんだろ、魔族の国って聞いてたから入国検査厳しいのかな~って思ってたけど…
そんな事なかったね。
それに、町の人は皆魔族かな?とも思ってたけど…
人間もチラホラいるみたい。
なんかイメージと大分違う…
[そやな~]
あれ、あんたここ来たの初めて?
「せやな。基本、わては巫女はんが召喚された部屋から出た事ないねん」
ふーん…
で、とりあえずご飯食べたい
[金ないやろ]
うぅ~、それは言わないで……
一応、街の入り口でつっ立ってるのもアレだし…歩きますか!
きっと明日は筋肉痛だ~
酷使しすぎた足を無理やり動かして歩く。
いや~まさか異世界に来て
お金無し&疲労に悩まされるなんて……シビアだなぁww
[これが世界っちゅーもんやろ]
ぬぅ…
ドン!
「あっ…!」
誰かにぶつかった。
コントラットとの話に集中しすぎたようだ。
「ご、ごめんなさい!」
ぶつかったのはあたしとは対照的な黒いローブの人だ。
フードを目深に被っているので顔はわからない。
背はあたしよりも高い。
男の人かな?
「いや、こちらも前を見ていなかったからな…
すまない。」
声からして男だった。
予想的中!!
とういかマジイケボじゃん!
名前聞いとこう…
あ、名前聞く時は自分からだったね
「あたしは…」
……センリじゃだめだよね
追手さんに見つかるかも…
偽名使おっと!
いや~まさか偽名を使う事になるとは…
思ってもなかった…
んー、センリから…セナ?
ありきたりだな~
セナ…ナ、ナ…ナギ!
あれ、しりとり…ま、ナギでいいや!
「ナギっていうの
あんたはなんていうの?」
「え…あ……ス、スタルだ。」
スタルは少し、迷うようなそぶりを見せた。
が、あたしはそれに気付かなかった。
スタル…なんかカッコイイ!
そうだ、ここに住んでる人なら土地勘あるよね
道教えてもらおう
というか働き口教えてもらおう。
「ねぇ、スタルはここらへんに住んでるの?」
「あぁ……よかったら案内しようか?」
よしっっっ!なんかラッキィィィィ!
[み、巫女はん…?]
コントラット、黙って。
[………]
コントラットに黙って頂いた所で、スタルと歩き出した。
ふふふ、イケメンと散歩だぜぇー
「ナギは…何処から来たんだ?」
「ん?えっとね…イエルスから来たの」
「イエルスから……」
あれ?マズイ事言ったかな?
「そんな遠くから一人で……」
あ、良かった。マズイ事じゃなかった。
「イエルスが出身地なのか?」
え、どーしよ…『日本』なんですけど。出身地。
イエルスって言った方がいいのかな?
でもイエルスについて全く知らないからな~
一応日本って言っとくか
「東の小さな島国が出身地でーす。」
「東の島国?……どうしてここに来たんだ?」
うわー、質問攻めじゃん。
でも答えるー
「んとね、イエルスに連れてこられて逃げて来たの。」
※マジです。
「そう…なのか……」
ははは、調子に乗ってマジな事言っちゃった。
だけどこれでもいいよね。
ウソつかなくていいもん
その時、腹から生理現象が発生した。
ぐぅ~
……………おー…のー……
「ぶっ!……」
あぁ…スタル、笑わないで…
恥ずかしい……
顔が真っ赤になった。
「腹減ってるなら…
良い店教えてやる。」
ぐぅ~
…あ……
「…!……腹で返事か…」
スタルは肩を震わせている。
「うぅ…笑うなー!」
横に見えたスタルの肩をたたく
「あ、悪い…
お詫びに奢るから許してくれ!」
たたく力がだんだん増して行った時、スタルは謝ってきた。
やった、ラッキー!
つか、まだ笑ってんじゃん!
誤字脱字がありましたら教えてくださると
ありがたいです。