フラグありがとう
「私を… 裏切りましたね」
「っ?! 違う!! 違うんだ!」
……誰?……
目の前にぼんやりと、男性が映る
切迫詰まったような表情
どこかで見たような顔
「あぁ!? なんで!!」
男性はあたしに背を向けて声をあげた
すると、その奥にいた男が疑問の声を上げた
「なにを言っているのだ?
これは彼女の存在を知られぬようにするためなのだ」
「だからって何故! 何故こんなことを!!」
男性は別の男と会話をしている
あぁ、だめだよく見えない
何故か、あたしの目の前は青いガラスでもはられたように青く、ぼんやりとしている
体を動かそうとしても無理だった
それにしても、もう一人女性がいるはずなのに
彼女はどこにいるのだろうか?
必死にあたりを見回すが彼ら以外には見当たらない
「…っ!」
女性が苦しげに呻いている
目の前のガラスの青さが強くなり、体が締め上げられるような感覚があたしを襲う
まさか、あたしは女性視点で夢でも見てんのかな?
「?! ×××!!」
……え?…
今……なんて…
男性はこちらに駆け寄り、必死にガラスを砕こうと拳を叩きつける
しかし、ガラスはびくともしない
「待っててくれ!
いつか必ずお前をそこからだしてやる!!」
そして、ぼやけた視点の中心で
男性は手を胸に当てると
刹那、血が吹き出した
「お母様?」
「母様?」
不意に、両脇から可愛い声
サンとルナだった
あ、そういえば
庭で寝てしまったサンとルナをベッドに寝かせ、フォルの仕事を手伝いに行こうかなと思って寝ちゃったんだ
なんか、夢を見た気がするけど…
あー、思い出せない
ゆっくりとベッドから腰を起こす
「サン、ルナ どうかしたの?」
サンとルナは顔を見合わせ、
そっと一冊の本を差し出した
「絵本読んで」
サンは小さくつぶやく
あたしはにっこり笑って引き受けた
しかし、読み始めて数分
部屋のドアがたたかれる
「ちょっとごめんよ」
ベッドからでてドアを開く
汗ぐっしょりのアンナさんだ
「え?! アンナさん?!
どしたの? 大丈夫?」
次々に言葉をぶつけるがアンナさんは答えず
喉の奥から必死に声を絞り出した
「人間が、勇者を、召喚し、ました…!…」




