どうやらオレは異世界で勇者らしい
「はぁ…」
死んじゃったと、ため息をついたところで違和感に気づく
オレは白い床に
トラックに轢かれ、吹っ飛ばされた体勢で寝かされていた
「あれ?」
体を起こして首をひねる
オレ死んでない?
むしろ生きてる?
キズひとつ付いていない体
気慣れた黒い制服
それらを怪訝に眺める
すると
「ようこそ! 勇者様!!」
「え?」
いきなりかけられた小さな子供の声
見上げればサイズの合わない
トランプの王様を思わせるような服の小学生ぐらいの男の子
「誰?」
すこし、ひきぎみに尋ねると
自己紹介がまだでしたねと、男の子は舌足らずに言う
「イエルスの国王、ウィーダと申します
以後、お見知り置きを」
ウィーダ?
女の子みたいなかわいらしい名前に首をかしげて本題に入る
「勇者ってなんのこと?」
尋ねるやいなや、ウィーダは切羽詰まったように早口言葉で喋りだした
「お戯れを、勇者とは紛れもないあなた様のことにございます!」
「い?」
「私達人間は非力で無力!
魔族の者には到底かないません! ですから、勇者様
私達はあなた様を召喚したのであります!!」
うわー、舌足らずなのに早口とか
必死に解読した
勇者は…… オレで…
召喚された…?…
考える、つか考えろ
なんだこれ、異世界召喚モノかよ
苦笑を浮かべつつ素直に状況を受け入れる
適応力は高い方だ、オレならいける
「つかさ、なんで勇者が必要なの? 魔族ってなに?」
とりあえず勇者になることを視野に入れて考える
剣とか魔法モノとかの異世界に来たんだから
楽しみたい
ウィーダは待ってましたとばかりに口を開く




