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雪ってね、便利だね

「ナギ様、起きてください 朝ですよー」

「うへぇ……」


ラッキースケベ事件から数日後


アンナさんの声で目が覚めた

「ねむいー、めぬいー」と呻きつつピンクのベットから上半身を起こす


「おはようございます、ナギ様」

「ほ、ほはよー……」


あ、だめだ。 眠すぎて喋れない

目を擦って必死に目を覚まそうとした

だが、瞼は重かった


開けては閉じを繰り返す


「オメーのご主人さまは随分と朝に弱い…… zzz」


声のする方に目をやると目から下がベットの影に埋まっている赤華さん

あんたも朝に弱いわ

喋りながら寝る人なんて初めて見たよ


因みに、赤華さんって実はこの国の3番目にえらい軍の人らしい

人はみかけによらないってね


「ふぁ~あ……」


背筋を伸ばして伸びをする

あ、お腹すいてきた


「そうだ、ナギ様」

「ん~?」


ハッとなったようにアンナさんはあたしに問いかける


「今日の衣装です!」


満面の笑みでアンナさんが取り出した、というかさっきから手に持ってたっぽいのは

ゴスロリ風の黒ドレス きっとアンナさんは着せ替え人形感覚であたしの服選んでる


そういえばの話だが、あたしのこの優遇さはもちろんフォルのお陰で

公には『魔王様の友人』というあつかいなんだそうな

具体的にどういう人か知っているのは

アンナさんに赤華さん、フォルと影の薄くなったミヤコさんだけらしい


金碧カラーということもあるし、魔王様が求婚までしちゃった人間だもの

そうなる筈だわ


アンナさんに促されてベットから鏡の前に移動して着せかえられる


その後、朝ご飯を食べて外に出ました

なぜなら……


「雪ぃぃぃぃぃぃぃ!!」


外は一面雪景色だったのだ

遊ぶぞーーー!!

ゆきだるまああああああああああああああ!!


17歳程の容姿で雪相手にはしゃいでますけど、精神年齢は中二なんで許して下さい


「雪だああああああ!!」

「ナ、ナギ様?」


アンナさんが驚いている

今までの落胆ぶりを目にしているのだからそりゃ驚くわな


だが全く気にしないあたし、

小さな雪だるまを二つ作った へへ、うまくできたー


ちょこん、と小さな雪だるまを手に乗せる


「ほらほら、アンナさん!! かわいいでしょ!!」

「え!? あ、はい!」


むふふふふ

雪っていいな~

だんだんと雪だるまが溶け出し、手がびしゃびしゃなのはきにせず、

地面にリリースして新しいのを作りだす


今度は大きいの作ろうー♪


「なんだなんだ、楽しそうじゃねぇか」

「あ、赤華さん!」


あたしの体温で溶けかけた雪だるまの影から、赤華さんが顔を出した


「嬢ちゃん、雪は初めてか?」

「こんなに積もってるのは初めてなんだ~

あ、雪合戦ができるよ!! やろうやろう!!!!」


死ぬまでに一度はやりたかった雪合戦の存在にはハっとなる

まぁ、もう死んだけどね


大きい雪玉をかさねつつ、苦笑を浮かべた


「なぁなぁ、雪合戦ってなんだ?」


赤華さんが尋ねた


「え? 雪玉ぶつける遊びだよ」

「あぁ、あれか……」


なんだ、この世界での正式な名前はないのか

見つけた小石で大きな雪だるまの目を作りながら口開く


「あたしの国ではそう呼んでるの

昔、剣も折れて矢も無くなったから雪玉ぶつけ合って戦ったってことから

そう呼んでるらしいんだ~」

「武器が雪玉って…… いい大人がそんな事するなんて滑稽だな

平和でいいけ……… いだっ!」


突然、赤華さんの後ろで雪玉がはじけ飛んだ

赤い髪に白い雪がまとわりついた


え!? なになに!!!???


「ナギ様の国では雪合戦と言いましたっけ……

初めてやりましたけど、結構楽しいですね」


犯人はアンナさんでした

ちょ、アンナさん? こわいよ


「えーい!!」

「おい!! アンナ!! 「えーい」じゃねぇ!!

痛い痛い!!!」


しばらく夫婦漫才を見続けましたが、二人とも疲れきってゼェゼェと

肩で息をついた


「あ、洗濯も、の干しっぱ、なしでし、た……」

「会、議、忘れ、てる……」


だが、仕事という物が在るらしく、

「もうし、わけ、ありません」と帰って言った


ぼっちになったよどうしよう、と、

再び雪だるまをつくろうとした……が、


「あぁ~、貴方なの?」

「ワッツ!?」


雪だるまの形状を整えていると

女性の声が聞こえて来た

誰もいないと思ってたからね、びっくりした


思わず雪だるまの後ろに身を隠す


振り返るとまず巨乳


「ぶぼわぁ!?」


その人は何とも美人な女性で

銀色の髪に紫水晶の瞳、肌は褐色で耳は尖がってる

で、巨乳 なんつーグラマーだよ


「で、貴方なのって聞いてるの!」

「え!? ど、ゆことッスか!!」


目の前の美人に身を縮める

フード被っててよかったわー


「だーかーらー、魔王様をたぶらかした泥棒猫は貴方なのかって聞いてるの!」

「ど、泥棒猫って……」


おい! 美女!! 全世界の猫に謝れ

そんな事言ったら猫ちゃんが泥棒みたいになるじゃないか!!


「ふーん、そーなんだ」


全世界の猫ちゃんに思いをはせていると

美女はあたしに近付き、上から下までを見下ろすように品定めしていた


こっち見んな美女! 怖いから!!


そしてあたしの胸のあたりを指さした


「たいしたこと、ないじゃない」


ちょ、てめぇ!!

いきなり来てなんだよそれ!!


流石のあたしもイラッっときた


あたしは小さくない!

美女のが大きすぎるだけなんだ!!!


正直、容姿か胸か

どちらを「たいしたことない」と言ったのかはわからない

でも胸に意識が集中した


「たいしたことなくてすみませんね!!!」

「あらぁ? わかっているのならいいのよ」


あ、アンナさんと赤華さんの関係ってこんな感じなのか


「とりあえず、魔王様は私の者だから

そこのところは忘れちゃだめよ」


そう言うと美女は足早に立ち去って行った


それが言いたかっただけですか!!!


不可解な点がありましたら、バシバシ言っちゃってください

お願いします

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