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暗殺者

続きだよー

正体不明の男は、おそらく暗殺者だろう。

狙いはナギ

誰に雇われたかは知らない。だが、

彼女に害を与えるのならば…


腰に差した剣に手を伸ばす。

そして、一言呟いた。


「殺す」


暗殺者と間合いを詰める

相手は小型のナイフを構えた。


俺は暗殺者の目の前で飛び、後ろに着地

そして、振り向き様に斬りつけた。


「ぐ!?」


暗殺者はうめき声を上げ、その場に伏せた。

血が掛かったために、お気に入りの黒い服が汚れてしまった。

ローブを着ていればよかったのに……


少し、後悔した。

剣を柄に納め、踵を返す。


「フォルスター! 矢刺さって……うわ!?」


こっちが行くつもりだったのに、

ナギがこちらに走って来た。だが、転んだ。


「ナ、ナギ……大丈夫か?」


笑いがこみ上げて来たが我慢した。


「うぅ~、マヌケでごめんなさい!!」


パッと立ち上がったナギは俺の近くに来て、噴水の淵に座らせた。

よほど恥ずかしかったのだろう。顔が赤い


「あ~……矢刺さってる………」


遠慮がちに掛けられた声

え? 矢刺さってるのか?

刺さっているのであればどこかが痛いはずだ、だが何も感じない。


「え? あ、ちょっと待って」


チクリ、と、右肩に痛みが走った。


「ほれ、結構深く刺さってたよ」


ナギの手には矢

矢じりには血が付いていた。

たぶん、ナギを庇ったときに刺さったのだろう。

気付かなかった。


「治療するからジッとしててね」


右肩にナギの手が重ねられた。

白く、淡い光が傷口を覆った。


……光…魔法?


「ん…これでよし!!」


傷はふさがり、残ったのは血の生温かさとナギの体温


「服は後で縫ってもらいなよ

あたしは裁縫苦手だから」


ナギは屈託のない笑みを浮かべた。

相変わらず可愛い。


よく考えると、先程庇っていなかったらどうなっていたのだろうか・・・・

まぁ、無事だったのだからいいか


不吉な考えを振りはらい、

倒れている暗殺者に目を向ける


さて、あいつはどうするかな・・・・

ナギを殺そうとした奴だ

そんな奴には・・・ 


暗殺者の処分

未遂に終わったのだし、今までならば投獄だけで済むが・・・・・・


消えてもらおうか


ふと、今までの自分の流儀に反す考えが浮かんだ。

だが、もう遅い。


俺はゆっくりと立ち上がった。


「え? フォルスター?

どったの?」


疑問の声が掛けられるが、見ていればわかること

返答をせず。暗殺者の方へ歩いた。


「フォ、フォルスター?

おーい?」


ナギは聞こえてないと思ったのだろうか

俺の周りを回りながら

「どったのー?」と呟いている

挙句の果てに、至近距離で手を振り始めた。

かわいらしいので眺めていたいが、

今は掃除の時間だ。


「ナギ」

「うっあ! え!」


名を呼び、振られている左の手首を掴む

思っていたよりも華奢で、力を入れれば折れてしまいそうなほどか細い

いきなりの行動だったので驚かせてしまったようだ。

意味のわからない声を上げられた。


「ちょっと、待っててくれ」


笑みを浮かべ、手首を離す。

その場を離れてもナギは先程の体制で静止し続けた。

まったく、おもしろい女だ。


暗殺者の元に辿りつき、見下ろした。

息をしているようだ

いつかまた、ナギに危害を加えるかもしれないそれに

俺は呟いた。


「ゴミは、早く処理しないと…ね……」


ゴミの喉を、手刀で貫いた。

手にはぬったりとした血の感触


手を抜く

ゴミは完全なゴミとなった。


誤字脱字がありましたら

指摘してくださるとありがたいです。

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