ヤンデレ疑惑の魔王様
「お友達から始めよう!!!!」
と、言ったのはいいけど……
現在、城下町の喫茶店にいます。
何故いるかと言うと、
魔王様がね、あたしの手を引っ張って連れてきたんスよ
なんで!?って感じよ。あたしとしては
なんでだろ?その場の空気に耐えられなかった系?
気まずかったもんね
ミヤコさんは呆然としてたし
あたしはプロポーズを断ったし…
あたしが魔王様の立場だったら逃げるはず……
「…ナギ」
「へ!?」
いきなり、話し掛けられた。
びっくりするんですけど!
「ちょっと、ごめん」
あたしが着ていた白いローブのフードが、いきなり視界を遮った。
「ちょ、何!?」
パニくるあたしに、魔王様…フォルスターはそっと耳打ちをする。
今回はフードを被っていない。
「ナギのこと、みんなが見てる」
ち、近い!
息がかかる!!
………ん? 「見てる」?
フォルスターの言葉を聞き、辺りを見回す。
男はあたしを見て、女はフォルスターを見ていた。
あたしの事睨んでる人もいるけど…
そっか、召喚されたから姿が変わったんだよね。美人になってるもん
睨まれてるのはきっとあたしがイケメンの近くにいるからだよ!
勝手に、結論を付ける。
ホラ、こういうパターンよくあるよね! 小説とかで!
「いや、別に見られてもいいよ
気にしないもん」
本音です。
どーでもいいもん
フードのせいでフォルスターの目が見えず、表情はわからないが
何か言いたげに口を開いたり閉じたりしている。
「その…、俺が………」
「?」
なによ、言いたい事があるなら言ってみなさいな!
フォルスターは少し黙り、それからゆっくりと口を開く
「ナギを他の男に見られるのが嫌だ。
だから、フードを被っていてくれ」
……誰かに言って欲しかったセリフキターーーーーーーーーーー!!!
「他の男に見られたくない」系のセリフは神!!
ひゃっほおおおおおおおおおお!!
うれしさと恥ずかしさで表情がゆがむ。
フード被ってて良かった…
でも、なんかフォルスターヤンデレ化してない?
気のせい?
「ナギ?」
「ん? あ、ゴメン!
フードは被っとくよ。うん。」
前が見にくいのは気にしないでおこう
「俺以外の誰かが居る時は、フードを被っていてくれ
いいな?」
「うん、わかった。」
なんでここまで言うのかな?
『他の男に見られたくない』以外の理由があるのかな?
聞いてみるか…
「ねぇ、フォルスター
フードそんな重要なの?」
「え?あ……
話すと長くなるぞ? いいのか?」
「べつにいいよ
説明よろしく!」
誤字脱字がありましたら、
指摘していただけるとありがたいです。