脳内での基準 現実<異世界&自分の喜怒哀楽が分からない
ナギ視点
パニック注意←何
「ナギ、結婚してくれ」
………はい?…
今何とおっしゃいました? えぇ?
意味わかんないんですけど、
唐突に、スタルがなんか言った。
「ねぇ、スタル悪いんだけどもっかい言って
意味わかんないから。」
スタルはじっとあたしを見てくる。
うん、イケメン
だが、先程までとは違った。
なにが違うって?
いや~ よくわかんないけどなんか違うの
あ、目の色だ。
『血のように赤い』じゃなくて、もう『血』だよ。
『血みたいに赤い』…なんか怖っ!
いつのまにか、元の世界への執着は消えていた
消えていた事にさえも気付かない。
「ナギ」
うん。なに? なんです?
「悪いが、俺はスタルじゃない
ダルキメスの国王、簡単に言えば…魔王だ。」
うん。ミヤコ言ってたもんね「魔王様」って。
あたしはあんたが最初に言った言葉が気になるんだよ!
「ドユコト?」
「えーと…」
説明する事が難しいのか、頭で必死に文を考えているらしい。
目が泳いでいる。
「その…スタルは偽名で、
本名はフォルスター
魔王を…やっている。」
最初の一言については何も言わんのんかい!?
[あの~、巫女はん?
ちょっと落ち着きいや……]
コントラットが遠慮がちに声を掛けてきた。
そういえば「黙れ」って言ったよな~
忘れてた。
[忘れてたって…巫女はん……]
うわ、マジごめん
コントラットとグダグダ話していると、スタル…じゃなかった
フォルスターはあたしの前に跪いた。
んで、右手の甲にキス
……………………………な、え!?
えーと、え……
顔が真っ赤になる。
は、恥ずかしい!!!
うわわわわわわわわわわわわわわ!!!
えーと、えーと…
オーストリアの劇作家フランツ・グリルパルツァーの『接吻』で
て、手の甲だと敬愛……
敬愛されても困る…
ん、あれ?元ネタ(?)違ったっけ?
どどど、どーでもいいや…
あぁ~脈が無茶苦茶うるさい!!
くどいぞ、脈!!
「それで…ナギ、結婚してくれ」
はい、本題キターーーーーーー!!!
『結婚』!?
あたしにどーしろと!?
あ、承諾プリーズか
プロポーズされてるんだから
自分アホwww
…って、プロポーズなんか初めてだよ!!
どないせーちゅーんじゃあああああ!!!
自分で自分の首を絞めるとは、つまりはこういうことだろう
自らの生みだす考えに、あたしは溺れていった。
んーっと、えーっと…
とととと、とりあえず、別には結婚してもいいけど
いや、だってイケメンじゃん
…あたしはどれだけ面食いなんじゃあ!!
へ、返事を考えよう。うん。
目の前には跪き、あたしの右手をとったままの魔王様がいる。
やめてー!こっち見ないでーーー!!!
恥ずかしい!!!!!
へっ、返事は……
YES or NO
の二択なんだ!!
テストより簡単、
六択じゃないんだから!!
ホラ、六択の問題がズラーって並んだテスト、
感だけで90点取れたでしょ
頑張れ、センリ!
この時、本名=センリという事を思い出した。
名前忘れんな自分!!
さて、本題だ。
文は整ったから後は言うだけ!
ふぃーーーーー!
呼吸と脈を整え、キッとフォルスターを見る。
「う、嬉しいんだけど…
なんというか………あんたはあたしの事を
よく知らないでしょ
最初に会った時に色々言ったけど…嘘の可能性も否めない
もしかすると他国からの密偵だったりするかもしれないじゃない?」
あ、ダメだ
本心言ってるだけなんだけど
何言いたいか一瞬で忘れる。
フォルスターを見る。
少し、驚いているようだが、ちゃんと話を聞いてくれている。
「その………まぁ、密偵とかじゃなかったりしても、
性格最悪だったり、かなりの浪費家だったりしたらどうすんの?
あんたの人生お先真っ暗よ。
だから……………」
どーしよ、なんて言おう…
コントラット、何て言えばいいかな?
んとね、あたしは卑怯です。
邪魔者扱いしてる人を都合のいい時だけ利用します。
[せやな~]
コントラットは明るく、呑気な口調で答える。
[友達から…とかどうや?]
はい採用サンキュー!!!
「お友達から始めよう!!!!」
誤字脱字がありましたら、
指摘していただけるとありがたいです。