楽しみを前にしてグチャッは酷いよ
恋愛ものです。
暇つぶしにお使いください。
不定期更新です。
流血表現を含みますのでご注意ください。
8月6日、蝉の声が耳障りな音を立てる。
「んーと…」
あたし、『進堂 千里』はリビングの中心であたりを見渡す。
「クーラーよーし」
テーブルのリモコンの設定温度を見る。
18度、エコじゃない!
でも変えない!
「菓子よーし」
リモコンの横の皿に大量のポテトチップス
太るわぁーww
でもやめない!!
「イヤホンよーし」
テレビから延長コードで繋がっている黒いイヤホン
1900円ぐらいしたらしい
貰いものだから知らないけどねww
「ふふふ、全部よーし」
張り切ってソファーにダイブする。
ゲームする準備終了!
張り切ってプレイスタート!
うふふふ…この日をどれだけ待った事か……
この日(ゲームの発売日)の為に夏休みの宿題全部終わらせたんだから
ゲーム機の電源を入れる為、専用のリモコンを手に持つ。
あ、今思ったけどあたしの家リモコン多いよね
クーラー、テレビ、ゲーム機、部屋の電気、4つもあるじゃん!
何で!
あ、でもどーでもいいか!
リモコンにまつわる考えを頭から消し
リモコンのボタンを押した瞬間、
「うわ!?」
耳をつんざくような轟音が聞こえた。
窓の外を見ると庭のブロック塀が崩壊し、赤い塊が迫っている事を理解した。
「な…え!?」
家の窓をぶち破ってそれは物凄い勢いで突っ込んできた。
ガラスの割れる音が耳を圧する。
目に映る光景全てがスローになった。
運悪く、ソファーは窓の近く、窓の破片が腕や、顔に刺さる。
鋭い痛みとはこのことだろう。
「……!!!」
そして、赤い塊の正体を理解できぬまま
あたしはそれに轢かれる形で血に伏せた。
痛みに襲われながら、もうろうとする意識の中で
あたしは死ぬんだ
ただ、そう思った。
人間、このような状態になると
生への執着はゼロになるらしい。
『死にたくない』とか思わなかった。
未練は…ゲームが出来なかったことだけだ。
誤字脱字がありましたら指摘していただけると
嬉しいです。
これからよろしくお願い致します。