第40話 ラブレスィブ⑥ とあるイベント
※まえがき
途中から三人称です。。
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イヤルテが語ったラブレスィブの秘密を、私はラミュたちに伝えた。
しつこいくらいに問い詰めてきたからだ。
宿に戻り、少し横になる。
メディスンたちは同じ宿の別の部屋を借りている。
いつまでいるんだか。
さて、面倒なのはここからだ。
「フユリンさん、まさかレスィちゃんをゴブリンにするつもりじゃないですか」
ほら、フェイトが想像通りのセリフを吐いてきた。
「どうかな」
「レスィちゃんは何も悪くないです。呪いを解く方法を一緒に考えませんか?」
「まずはお前から案を出してみろ」
「フユリンさんの話を聞いて、その呪いに覚えがある気がするんです。この世界で勉強したことなのか、はたまたフェイトとしての記憶なのかは、定かではありませんが」
「そうか」
「気になるのは、呪いが世代を渡って『徐々に強まる』という点なんですけど、きっと常に何かを取り込んでいてーーーー」
そういえば、ラミュの家で数日過ごしたときも、こいつは書斎で本を読んでいた。
とにかくたくさん、この世界の知識を蓄えたいのだろう。
勤勉なやつだ。
「聞いてますか? フユリンさん」
「あぁ、良い作戦だな」
「もう!! 私一人で考えます!!」
まったく、相変わらず大人しいフリして頑固で意地っ張りなやつだ。
今度はラミュが私の腕を掴んでくる。
「フェイトさんの言う通りですよぉ。さすがに可哀想過ぎますってぇ。悪役令嬢協会は絡んでないみたいですしぃ」
「街の人たちのことはいいのか?」
「それは……」
「はぁ……お前たち、そもそも根本的に一つ間違っているぞ」
「「?」」
「あいつらの話が本当だって確証が、どこにある」
おそらく、呪いの件は本当だろう。
しかし税金のほとんどを薬代に使っているとか、ラブレスィブの体調のこととか、正直眉唾物だ。
食堂で倒れたときだって、アイセントが体温を測っているわけだし。
仮にすべてが本当なら同情の余地はあるが、まずは確かめる必要がある。
悪いが、私は猜疑心が強いんだ。
「今夜、屋敷に忍び込む」
結界が張られているのは承知している。
故に、屋敷から出る際に細工をしておいた。
結界の一部に私の魔力を埋め込んだのだ。
あとはパニッシュメント・バインドの要領で、魔力を円状にして無理やり結界をこじ開けるのだ。
たぶんバレていないだろう。
フェイトが、スッと踵を返した。
「私は、もう少し街の様子を見てきます。なにかわかるかも」
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※ここから三人称です。
フェイトとラミュは宿から出て、街をぶらぶらしていた。
とくに目的があるわけでもない。ただ、じっとしていられなかったのだ。
「ラミュちゃんは宿にいていいんだよ?」
「いえいえ、フェイトさんを一人にはできませんってぇ」
「ふふ、ありがとう」
それにしても、街に人の気配がない。
夕方だから、家でゆっくりしているのだろうか。
街の人も、ラブレスィブたちも、どうにかしたい。
だが、肝心の方法がまったく思いつかない。
「レスィちゃんの呪い、覚えがあるのに……なんだっけ……」
「なんか静かですねぇ。実はみんなして逃げてるんじゃないですかぁ? 他の街へ」
「必要最低限の食料しかないのに、大人数でそれは無理だよ。雪がすごいし、夜になればもっと気温が下がる。おまけに他の街までかなり離れているもの。たとえ地元民でも、何人かは凍死しちゃう」
さしずめ、豪雪の監獄だ。
フェイトたちでさえ、フユリンが発動した炎系魔法がなければここまで来れなかった。
結局、日が暮れてしまった。
そろそろフユリンは屋敷に侵入するだろうか。
急いで止めないと、本当にラブレスィブをゴブリンにしかねない。
「カトレア様の冒険を思い出しますねぇ。ゴーストタウン編。ホラーチックでよく覚えてますよ。寝る前に読んじゃってお漏らししちゃったんですよねぇ、へへへ」
「え?」
「あ、これ内緒ですよぉ? 私が一昨年までおねしょしてたこと」
そんなカスみたいな情報はどうでもいい。
肝心なのはその前だった。
「カトレア……」
瞬間、フェイトの脳内を閃光が駆け巡った。
「そうだ、ティアだ」
「へ? ティア? カトレア様の友人の? これから会う予定の人ですか?」
「ティアは、とある街で呪いを打ち払った。そこで新しい男性と出会う。……そういうイベントがあったはず!!」
「???」
「この世界では、カトレアと払ったことになっているけど、そのイベント内の説明で、言っていた……そうかっ!!」
「え? え?」
「いますぐフユリンさんのところへ行こう!!」
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※あとがき
フェイトってハンターハンターなら絶対強化系ですよね。
応援よろしくお願いしますっ!!




