表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/74

第27話 ラミュ⑥ めちゃ可愛い

※あとがき

一人称です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 クロードが死んだ。

 ラミュを苦しめてきた元凶が。

 メチャカワイイ家をぶっ壊した悪魔が。


 ふと夜空を見上げれば、雨はすっかり止んでいた。

 もうじき星も姿を見せるだろう。今日が新月なのが残念だ。


 ラミュの家族が震えてしゃがみ込む。


「な、なんてことを……」


「我々はこれからどうすればいいんだ!!」


「ラミュ!! キサマよくもクロード様を!!」


「ぶっ殺してやる!!」


 洗脳は魔法によるものではないから解除できない。

 仮に解除されても、自分たちがしてきたことを思い出して自死を選ぶかもしれない。


 可哀想だが、ラミュの家族はもう……。


「フユリンさん」


「フェイトか」


「ラミュちゃんのためになるかわかりませんけど、一つだけ方法があります」


「?」


 フェイトがラミュの家族たちを指さした。


「記憶を消します」


「できるのか?」


「ここにくる前に、小学校の図書室に寄ったじゃないですか? 私も通っていたので、もしかしたら以前のフェイトが学習しているかもと思ったんです」


 なるほど、教材か何かを読んだわけか。

 それで、自分が記憶操作の魔法が使えることを思い出した。

 ゼロから学習するより、学んだことを掘り起こす方が早いわけだ。


「クロードの記憶だけを消せるのか?」


「それは不可能です。限定的過ぎますし、仮にクロードの記憶を消したとしても、誰かを信仰していた記憶は残ります。狂わされた人格までは、戻りません」


「では……」


「三年間すべての記憶を消します。人生をリセットするんです」


「そうか」


 妹と抱きしめ合っていたラミュがこちらを向いた。

 コクリと、首を縦にふる。

 話を聞いていたのか。


 確かに、それしか方法がないなら、そうするしかない。

 他に案もない。


「フェイト、頼めるか?」


「わかりました。ではフユリンさん、彼らを気絶させてください」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 クロードが死んだあとのゴタゴタと休養のため、私たちは数日ラミュの家で過ごした。


「さて、そろそろ行くか」 


 雲一つない良い天気だ。

 旅の再開にうってつけの晴天である。


 ラミュの家族たちは、ベッドですやすやと眠っている。

 記憶操作の魔法の副作用で、あと一週間程度は目を覚まさないらしい。


「お姉ちゃん、パパたちのことは任せて。親戚のおじさんたちが、こっちに来てくれるって言ってたから」


 どうせならラミュも寄り添ってやればいいのに。

 なにがなんでも私の旅に同行したいらしい。


「マニョ、人様に迷惑をかけちゃだめよ」


 お前が言うな。


「しっかり勉強するのよ」


 お前もな。


「大丈夫だよお姉ちゃん。私、立派な『令嬢』になるから」


 姉妹がギュッと、互いを抱擁する。

 懐かしいな。私も以前は、あんな風に姉さんと愛し合っていた。

 ラミュにとってのクロードが、私にとってのマリアンヌ。


 はやく、あいつを潰さなくては。


「微笑ましいですね」


「そうだなフェイト。私も姉さんを抱きしめたくなった」


「お姉さんがいたんですか?」


「あぁ、リシオン姉さん。……聞き覚えは?」


「リシオン……」


 フェイトの目が見開いた。

 この反応、姉さんを知っているのだろうか。


「わ、わからないですね……」


「そうか」


 ラミュがてちてちと、こちらへ走ってきた。


「さあ!! 行きましょうフユリンさん。私の大いなる目的のために」


「まさか、まだ悪役令嬢に戻る気なんじゃなかろうな」


「違いますよ〜。自分の得意なこと探しですぅ。いつまでも役立たずじゃいられないですからねぇ」


「一人で探せ」


「一人じゃ、もう一個の目的が達成できませんってば」


「もう一個?」


「フユリンさんへの恩返しです」


「……」


「フユリンさん、本当にありがとうございました。今度は私が、必ずフユリンさんを助けてみせます。覚悟していてくださいねぇ!!」


 そう言いながら浮かべた笑顔は、彼女のファミリーネームが示す通りの、眩しいものだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※あとがき

ラミュ編終わりです。

次回、久々にあいつが登場。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ