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警察学校入校

つい最近某警察を辞めて普通の会社員に戻った人間です。この物語のテイストは小説っぽいですが限りなく実話に基づいて書くので安心してください。

警察学校に居てる間、携帯が触れず、小説を読む時間が増え、「小説家になるのも良いかなあ」と思い、この警察学校記を書くことにしました。

私が警察学校に居たのは令和の時代、まさしくコロナ禍です。

これから警察官を目指す人や、警察学校ってどんなかんじ?って思う方も読んでいただけると、ありがたいです。

4月1日、まだ冬の寒さが残る朝、遂にその日を迎えた。

前夜は緊張からか、全く寝れず、忘れ物があるといけないと思い、夜中まで警察学校から送られてきた持ち物リストに目を通した。

警察学校へ到着するのは午前8時、時間に余裕を持って30分前に警察学校の付近まで来た。

段々と警察学校の正門が近づいてくると、何か怒鳴る声が聞こえてきた。

「○○!」

教官が新入期生の名前を呼ぶ声だ、

「はい!」

と精一杯の返事をする新入期生を教官が

「お前そんな声で市民守れんのか!舐めてんのか!できんのやったら帰れ!」

と初対面の新入期生に怒鳴り散らしていた。

私も、警察学校の門をくぐり、そのお決まりとも呼ばれる同じような一連の流れをし、担任教官の峰教官から名札を付けてもらった。

峰学級の池永巡査の誕生である。


自分の住む寮室へ、先輩期の方の案内の元、ついて行く。

「ここが住む寮室になるから、よろしく」

先輩期といっても、同い年で数ヶ月早く入校している人達だが、数ヶ月警察学校で訓練をこなしてきた顔つきはとても同い年だとは思えない。

既に部屋には5人前日に入校して部屋に1泊滞在していた。

驚いたことに、その5人全員が地方出身で、出身の県警ではなく、うちの警察にきたことだ。

これから生活をともにする学級員だ。

軽くお互いに自己紹介を済ませ、これからよろしくとそれぞれ握手を交わした。




程なくして、原田指導学生(※先輩期の中で1週間の特別指導期間中に面倒を見てくれる学生。各学級男女1人ずついる)が

「峰学級第31教場に集合!!」(教場とは、ただの教室の意味、現代風に訳すと31教室ということになる。)

と声をかけた、もちろん寮は男女別れており、女性寮には男性は入ることが出来ない、もし入れば退職を迫られる。

原田指導学生の後ろに整列して、峰学級の男性25人が着いていく。

31教場に到着して原田指導学生が教官を迎え入れる際の礼法を指導してくれた。

「僕が教場の外に立ち、お願いします!と言うのでその後に、つけ!といいます、そしたら起立してください。」

「さらにその後に、続けて僕は教場に入ります、教官が僕らに対して正面を向いて気をつけしてくれるので、それを確認したら、敬礼!と言うので、30度にお辞儀をしたところで止めて、全員でお願いします!と言ってください。休めの合図があれば、休め!とかけるので、また、敬礼をし、大声で失礼します!と言った後に座ってください。」

最初はあまり、理解が出来なかったが、峰教官が31教場に近づいてきたとき、原田指導学生が教官に正対し、大声で

「お願いします!」

続けて、

「つけ!」

「敬礼!」

学生が渾身の大声で

「お願いします!」

峰教官が休んでの合図を原田指導学生に送った

「休め!」

学生が続けて

「失礼します!」

ここで初めて座れた。

が、ここは警察学校、椅子の背もたれが使えると思っては行けなかった。

峰教官が口を開く

「お前ら、警察官になりにきたんや、遊びに来たんと違う、学校に友達作りに来たんとちがう、そのへん分かっとけよ」

「今、椅子の背もたれにもたれかかってるやつ、立て」

学級員のほとんどが立たされた。

峰教官は続けて

「腕立て用意」

と号令をかける、原田指導学生は誰よりも早く

「いち、にっ、よーし!」

と素早く腕立ての体制を取る。

それに釣られて慌てるように僕らも腕立ての姿勢を取る。

これが。地獄の始まりの合図とも知らずに。

この腕立てはかなりきつかった。

春なのに教場の床が汗で水溜り出来てたのは今でも忘れません。

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