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実家で口減らしにあった青年は、山を拓く。
「さて、これからどうしようか?」
生き残るには村を見つけるしかないだろう…
この飢饉では、どこの村も口減らしはありそうだけど、
このままだと行き倒れる。
馬車の轍を辿って歩きながら考える。
馬車で5日かかった道のりを、村まで歩いてたどり着けるのか?
無理だ。
さらに、村にたどり着けたとして、歓迎されるわけがない。
また追い出されるだけだ。
他の村を探さないといけない。
馬車の轍を辿って、街道にぶつかったら街道沿いに歩くことにしよう。
そうすれば、他の村や街が見つかるはずだ。村が見つからなくても人とは出会えるだろう。
街道に出た。轍は向かって北に進んでいる。
「北か南か?」
北は村と同じ方向。ということは、飢饉の規模はそれほど変わらないはずだから…
「南に行こう。」
街道を南に進むことにした。
街道を4時間ほど進んだところで、日が沈んできた。
結局、何も見つからなかった。
仕方が無いので、野営することにした。
普通なら交代で寝ずの番をするところだが、徹夜するほかない。
火をおこして、そばで過ごす。
が、すさまじい眠気に襲われる。
まるで、魔法にかけられたように……
眠りについた