表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

第5話



 西軍の首領といえる山名宗全ですが、この人について調べる度に思い出す方が、私にはいます。

 20年近く前にコンビニコミックを買って読むことで知った、三代目山口組の大幹部、若頭補佐を務めたものの最後は絶縁処分を受けて、ヤクザの世界から引退を余儀なくされた菅谷組の組長、通称「ボンノ」こと菅谷政雄という方です。


 その方のエピソードとして、そのコミックに載っていたのか、ネット情報で知ったのか、今となっては今一つ真偽不明のエピソードですが、先にわしに援けを求めた方を援ける、というエピソードがありました。

 その理由というのが、揉め事にはお互いの理屈がある、先にわしに援けを求めた方をわしは援ける、という理由でした。

 確かに、それなりに筋の通った考えですが、余りよろしくない考えの気が、私はしてなりませんでした。

 法的、政治的、理性的に考えれば、後から援けを求めた方を援けないといけないこともあるからです。


 山名宗全の行動を見ると、政治家の行動としてはどうなのか、何だか菅谷政雄のように、援けてくれと求められたら、わしは応えてやる、という行動のようにしか思えない行動をしているように見えることがあるのです。

 その最大の行動が、文正の政変から応仁の乱の勃発に掛けて起きてしまった気が、私にはします。


 文正の政変以前から、山名宗全と足利義政の関係は、赤松家の問題等から微妙なものがありました。

 嘉吉の乱で没落した赤松家の領土を、山名宗全、山名家は押さえているのに対して、赤松家の一族、家臣は、伊勢貞親らを介して、足利義政に赤松家の旧領復帰を求めていたからです。


 また、具体的な資料では確認できませんが、足利義政の享徳の乱への積極介入方針に、山名宗全は批判的だった可能性が高いそうです。

 何故かというと、この頃まで山名家は独自の荘園を上野国に維持しており、それなりに関東に利害を持った勢力だったからです。

 長年にわたる享徳の乱に対して、いい加減に手打ちをしてくれ、という前線の雰囲気を把握し、更に戦乱で自分の荘園が荒らされていることからも、もう手打ちをして、和平を結ぶべきだ、と山名宗全は考えていたように、私は思われます。


 山名宗全の本音としては、さっさと享徳の乱への介入を止めない足利義政に将軍を降りてもらい、完全に隠居して、足利義視や足利義尚に将軍になってほしかったのではないでしょうか。


 とは言え、山名宗全が、幕府の政治を握るとなると、管領を抑える必要があります。

 この時点で、山名宗全は、三管領家の内、細川勝元、斯波義廉は娘婿に迎えていました。

 しかし、細川勝元は、それなりの政治的見識があり、義父の自分に対して是々非々の態度を執ります。

 そこに畠山義就が、山名宗全に援けを求めてきたのです。

 これだ、という感じで畠山義就と手を組むことを、山名宗全は決断します。

(それ以前から、斯波義廉を介して、畠山義就は、山名宗全との連携を模索していたようですが)


 とは言え、畠山義就と対抗する畠山政長を、細川勝元が支援している以上、山名宗全は少なくとも細川勝元の意向を確認すべきだったと思います。

 しかし、山名宗全はそこまでのことはせず、畠山義就支援を決断したようです。

 何故かというと、山名宗全と細川勝元の仲が、山名宗全と畠山義就が連携した以降、急激に悪化していくからです。

 もし、何らかの意向確認を山名宗全が細川勝元にしていれば、そこまでのこと、応仁の乱は勃発しなかったのではないでしょうか。


 なお、細川勝元の嫡子、細川政元は、応仁の乱勃発直前に、山名宗全の養女を母として生まれている模様です。

 そうしたことからも、急激に二人の仲が悪化した、と私は思うのです。

 ご感想をお待ちしています。


 この後、すみませんが、別作品の執筆のために、期間を空けた不定期更新になります。

 本当にすみません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ