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第1話

 数年前まで、応仁の乱の主な原因については、私は八代将軍足利義政の正室、日野富子が実子の義尚を偏愛する余りだったのだ、と思っていました。

(勿論、それ以外に、畠山政長と畠山義就、斯波義敏と斯波義廉等の対立があったのも知ってはいました)


 ですが、最近になって、この説については多大な疑問が示されている、というのを知り、あらためて私自身で色々と調べ直してみました。

 すると、日野富子が、実子の義尚を偏愛する余り、応仁の乱が起きたというのには、どうにも疑問があると私自身、思えてきました。

 そもそも、その最大の根拠がいわゆる二次資料、軍記モノの「応仁記」というのを知り、一次資料からではなかったのか、と私自身、目から鱗が落ちる想いがしました。

 一次資料からは、日野富子が山名宗全に息子の義尚の後見を頼んだという根拠は皆無だそうです。

 それでは、何故にこのような事態になったのでしょうか。


 この辺り、どんどん研究が進められており、それこそ数年もすれば、私のこのエッセイの内容についても、私自身がこんなことを信じて書いていたのか、と後悔する事態が起きそうな気さえしますが。

 私の現在の理解を述べるならば、主な当事者の誰もが、最初は、こんなことにまでなるとは思わずに、ある意味、軽い気持ちで煽りあってしまった結果、引くに引けなくなり、泥沼にはまって、京が廃墟と化す事態になった気がします。


 そんなバカな、と言われそうでしょうが、歴史を見れば、ちょこちょこ類例が見られます。

 世界史で言えば、第一次世界大戦です。

 サラエボ事件が発端、とそれこそ世界史の教科書にも書かれていますが。

 何故にオーストリア皇太子夫妻がセルビア人に暗殺されたことから、当時の世界のほぼ全ての列強が戦争に突入する必要があったのでしょうか。

 普通に考えれば、オーストリア皇太子暗殺事件について、セルビア政府が厳重に背景を調査した上で、謝罪することで終わりの話で、百歩譲ってもオーストリアとセルビアの二国間の限定戦争で話がつくレベルではないでしょうか。


 確かに三国同盟と三国協商等の対立が、当時の世界ではありました。

 しかし、オーストリア皇太子夫妻を暗殺したのは、セルビア人であって、英仏露の政府関係者等では全く無いのです。

 独のシェリーフェン計画があり、そのために世界大戦は必須だったのだ、と言われますが、そのために日米の国民まで戦死すると、サラエボで銃声が響き渡った時に、どれだけの人が予測できたでしょうか。


 日本史でも、類似の例があります。

 満州事変の際に、内田外相は「国土が焦土と化しても、満州を護る」等と発言し、日本の国民の多くがこれを支持しました。

 しかし、この時、それを支持した日本の国民のどれだけが、そこまでの覚悟を持っていたでしょうか。

 景気の良い言葉に酔って支持していただけではないか、それから20年も経たない内に東京等が空襲で焼け野原になり、広島、長崎に至っては原爆投下という悲劇が起きることが分かっていたら、この時、内田外相の発言を支持した国民の過半数は、逆に不支持、反対を表明したと私は思うのです。


 応仁の乱に話を戻して、そもそも論を言えば、東軍の領袖といえる細川勝元と、西軍の領袖といえる山名宗全(持豊)は、極めて近い関係にありました。

 細川勝元の正室は、山名宗全の養女(山名一族の一人、山名煕貴の娘だそうです)だったのです。


 この辺り、細かく遡って書き出すと長くなるので、足利義政の父、足利義教が将軍だった頃以降に話を絞りますが、くじ引きで将軍になった足利義教に対して、関東公方の足利持氏は、自分こそが6代将軍に相応しいと反感を募らせ、永享の乱が起きます。  

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