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いつまで続くかはわかりませんがよろしくお願いいたします。


更新も不定期でございますので暇つぶしに読んでいただけますようお願い申し上げます。


「バーラ地方代官とは何処までの権限があるのですが?」


「聞くな。俺は今からでも引き返して、カマルをひき肉にして、コペルニクスの娘にパパ、大っ嫌いって言わせたいほど、はらわたが煮えくり返ってる」


 本当に命令書と任命書が届いたのは出発前だった。書類が入っている封筒には封蝋以外に封印の魔法陣が刻印されていた。魔法陣をジールに確認してもらったら一か月後に封印が解けると言われたから放置していた。これが間違いだった。


「気になるところです。しかし、陛下のひき肉はいつもですが義兄にパパ、大っ嫌いの呪文は行政処理が止まるほどの攻撃ですよ」


「そのレベルと思え。明後日には拠点に着くのだからそれまでの楽しみだ」


 オディアの姉がコペルニクスと結婚したので義兄弟なんだが、周りからは思考や発想がよく似ている為に本当の兄弟ではと言われていた。


「本当にアイツらは俺に何をさせたいんだが」


 俺は確かにオートス聖王国を継げるだけの能力はあった。だが、自分から降りた。カマルの母親は由緒正しき公爵令嬢で俺の母親は地方代官の娘である。もとから母親同士は学園時代に身分を超えた友人だったらしく仲は良い。


 しかし、第一王妃より身分が低い第二王妃が長男を産んでしまった。その二年後に第一王妃が次男を産んだ。次男の出産と同時に家臣たちも裏で動き出していた、長男派か次男派か。王も跡継ぎを明言せず、両者に次世代の宰相を教育係をつけた。


 時は経ち、俺は十二歳の誕生パーティーの後に親父から呼び出され、王となるか臣下となるかって聞かれた。迷わず、臣下になると答えた。それから、俺の学園の入学と同時に継承権の返上とカマルを王太子とすることが発表された。


 発表後は学園は全寮制で卒業までは家族と会うことは出来ないため、カマルと会うことはないと考えていたが入学式の翌日にアイツは門番を突破し、追ってきた近衛騎士を気絶させ、俺までたどり着いた。


 初めて、兄弟喧嘩をした。オディアが|傍≪はた≫から見たら殺し合いにしか見えなかったと言われた。被害は近衛騎士や止めようした教師と生徒の軽度の怪我、一年男子寮の半壊、門と噴水の全壊だった。まぁ、今となってはあの程度で済んで良かったと考えるようにしてる。その後、全力で家族とコペルニクスに説教された


 誰にも相談せずに自問自答を繰り返して、答えを出し、カマルと喧嘩になったことは少し後悔している。だが、王とならなかったことは正しかったという考えは変わらない。


「フォボス隊長、凄いですな」


「流石の練度だな」


 実は計画されていた到着時間より一時間ほど早く着いてしまったが治安維持の為に残された五十九軍団と六十軍団の兵達は駐屯地の門から一糸乱れず整列し、長槍を掲げ、隧道(すいどう)を作り上げていた。そして、門の前には軍団長の証たる梟の紋章を左胸に付けた二人の男が俺達を待っていた。


「ようこそ、フォボス様。荷物などは我々の兵にお任せください」


「出迎えごくろう。これから全体で会議を行いたい、大隊長以上の者を集めてくれ」


「かしこまりました。では、会議室へとご案内いたします」


 解散している兵たちを見るが一切の疲れをみせないどころか緊張感をまだ、維持し続けている。流石は最前線で戦っている戦士達だ。


「旦那、置いて行かれてますぜ」


「あぁ、今行く」


 駐屯地を見たら実感が湧いてきた。確実に俺が望んだ辺境での隠居暮らしとは違う方向に向かっている。誰の思惑で俺はここまで、来たんだろうか。それとも王位をカマルになすりつけた報いなんだろうか。まぁ、老後の辺境暮らしを目指して、頑張るか。



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