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いつまで続くかはわかりませんがよろしくお願いいたします。


更新も不定期でございますので暇つぶしに読んでいただけますようお願い申し上げます。

「ア・二・キ! なんで、本陣まで来てくれなかったんだ?」


「五月蠅いぞ、カルマ。いや、今は国王陛下だったな。で、今日は何のようだ?」


 朝早くから俺を起こしたのはバーラ連合国を制圧した張本人のカマル・オートス。こいつは聖教会教皇かつ現オートス聖王国国王であり、今回の総大将を務めていた。そして、俺の母親違いの弟だ。王位を継いでからもアニキと呼び、お供を振り切って、部屋まで来る。こいつが起こす騒動に巻き込まれる俺にとっては迷惑な話だ。


「バーラ連合国が攻めてきて、反撃したら滅んだけど、統治でき「絶対、いやだ」」


 五代前の王が行った粛清によって、貴族の大半が居なくなった為にバーラに代官を出せるほど人材の余裕がなかった。だから、帝王学などを学んでいた俺に代官として、バーラに赴任させたいという魂胆だろう。


「俺だけがアニキを推薦してるわけじゃない。親父とベルルム、コペルニクスもアニキならバーラを治めることが出来ると言っているんだ。しかも、これは軍部や内政部からの命令ではない。


 五十九代カマル・オートスの名において命じる、汝フォボス・オートスはバーラ地方を部隊を率い、統治せよ」


 狡いぞッという言葉が出そうになるがそれをぐっと押し込める。これは王からの勅令だ、それを断るということは反逆と同意義。どのみち断れば、俺は国外追放か城で飼い殺しのどちらかになるだろうな。


「勅命、謹んでお受けいたします」


「うむ」


 継承権を返上して、辺境に引きこもろうとしたのにてめぇが泣きついてきたから軍に入ったのによ。初っ端から筆頭大隊の隊長になるし、副官には幼馴染のオディアが来るわ、他の隊長格も顔見知りばかりだった。なんか、久しぶりに目に見えない力を感じたわ。


「陛下、護衛をまくのをやめて頂きたい! フォボス様も申し訳ありません、前触れを出すべきと進言したのですが陛下が寝起きの方が良いと言い出して、執務室を飛び出したのでどうすることも出来ませんでした」


「コペルニクス、すまないな。馬鹿(おとうと)の面倒を見てくれて」


「いえ、陛下は優秀な方です。この突発的行動がなければもっと良い王となれるのですが」


「ハハハッ。お前は一生、俺達の教育係だな」


 オートス聖王国宰相コペルニクス・オディはフォボスとカマルの教育係を務め、両者どちらが王となろうとも大丈夫のように教育をしてきた人物だ。国と王家の為に最善を見つけ出し、それが汚れ仕事であろうと引き受けてきた。巷では冷酷宰相や血塗れ宰相など呼ばれている。


「バーラにアルター筆頭大隊が派遣されることは既にオディアに伝えております。正式な命令書は出発前にはお渡しできると思います。陛下、朝の執務が終わっておられないので戻りますぞ!」


「書類の山は嫌だぁぁぁぁ! アニキ、助けて~」


「頑張ってください、陛下」


 ずるずると引きずられる馬鹿を見送り、母親からもらった懐中時計に目をやると起床時間だった。やっぱ、クソ野郎シバく。


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