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いつまで続くかはわかりませんがよろしくお願いいたします。
更新も不定期でございますので暇つぶしに読んでいただけますようお願い申し上げます。
「天から地を見つめる星々よ、我の声に答え、その身を地へと落としたまえ、スターダウン」
隣で世界一の魔術師で狂信的なジジィがたった一人で戦術魔法を敵陣にぶっ放している、その横では落ちてくる星々を見ながら師匠の魔術は世界一ィィィって騒いでる。
変人師弟を見ていると空から真っ赤になって落ちてくる無数の岩石は綺麗だな。けど、これが自分に降り注ぐの勘弁願いたい。
「師匠は変態で弟子は師匠大好きっ子。俺の部隊はこんな奴ばかりなんだ?」
「それは隊長がそのような性質の人間を惹きつけるんでしょうね」
黒色の長髪を纏め、整った目鼻立ちは男ですら惹きつける。凡人の俺の副官がそんな奴で学園からの長い付き合いだ。
「おい、変人一号。残敵は?」
「戦術魔法が命中、六割は削れたと思います。また、アベル隊が混乱に乗じて隊長格を始末しています。追撃されますか?」
「ほっとけ、こっちはアベル達以外は魔法隊だけだ。アベルに誤射したら夜は震えて寝ることになるぞ」
「……」
おい、黙るなよ。追撃用の魔法を準備していた新兵が顔を青くして、こっちを見てるだろ。
「俺達の仕事は終わった。後は本体に任せよう」
「了解しました。撤退弾を上げよ」
ファイアボールが上がり、アベルの部隊が退いていく。それに伴って戦闘音も消えたが敵はこれからが本番だ。
「魔法隊の新兵が俺っちの顔を見るとヒィと言い、逃げていくんだがなんか知らん?」
「俺は何も話してないぞ」
「私もです」
今回の戦闘で敵先鋒二千を三百人で壊滅に追い込んだ。報告書は大将には会いたくないから伝令に持たせて送るか。
「そういえば、敵の指揮官が話が違うぞと騒いでいたぜ」
「お前たち以外で誰が何かしらの情報を流していたのか?」
「さぁ~ね。五月蠅かったらすぐに喋れなくしちゃったからわかんね」
アベルは肩をすくめて、離れていった。さて、指揮官は言ったことは気になるが俺達の仕事は終わった。帰還しよう。