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僕の睡眠学習は幸か不幸か  作者: 汐 幹也
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さよなら安らかな睡眠

…また同じ日の繰り返しだ。普通の学校に、普通の部に所属する高校生。何も変わりばえしない日々の繰り返し。僕は、俺はただただ普通の学生だ。


僕は特に世界史の授業が苦手だった、起きていられない。全ての授業の大半を惰眠をむさぼる行為に費やす類の人間というのはまさしく僕に向けた言葉と思わせるほどだ。だけどなぜだか成績は上位4割には入っていた。そんな僕は授業中に夢を見ることが多くなった。最初は記憶に残らない曖昧なものだったのが最近はどんな感じであったかまでは覚えている。そんな惰眠を貪っているときは決まって先生の足音で目を覚ますのだ。

「ハク大丈夫か?起きろ?ここわかるよな?わかるから寝てんだもんな?」

という意地の悪いことを言い出す。僕のあだ名で呼んだこの教師、この世界史の担当教師と合わせて僕は笑うが正直好ましい教師であるとおもえなかった。背後のクラスメイトは教えてくれたり、笑い出す。クラスメイトが教えてくれた内容をそのままいうと当然

「しっかりきけ!」

と怒られた。最初はそうだった、最初は。

夢がはっきりして来たぐらいに僕はクラスメイトの助けを必要としなくなった。大まかな内容を説明することができるようになった。


ある春の日、この時の授業は確か世界史だった。いつもと同じ様に足音で僕の意識は覚醒へと向かった。




寝起きの私はまず視野がぼやけているのに気づく、はて何を答えればいいかいつもの様に思いつくまで待った。不意に声がかけられて、

「うわっ」

と声が出た。不覚だ、常習犯であるはずの私が「うわっ」とか、いやまてまてまて、こんな起こし方先生したっけ?あー、みんなから視線が突き刺さってるよーとか思いつつ視野のぼやけが解消された時、目の前にあるのは広い道路と民衆だった。わけがわからない。まてまて足音と衝撃の犯人を探し周りを見渡すと後ろには可愛らしい少女が抱きついて来ていた。おぉう、なんとも保護欲をそそられますねぇ、いやいやまて犯罪臭がするぞ。自重しろ。よし、情報分析だ。んー、持ち物は?旗のみ、後ろには強面の人々と少女。うむ

、ミスマッチ。

少女を目に焼き付けようと見つめていると。急に視界が回り始めた。次に認識したものは中央に薪が積み上げられた公園と少し見落ろすかたちの視界と、熱さだった。


「うわっ」ガタッと椅子を震わせて立ち上がった僕に怪奇の視線が集まった。時計見れば授業終了三分前だった先生も僕を見てこう言った。

「今日は頑張って残り十分まで起きてたのに残念だなぁ、もう少し我慢しような。」と言って可哀想なものを見る目と怒りが混じって、なんの感情も伺えない目で僕を見た。

先生は授業の最後に

「じゃあ始めと終わりの話ししたから間詰めてくなー」

と締めた。




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