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通り魔:1

 俺は振り向いた女の顔に躊躇い無くナイフを走らせた。白い頬にザックリと開いた裂け目から飛び散った温かい血が、俺の頬を濡らす。


 温かな血の感触と臭いに、俺は絶頂を迎えるような興奮を感じた。悲鳴を上げて路上にうずくまる女の無防備な背中に更にナイフを突き立てたかったが、誰かに見つかってしまうかもしれない。


 俺は女をそのままにして裏路地に逃げ込んだ。サングラスとマスクで変装しているので、多分顔は見られていないだろう。


 まだ、大丈夫。まだ、捕まる事無く狩りを続けられる。


 これまで、欲望の命じるままに何人もの女を切りつけて来た。監視カメラの少ない郊外とは言え、未だに捕まらずに狩りを続けられるのは奇跡と言っていい。


 しかし、そろそろ警察の捜査も住処の辺りまで拡大してくる頃合だ。この町での狩りは、もう限界だろう。


 だが、満たされない……最初は見ず知らずの女を切りつけて悲鳴を聞き、血を見るだけで快感を覚えていた。でも、最近はそれだけでは満足出来なくなってしまった。


 どうすれば良いかは解っている。俺が本当にやりたいのは、ただ女に切りつけるだけじゃなく、更にその先の行為……


 裸に剥いた女の柔らかな肉にナイフを何度も何度も突き立て、噴き出す血を全身に浴びて、命乞いをする涙に塗れた怯え顔から目玉を抉り出し、乳房を削いで腹を断ち割り湯気の立つ腸を引きずり出してそれを女の首に巻きつけて……


 しかし流石にそれをしてしまえば、警察も躍起の捜査を行い、いずれは俺を見つけるだろう。


 俺には前科がある。捕まれば今度こそ長期の服役は免れない。最悪、死刑だって有り得るだろう。だから、それだけは我慢しなければいけない。血を見るだけで我慢しなくては……


 だが……


 満たされない……

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