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エキ・者・カタリ  作者: すかーれっとしゅーと
10/12

辛子明太子のようにホットな駅<前編>

本日3話目。

文章表現が後退してるのか?

拙い文章になってすみません。けど、投稿はします。

九州・博多行きの新幹線。

夕陽に向かって走っていく車両は、オレンジ色に光って幻想的な景色を演出している。

連休最終日とあって、車内は混み合っていた。

そんな中、1人缶ビールをあおり、カツを食している男がいる。

殿本とのもと恵吾けいごである。

ただいま名古屋に残している彼女に振られ、傷心中である。


★★★


名古屋駅で購入した味噌カツは、2串。これは少なかったかもしれない。

酒のつまみに、と思って買ってきたものの、博多到着まで3時間以上かかる。

席について、京都過ぎた辺りで食べ始めたものの、新神戸到着までには平らげていた。

缶ビールも1本では足りなかったかもしれない。

もう少し買えばよかった、そんな後悔の念が湧いてくる。


ブーブーブー


スマホが鳴る。名古屋を出発して2回目か。

画面を覗く。名古屋にいる元彼女・里美からだ。ごめんねの4文字。1回目と一緒だ。

ごめんね、か。意味がわからない。

男と花火大会に行ったことについてだろうか。

彼女は言及していないが、最悪、2人きりで行っている可能性もある。

ごめんね、と送ってくるということは、俺に悪いことをしているということなのだろう。

言及していないため、もしかしたら違うのかもしれない。信じたい。

だが、「ごめんね」としか送ってきていない。

信じたい、違うのかもと思いたいが、悪い想像が心の中を支配しそうだ。

博多に帰ったら「楽しかった?」とメールを入れようか、と思っていたけれど、無理かもしれない。

ドラマとかで女性に振られた主人公を見て、冷静になれよ、考えろよ、心弱いなとか思っていた。

歴代主人公様、ごめんよ、貶して。

俺はそこまで強くなかったことを今、知ったよ。偉そうなこと言ってほんとすみません。


そんなことをグルグル考えて、答えの出ない答えを求めて、缶を握りしめていた。

隣に座っている親子連れがチラッチラとこちらを伺っているが、気にする余裕がない。

これは、心機一転、仕事した方がいいのかもしれない。

そうしよう。


★★★


恵吾はカバンからノートパソコンを取り出した。

座席のテーブルにセット、左側のコンセントから電源を供給。

電波状態は問題ないらしい。

彼は全てを忘れるように一心不乱にキーボードを叩く。

カチャカチャと軽やかな音が流れる。

アルコールが入っているはずなのだが、関係ないらしい。

彼女について考えることを振り払う、その拒否行動が、アルコールを吹き飛ばしているのかもしれない。


その間にも3回目、4回目、5回目のメールが入っていた。

彼自身もバイブの音に気付いていたが、画面を見ようとまでは思わなかったらしい。

どうせ同じ「ごめんね」の文字だろう、と。


しかし、この5回目のメール。

実は里美が友人2人に注意されて、まともに送ったものである。

恵吾は気づかない。気づいていたら、小倉で出会うことができただろう。

里美もポンコツだったが、この時は恵吾もポンコツになっていた。


★★★


~まもなく、終点、博多です。鹿児島線、長崎線、佐世保方面は、お乗り換えです~

~地下鉄線をご利用の方は、改札口を出て、地下ホームへ、おいで下さい~

~お降りの時は、足元にご注意下さい。今日も新幹線をご利用いただき、ありがとうございました~


博多到着のアナウンスが流れる。

うん、仕事は捗ったね、これで明日以降は楽になるかな。

とりあえず、パソコンを収めよう。ん?メール着信のランプか。

何回か震えていたのはわかったけど、どうせ、里美からのメールだろう。

アイツ、花火大会の時間はさすがにメールして来なかったようだな。

もし、してきても見ないけど。花火の写真なんか送って来た時には、発狂しそうだからな。

そう思いながら、荷物をまとめて下車準備を始める。

終点であることと、休日ということが重なって、降りるひとで大混雑。

ホームに降り立った後も、エスカレーターを長い列に連なり移動する。

この頃の俺は、悲壮感に溢れた顔をしていたかもしれない。


新幹線中央改札を出る。筑紫口の前で一息をつく。熱男の看板が目につく。

今日はいろいろあった。里美に振られた。決定じゃないかもしれないが、ダメかもな・・・

まあ、最後の意地で花火大会が終わった直後にメールを送ってやろうじゃないか。

そう思い、スマホの画面を見る。未読メールが3つ。全部里美からだろうな。

仕方ない、読むか。そう思い、メール画面を開ける。

一番上の、最近送られてきたメールを開けてみた。





From:里美

Sub:ごめんね

ケイくん、花火大会行くとかって言う話、全部ウソなの

花火大会に行きたいとは思ってるよ

でも本当は、ケイくんと博多に行きたかっただけなんだ

男と一緒に行くというのもウソ

あのメールは仕事関係の連絡メールなの

ウソついた私が悪いし

許してもらえないだろうけど、ごめんなさい。


今、小倉にいるの。早苗ちゃんたちと一緒にいる。

許してくれて、ケイくんの家に行っていいって言ってくれるなら

今からでも行くから。

返事よろしくお願いします。


あと、ごめんねメールたくさん送ってごめんね

早苗ちゃんと亜美ちゃんにめちゃくちゃ怒られた

ちゃんとおくらなくちゃわからないよって

本当にごめんなさい




★★★



俺は頭をガンと殴られた気分だった。

正直、彼女のウソにむかついた。そしてそんな女だったのかとも思った。

が、それは一瞬だった。

そうか、彼女もいろいろ悩んでくれてたのだな、と。

確かに自分で策を練って自分で空回ってちゃ迷惑でしかない。

でも、まあ、彼女が離れていくことを考えれば、小さいことだ。

そう思い直し、里美にメールを送る。


返信が来た。送るとすぐに帰って来た。

すぐに向かう、そう書いてあった。

本当に小倉にいるのか、そんな心配をしていたが、添付されていた写真で吹き飛んだ。

赤とピンクの間の色の2本ラインのバス、そして青い英字で会社名が。

福岡県下で1番有名で、他ではほぼ見ないバスの写真が添えられていた。

間違いない、小倉に、というより、福岡県内に里美はいる!


気分は晴れ晴れとしている。彼女が博多に来る。俺の家に来る。

今夜は一緒なのだ。久しぶりに。

非常に嬉しい。もしかしたら夜の・・・は、考えないようにしよう。



★★★


博多駅筑紫口。

1人の男の心が燃えている。

好きな女を諦める、そのどん底からの自分の住む街に来てくれるという大復活劇。


近くで座っていた叔父さんが、その様子を見て、ニヤニヤしていた。



JR博多駅

言わずと知れた、東海道・山陽新幹線の執着駅である。

九州一の人口を誇る福岡市の中心駅。

鹿児島本線で熊本、鹿児島方面、快速で熊本県荒尾市まで通勤圏内。

特急みどりで鳥栖、佐賀経由、長崎、佐世保まで。特急ソニックで小倉経由の大分まで。

地下鉄では福岡空港、反対方向では途中からJRになって唐津方面へ。

九州北部方面は大体網羅している。

それに加えて、博多口付近にある、博多バスターミナル。

九州の主要都市を網羅。鉄道で行きにくい大分南部、宮崎方面をもカバーしている。

九州の中心、博多。中州の街に九州全土から働きに来ていると言われても、驚かないレベルです。



里美のメール文章。

もっといいものが出たはずだ。

そう思ってたけど、限界でした。すみません。


博多駅、取材したはずなのだが・・・生かせてない。

写真撮って、動画取って、スマホが壊れるという。

がんばりまーす。

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