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君に告ぐ  作者: ミズハラハヅミ
最終部 君に告げられたのは
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63/79

「おはよう。今日はいい秋晴れだな」

 一年三組担任の日本史・多田先生は、開口一番そう言った。

「今日のSHRは今月のボランティアワークについて決めてもらうことを先に話しておきます。七限目のHRでやってもらうから、浅沼、頼むな」

 浅沼くんが、またかよーという顔をモロに出しながらも、ハイと答えた。

 それから多田先生は手持ちの黒い台帳を開いた。

「じゃ、出席取ります。浅沼」

「はーい」

「安藤、伊東……あれ、伊東休みか?」

 伊東の返事がないところで早速つまづく。「誰か理由聞いてる奴いるかー?」

 教室の後ろの方で、数人の男子が手をあげた。同じサッカー部の友人たち。

「伊東、なんかカキにあたったみたいってメール来てましたー」

「アホでぇー、あいつー」

 少しだけ千葉の顔が心配そうに曇る。

「欠席連絡は親御さんから学校に直で電話しろってメール打っといてくれ」

「了解でーす」

「今すぐ打て。打ったら即電源切ってカバンの中な」

「かしこまりー」

 学校内ではメールを含めたケータイの使用が、始業前、昼休み、放課後以外完全禁止されている。

「続けるぞー。井上、宇佐美、尾崎、……っと梶原は休み。門倉、工藤、」

 亜季は返事をしながら、多美の欠席の理由に思いを馳せる。昨日ケータイメールに連絡があった。敦子と古沢の三人への一斉送信で、とてもシンプルな内容だった。

「なんだかなー」

 亜季がぼそりと呟いた独り言は、誰にも聞こえない。

「古沢、堀口、宮岸、」

 古沢はSHRの間中ずっとノートを書いている。予習部分。これに授業中を足して完璧なノートになる。古沢のノートはクラス内でもかなり評判で、しょっちゅう見せてと頼まれているが、常に断っている。それは自分の悪筆を見せたくないからだが、今日のノートは後でコピーして渡すことになるからと、丁寧に字を書き直している。

 敦子もやはりメールの文面を、何度も繰り返し思い返している。

『明日は梓が亡くなったのでお葬式に行ってきます。』

 悲しいとか辛いとか、いっそ大丈夫だよとか、心情が一切入っていない業務連絡に、敦子は大きくため息をついて、窓の外を見つめた。

 外では秋特有の高い青空が、抜けるように美しく広がっている。






本日より最終章となります。思っていたより長かったですが、あと少しですので、最後までおつきあいいただけると嬉しいです。

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