4/19
4
4
庭に降るふる年輪を舞え。
足を、腕から胸への手前、
琴を行き過ぎ、歌が遥かに
風を流れる。声はかすかに
草木を撫でて、踊りのうちに
檸檬をそえる。それらは口に
清く飛びちり、夜であれば
死者が目覚める。仰ぎ見れば
星々が、光を注いで落ちる。
瞬きに、巨木の花びらが散る。
それらのなかを糸のように進み、
体の形姿、うねる目を映す身、
門へ寄せ来るこれら歓呼を捉え、
薔薇を結んで渡せ。未来の子らへ。
――――解題――――
門とはもちろん庭の門であるが、同時に魂の門も示す。それは肉体における感覚器官と魂の境である。「夜であれば死者が目覚める」この表現は死んだ者の肉体的復活を指しているのではない。夜に目覚める死者とは霊的な諸存在との対話を指している。