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星明かりのかすかな揺れ、
綴る詩行の端に触れ、
私の指が、ああ、偉大な、
あなたの声に、今、届いた。
夜の門を誰かくぐり、
白い足で庭を巡り、
かつて何かを落としたならば、
それは私の衰えた駄馬。
だが侵入者よ、今一度、
この褪せた馬と、古い井戸、
わずかにしろ、これらは手に入れた。
静かにせよ、そして彼がくれた
煌めく水を口にすれば、溢れる
思いがあれら天の音に、震える。
――――解題――――
象徴的な言葉の繋がりは意識して行っているつもりだが、それが真実を言い得ているかどうかとなると話は別である。例えば、私は「煌めく」というイメージを水に重ねているが、本来であれば、風に重ねるほうがよいかもしれない。だがここで、「煌めく」というイメージと「水」というイメージを混ぜ合わせたならば、「煌めく水」というひとつのイメージは、人間存在を構成するものの一部を示せるのではないかと思う。