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瞼の裏でなおも動く、
世界の姿よ、降る地獄、
昇る煉獄、人の通る
無常を映し、あえて香る
この庭、いずれ全ては奪われ、
錆びつくだろう。鍵もひび割れ――
しかし漂う天の雨よ、
これら亀裂に咲かせて誉めよ。
あなたが一歩を進めるための大地、
それは私に沈んだ感情、
消える記憶に絡んだ誕生、
かつて選んだ星々の成す配置、
越え行くための勇気を垂らして、
あなたの魚を呼び寄せ、目指して。
――――解題――――
これは霊域参入のための秘儀に関することに触れている。最終行の「魚」は、もちろんキリストに関係する象徴である。完全な自己意識としての自我のことを指している。




