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――踏みしめよ、この悪、淀み、
線と化した道を。重み、
そして軽さの内で開いた
花を。それは私の歩いた
情景。荒地のひとつの種さえ
歪んだ。それでも心ははや冴え、
できるのだ、あなたの香りの
名を呼ぶこと、世界の真意の――
では今、足の下の花弁を思え。
それはいつか薔薇となり、
胸の光と重なり、
瞬き、皮膚の張りを伝えよ友へ。
回転に指が触れる。
めしべから明日が垂れる。
――――解題――――
「指」も、私がよく用いるイメージである。指は何かを指し示したり、物を形作ったりする。それらを神的なものの行為として象徴的に用いている。もうひとつ、「回転」もよく用いる。これにはいくつかの意味合いがある。ひとつは、輪廻転生など、人間が進化の過程で辿る道を象徴的に表す時。だがここにおいて用いている「回転」は、それと共に、私たち人間が萌芽として持っている、高次の超感覚的能力の目覚めのことを示している。




